隣人たち
1960年代、アメリカ。親友同士のセリーヌ(アン・ハサウェイ)とアリス(ジェシカ・チャステイン)は、郊外の隣り合った家に暮らしている。お互い裕福な家庭で同じ年のひとり息子を持つ彼女たちは、幸せな生活を送っていた。
しかしある日、セリーヌの息子がバルコニーから転落死したことで、ふたりの関係はギクシャクしだす。喪失感に苦しむセリーヌは、次第にアリスの息子テオに心を通わせるようになっていく。
隣人(原題:Mothers‘ Instinct)
劇場公開日:2026年7月24日
2024年製作/4分/G/アメリカ・ベルギー・フランス・イギリス合作
配給:ギャガ
予告編
アリスはその様子に違和感を覚えますが、周囲は「悲しみから立ち直ろうとしているだけ」と受け止める。何気なく、テオがセリーヌにもう一度子どもを産むかと尋ねると、の出産を機に子供を産めない身体になったことを話す。

ある日、アリスはバルコニーで遊ぶテオを見つけと、生け垣の近道を通ってすぐに行くことができたため、「マックスの時も同じように来られたのでは?」とアリスは考える。この出来事を境に、アリスはセリーヌへの疑念を深めていく。
セリーヌの家でテオがクッキーを食べて重いアレルギー症状を起こして入院する。アリスは「わざとアレルギー食材を食べさせた」と確信する。
さらに、アリスの義母が突然亡くなり、あえてアリスは検死を段取りする。結果、内服していたはずの心臓の薬が体内から検出されず、アリスはセリーヌが薬を偽物にすり替えたのではないかと疑う。その前のある日、セリーヌはアリスの誕生日に顔を出したところ、この義母から、喪中であるから顔を出すなと嫌味を言われていた。
逆にアリスの精神状態が問題視され、彼女自身が危険な存在として扱われ始める。夫はアリスの精神状態を疑い、病院で診てもらうように促す。物語は「セリーヌが犯人なのか、それともアリスの妄想なのか」が判然としないまま進む。

終盤、アリスは「自分が間違っていたのかもしれない」と考え始め、セリーヌと和解するが、しかし、それこそがセリーヌの狙いだった。

息子を失った母親が隣人の息子へと向ける得体の知れない執着。救えなかったという罪悪感を抱えつつ、今度は自分の子どもを奪われるかもしれないという恐怖に苛まれる隣人。それぞれの母性が、我が子を守ろうとする保護欲なのか、行き場を失った執着なのか、あるいは根拠のない妄想なのか、観る者には次第に判別がつかなくなっていく。それに呼応するように物語も、喪失を描くドラマから、復讐や乗っ取りの意図を疑わせる家庭内スリラーへと姿を変えていく。
【ここからネタバレ】
セリーヌは豹変して、まず、夫を毒殺する。
セリーヌの夫は薬剤会社に勤めていて、その関係からか、セリーヌの秘密の戸棚には、クロフォルムをはじめ薬剤がびっしりとある。
さらにアリス夫婦を毒殺して、心中に見せかけ、自分は悲劇の隣人として振る舞う。
裁判所は両親を失ったテオの後見人としてセリーヌを認めることになる。
彼女はついに「もう一度母親になる」という歪んだ願いをかなえ、テオを連れて海へ向かう。
テオは「セリーヌがお母さんになることを受け入れるか」と問われ、「うん」と答える。
『隣人たち』は、「母性」という言葉の恐ろしさを描いたサスペンススリラーである。
原題Mothers' Instinctは、日本語にすると「母の本能」「母性」。
アン・ハサウェイ演じるセリーヌは、失った息子の代わりをテオに求める歪んだ母性。
一方のアリスは、息子を守ろうと必死になる本能的な母性。
全く性質の異なる二つの母性がぶつかり合い、物語は誰も救われない結末へと突き進む。それにしても、二人は着ている服を変える。まるでおのれのファッション感性を誇示するかのように。特にセリーヌは頻繁に服を変える。







































