2022年11月18日 (金)

『アメリカの教会 キリスト教国家の歴史と本質』『バタフライ・エフェクト T県警警務部事件簿』

11月6日(SUN)☀☁
ジュンク堂にて購入。

464970fd2f87459299a1a7fa53cc4b1c アメリカの教会 キリスト教国家の歴史と本質
橋爪大三郎
光文社新書
2022年10月 476ページ

なぜアメリカは宗教国家なのか?
本書はこの疑問に答えてくれるという。
アメリカは教会の国だともいえるという。
カトリックを除外すると、一番多いのは、バプティストと、次がメソディスト。アメリカは移民国家だから、それぞれの、宗教を持ち込む。それにアメリカで生まれた宗派もある。モルモン教、エホバの証人、クリスチャン・サイエンス、アドヴェンティストと、多数だ。

ヨーロッパでは、カトリックとプロテスタントの宗教戦争が起きた。
ウェストファリア条約(1648年)で、住民の信仰は、君主と一致すべきと決められた、
君主はプロテスタントかカソリックをいずれかを選択し、お互いを尊敬する。
ヨーロッパの人々はそれぞれ生まれた国によって信仰する宗教が決まる。アメリカとは大きく違う。
イングランドはヘンリー8世が国教会を樹立してカトリックから分かれた。イタリア、スペイン、ポルトガル、フランス、ベルギー、ドイツの一部、ポーランド、アイルランドがカトリック。ドイツの大部分と北欧がルター派。イングランドが国教会。スコットランドが長老派。スイスとオランダが改革派(カルヴィン派)、のように地域ごとに分かれることになった。

8b65bd07df9b43a9888ebd9afc3c23f4 バタフライ・エフェクト T県警警務部事件簿
松嶋智左
小学館文庫
2022年11月 316頁

裏表紙の紹介より、抜粋
県警本部に新設された「事件課」に6名が配属された。着任早々、新人警官が首つり自殺した。メンバーを率いる明堂薫は若手の温度差を感じながらも監察介入の前に死の理由を明らかにしようと動き出す。
一方、別の所轄では収監中の連続窃盗犯にアリバイがあることが判明し、誤認逮捕の可能性が浮上した。伝説の刑事と歌われた人物が課長を務める署の失態なぜ起きたのか。薫たちが調べを進めるうち、恐るべき組織の闇に迫ることになる。→人気ブログランキング
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2022年11月 2日 (水)

『灯台へ』『「推し」の科学 プロジェクト・サイエンスとは何か』『水道、再び公営化!』『マリアビートル』

10月29日(Sat)☀
ジュンク堂新潟店にて、以下の4冊を購入。

D41ac17381b1436a974e1921bf7a738e『灯台へ』
ヴァージニア・ウルフ/御輿哲也
岩波文庫
2004年 413頁

『やりなおし世界文学』で津村記久子は、ヴァージニア・のウルフ『灯台へ』は1行たりとも気が抜けないと言っている」
そんな手強い文体なのか。『ダロウェイ夫人』を読んだ限りでは、ヴァージニア・ウルフの文章は手強い文体だった。
本書の出だしはこうだ。
「明日晴れだったら」ラムジー夫人が言うと、6歳のジェームズは途方もないよろこびを感じた。灯台に行くということだ。窓の外の父親が「晴れにはならんだろう」と言った。ラムジー氏は母親を馬鹿にして見せたり、自分の自己判断の正確さに自己満足を感じている。ラムジー氏は厳格である。
「何だか晴れるような気がするわ」とラムジー夫人が言う。
灯台守の孤独を紛らわすため、灯台守の息子への手編みのソックスを編んでいる。孤独な生活を送る灯台守には古い雑誌やタバコなどをプレゼントする予定だ。

3176529dd6ab4333b5a05cb50b06a778 『「推し」の科学 プロジェクト・サイエンスとは何か』
久保(川合)南海子
集英社新書
2022年8月 251頁

「推し」とはとても好きで熱心に応援している対象のこと。
プロジェクションは心の働きのひとつで、認知科学から提唱された最新の概念である。
人間の認知機構にまったく新しい解釈をあたえるのがプロジェクション・サイエンス、〈投射の科学〉と呼ばれるものだ。「推し」はプロジェクション・サイエンスの格好の研究対象である。
腐女子のBL妄想もプロジェクションである。
サピエンスが生き残れたのも、サピエンスにはプロジェクションの能力に優れていたからだという。
「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か(人生はスラップスティック)

2d212d2c33e54f4f839e0b45ed8565d9 『水道、再び公営化!』
岸本聡子
集英社新
2020年 216頁

水道の再民営化は、マスコミで取り上げられていた。その原因は民間運営では料金が高騰し、管理が杜撰でトラブルが起きた。民営化は、投資家に売り飛ばすことだ。
本書は再公営化を掲げ杉並区長に当選した著者が、新自由主義の残した負の遺産からの脱却を目指す。

Ae6e529cd908444a9d64dbf40e471823 『マリアビートル』
伊阪幸太郎
角川文庫
2013年 591頁 

表紙のブラッドピットの画像、「ハリウッド映画化」に惹きつけられて、買った。
めくると、各章のタイトルがシャチハタ・ハンコである。これは伊坂幸太郎の特許だ。
前に、伊阪のシャチハタ・ハンコの本を読んだことがあるが、しっくりこなかったので買うのをやめようと思った。が、魔が刺した。この本は多分読まないが、カバー裏の紹介文を紹介させていただく。
〈幼い息子の仇討ちを企てる、酒浸りの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生の「王子」。闇会社の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。失踪する東北新幹線の車内で狙う者と狙われる者が交錯するー。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く娯楽小説の到達点!〉→人気ブログランキング
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2022年10月26日 (水)

『日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで』『京都の食文化 歴史と風土が育んだ「美味しい街」』『ガリバー旅行記』

10月23日(Sun)☀☔☁
ジュンク堂新潟店。

Photo_20221026100201
日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
小谷賢 
中公新書 
2022年8月 279頁

本書の問いは2つ。1)日本でインテリジェンスが発展しなかったのはなぜか。2)戦前の縦割りの情報運用がそのまま受け継がれたのか、それとも改善されたのか。
1)の答えは、米国は日本が自前の情報機関を持つことを快く思わなかったからだ。
1983年サハリン沖で、大韓航空機がレーダーから姿を消した。ソ連の迎撃機がミサイルで撃ち落としたのだ。その命令を自衛隊が傍受した。lところが、しらを切るソ連に、米国はその情報を安保理で突き付けたのである。ソ連は交信の周波数を変えてしまい、日本の傍受部隊は大打撃を受けた。
公安・警察の出身である後藤田正晴官房長官は米国の下請けに甘んじてきた日本の諜報機関の実情に無念を感じたという。

インテリジェンスとは国家が熾烈な競争を生き抜くための情報をいう。

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京都の食文化 歴史と風土が育んだ「美味しい街」
佐藤洋一郎
中公新書
2022年10月 246頁

京の食文化には3つの特徴があるという。
ひとつは、良質な水が地下水として利用できたこと。二つ目は街が盆地に立地し、山、川の食材が入手しやすかったこと。三つ目はその盆地が適当なサイズで周囲から隔離され、そこに暮らし、なりわいを営む人同士の関係が世代を超えて続いてきたこと。

Photo_20221026100302ガリバー旅行記
ジョナサン・スウィフト/柴田元幸
朝日新聞出版
2022年10月 491頁

夏目漱石やジョージ・オーウェルが名著と褒める。

アイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフトによる風刺小説。原版の内容が大衆の怒りを買うことを恐れた出版社により、初版は改変されて1726年に出版され、完全版は1735年に出版された。
『ガリバー旅行記』の日本語訳は本書のほかに、山田蘭訳(角川文庫)、平井正穂訳(岩波文庫)がある。

第一篇 リリパット国渡航記
リリパット国とブレフスキュ国は、およそ800メートルの海峡を挟んだ島国同士である。両国の国民は、身長が常人の1/12ほどの小人。
両国は、2世代にわたって交戦下にある。戦争の理由は、卵の殻の正しいむき方は、卵の大きな方から剥くか、それとも小さな方から剥くかについての意見の違いに由来する。
リリパット国に漂着したガリヴァーは、歓待を受けたことで、リリパット国を防衛する義務を感じ、ブレフスキュ国の艦隊を拿捕することで戦争を解決する。
リリパット国の皇帝は、ブレフスキュ国をリリパット国の属領にしようと目論むが、ガリヴァーはブレフスキュの国民を殺戮することを拒絶する。このことと、宮殿の火災を放尿で消し止めたことがリリパット国の皇帝の逆鱗に触れた。皇帝はガリヴァーの目を潰し、餓死か毒殺の刑罰をガリヴァーに科そうと企てる。これを知ったガリヴァーは、ブレフスキュ国に逃げ、転覆したボートが浜に打ち寄せられているのを見付けて、イギリスに帰国する。
この篇において、リリパット国とブレフスキュ国の戦争は、イングランド国教会とカトリック教徒の諍いを風刺している。「卵の大きな方」はカトリック教徒を表しており、「卵の小さな方」は国教徒を表している。

第二篇 ブロブディンナグ国渡航記 
第三篇 ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記
ガリバーは空を飛んで日本にも姿を表している。
第四篇 フウイヌム国渡航記

2022年10月20日 (木)

『直立二足歩行の人類史』『文にあたる』『プラトン テアイテトス』『副署長3 祭礼』

10月13日(Thu)☀☁
TOKIOにてカットとカラー。そのあとジュンク堂へ。

Photo_20221020194701直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足
ジェレミー・デシルヴァ/赤根洋子
2022年437頁

化石で人の進化でミッシングがなくなったという。今この手の本は読みどきだという。

Photo_20221020195201文にあたる
牟田都子
亜紀書房
2022年8月255頁

著者は独立して校正の仕事を請け負っている。人気校正者である。
著者の校正のやり方は、3回、目を通すという。誤字・脱字・衍字を直し、書かれていること正誤を確認する。例えば猫の前足に肉球は5つあると書かれていれば、それを確かめるため調べる。12万語の本であれば、校正に約2週間かかる。
プロの校正人の校正に立ち向かう姿勢と苦労話と奮闘ぶり、そして校正の醍醐味が語られている。

Photo_20221020195301 プラトン テアイテトス
プラトン/渡辺邦夫
光文社文庫
2019年 493頁

チョムスキーのいうプラトン問題について調べるために購入。。
ジュンク堂でプラトン問題に触れていそうなプラトン御著作をめくってこれに決めたのだが、結果的には的外れだった。
プラトン問題とは言語を習得する能力は人間の脳にもともと備わっている。幼児が突然言葉を理解したり、知らないはずの言葉を発するのは、そういうことによる。
プラトンの想起説は人間は生まれてくるときに霊界での知識をすべて忘れてしまう。学習はそれを思い出すす作業である。想起説はいずれはイディア論に結びついていくのだが、想起説が論じられるのは、『メノン』『パ イドン』『パイドロス』の3つの対話篇においてである。しかし,そ れぞれの作品を通して展開される想起説の形成は,イデア論の形成と連動している。チョムスキーのプラトン問題とはこの想起説のことなのである。

Photo_20221020195401 副署長3 祭礼
松嶋智左
新潮文庫
2022年10月 335頁

松嶋智佐の副署長シリーズの第3弾。
有無を言わず即購入。
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2022年9月22日 (木)

『脂肪の塊・テリエ館』『人間の絆・下』『殺しのライン』『娼婦の本棚』『地球流浪』

9月22日(Thu)☁
9月25日が日曜で、明日は「秋分の日」で休日だから今日は給料日だ。
昼食は、けやき通り三吉屋で、ラーメンと餃子の2連銃だった。
ジュンク堂に向かう。プラーカにつながる地下道の一部が工事中で閉鎖されていた。
つい5冊も買ってしまった。

5faaaba5b7804eb7949d9ead9cecf064『脂肪の塊・テリエ館』
モーパッサン/青柳瑞穂
新潮文庫
1951年 158頁

『やりなおし世界文学』のなかで、著者の津村記久子は、中学生のときに『脂肪の塊』を読んだという友人がいて、その言い方に険があるように感じられたという。そのことが頭から離れず、読むことを避けていたというエピソードを描いている。
そういえば『脂肪の塊』は娼婦の話と小耳に挟んでいたものの、つい読みそびれてしまっていたのとは事情が違うが、買ってみようと思った。→人生はスラップスティック『脂肪の塊・テリエ館』

0d3e2b9a4491429e9734ee7a86ac8722 『人間の絆下』
モーム/金原瑞人
新潮文庫
2021年 636頁

高校の英語の副読本におけるモーム作品に書かれていた「レストランでの勘定書が読める程度の照明」と「形のいい爪」の出典を突き止めようとしている。
『人間の絆』はモーム自身の半生を描いたような内容だというから、レストランの勘定書を手にする年は大人だ。ならば「上」ではなくて「下」だろう。それで「上」ではなくてまず「下」を読もうという魂胆なのだ。

512ac7d61aba4db9afd01bd9b9052e20 『殺しのライン』
アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭
創元社推理文庫
2022年 456頁

アンソニー・ホロヴィッツの作品は惰性で買っている。『ヨルガオ殺人事件』も『その裁きは死』も購入したが、積読状態にある。

0d053206515d40a5b45e73b7c2ea2f52『娼婦の本棚』
鈴木涼美
中公新書ラクレ
2022年 253頁

性風俗出身の若い女性がその経歴を売り物にして本を書くというのは、最近見かける。渋谷果歩の『AVについて女子が知っておくべきすべてのこと』(サイゾー/2020年)は、著者がAV女優として活動した経験をもとに描いたものである。著しく生々しい。
一方、本書は大学生時代にAVの仕事をして、そのあとキャバクラ嬢として働きながら東大の大学院を卒業して、フリーのライターになった著者の書評兼エッセイ集だ。だから、タイトルとカバーが衝撃的なだけだ。
ではなかった。→人生はスラップスティック『娼婦の本棚』

978ec5321dc94c97878a4181f33b3d20 『地球流浪』
劉慈欣/大森望・古市雅子
KADOKAWA
2022年 309頁

『三体』の著者の短・中篇SF集。評判は頗る高い。『介護老神』も同時に翻訳発売された。以下は裏表紙の紹介を抜粋したもの。
「流浪地球」地球の自転はストップして、人類は太陽系を脱出することにした。地球にエンジンをつけて悠久の旅が始まった。「ミクロ紀元」惑星探査に旅立った宇宙飛行士は先駆者と呼ばれた。帰還した先駆者が目にしたものは。「呑食者」世代宇宙船〈呑食者〉が、太陽系に現れた。国連で使者は人類に告げた。「呑食帝国は地球を捕食する。この未来は不可避だ。」「呪い5.0」コンピュタウイルス「呪い」はバージョンを変え進化を遂げた。酔っ払った作家がパラメータを書き換えた。「呪い」は瞬く間に市民の運命を変えてしまう。「中国太陽プロジェクト」高層ビルの窓ガラス清掃員と、固体物理学の博士号を持ちナノミラーフィルムを独自開発した男。2人を共に中国太陽プロジェクトに従事するが。「山」異星船の接近で突如隆起した海面。その高さ9200メートル。かつての登山家の男が水の山に挑むことを決意。頂上で異星船とコミュニケーションを始めるが。

2022年8月31日 (水)

『赤毛のアンレシピノート モンゴメリーの台所から』

8月31日(Wed)☁
アマゾンから購入。

Photo_20221022081901赤毛のアンレシピノート モンゴメリーの台所から
L.M.モンゴメリ、クリーン・クロフォード
東洋書林
2000年 197頁

作者のモンゴメリが実際に使っていた、手書きのレシピ帳をまとめた本。アンの物語に出てくる料理のレシピも載っている。1900年代初頭のシンプルなカナダ料理が再現される。
ありきたりの赤毛のアンレシピ本じゃなさそうなので本書を選んだが、そうでもなかった。→人気ブログランキング
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2019年12月27日 (金)

『リベラル・デモクラシーの現在』『パンティオロジー』『さいはての中国』

12月27日(金)☔ ジュンク堂

『リベラル・デモクラシーの現在』
井口陽一(Iguchi Youichi) 岩波新書 2019年12月
まずは定義を。デモクラシーは、公けのことや公けのもの、つまり選挙である。
リベラルは基本権、思想の自由、表現の自由のことである。その両方のゆるい意味で含んだものとしてのリベラル・デモクラシーである。
いまや、イリベララル・デモクラシーという言葉が使われるに至った。
デモクラシーの崩壊をどうとらえるかを語る。

 

 

『パンティオロジー』
秋山あい 集英社インターナショナル 2019年11月
著者はパンティの写実的なイラストを描いている。そう自己紹介して、相手にセクシー、リラックス、お気に入りの3枚を選んでもらい、パンティにまつわる思いを語ってもらう。夫や交際相手のことも訊ねていて、生々しい私生活が見えてくる。
国籍も人種も、年齢もバラバラ。著者はフランスと日本を行き来しているので、日本人とフランス人が多いが、アメリカ、イタリア、ポーランド、イランなど多岐に渡る。著者が命名したパンティオロジーという造語は風格がある。
帯の「パンティは女心の充電器である」。的確だ。匹敵するしっくりくるフレーズをひねり出したい。「パンティは女性のオンオフのスイッチだ」はどうだろう。


パンティオロジー

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秋山 あい
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『さいはての中国』
安田峰俊(Yasuda Minetoshi)小学館新書 2018年
著者は中国人になりすまし中国人の街と化した西川口駅南西部の繁華街に乗りこむ。普通の日本人では見られない街の裏側をのぞくためだ。
中国国内外の中国的に腐った場所や毒を含んだ場所、中国らしい個性に溢れた場所に潜入した。中国に関する行かないほうがいいような場所のルポルタージュだ。中国には道理が通らない怖さを感じる。


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2019年12月24日 (火)

『拳銃使いの娘』

12月24日(火)☁ ☔ くまざわ書店

『拳銃使いの娘』
ジョーダン・ハーバー/鈴木恵 早川書房 2019年
本書は、2020年度版『このミステリーがすごい!』の海外編の2位を獲得した。
また、2017年アメリカ探偵作家クラブ賞(MWN賞、エドガー賞)の処女(新人部門)長編賞を受賞している。解説によると父親と娘の組み合わせは、『子連れ狼』からヒントを得ているという。

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2019年12月18日 (水)

『 21世紀の啓蒙 上』

12月18日(水) ☔ くまざわ書店

『21世紀の啓蒙 上』
スティーブン・ピンカー/橘明美+坂田雪子 草思社 2019年12月
現状と将来を否定する本ばかりでうんざりしている人は多いだろう。
本書は、総論で見れば、人間が住む世界は良くなっているとしている。
啓蒙主義は、時代遅れの能天気な思想と捉えられる傾向にあったが、素直で健康的な啓蒙思想の功績をデーターで示すという内容である。


21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

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2019年12月13日 (金)

『11月に去りし者』

12月13日(金)☁  くまざわ書店


11月に去りし者 (ハーパーBOOKS)

11月に去りし者
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ルー・バーニー/加賀山卓朗
ハーパーBOOKS
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パルモア・レナードを彷彿とさせるノアール小説。
『このミステリがすごい』では海外部門6位、『週刊文春』では20位と、評価が分かれているのはなぜだろう。
20位というのは、あまりにも低すぎではないか。

ケネディ大統領暗殺の黒幕との疑いがある実在の人物カルロス・マルチェロは、暗殺に関わった人物を次々と殺していく。
ケイジャン人のギドリーは犯人逃走用の車を手配しただけだった。車を処分した男が殺された。ギドリーは自分に魔の手が及ぶと予測し、カリフォルニアに向かう。

一方、オクラホマの田舎町でふたりの幼い娘を抱え、飲んだくれの夫に悩まされているシャーロットは、ある日決断した。娘と病気の犬を車に乗せてサンフランシシスコに住むおばの家に向かった。

本来なら絶対に接点を持つことのない二人、ニューオリンズのチンピラとオクラホマの主婦が出会い、そこにチンピラを追う殺し屋が加わる。

ところで、本作はアンソニー賞、バリー賞、マカヴィティ賞、ハメット賞の4冠に輝いた。それぞれの賞は、次のような賞(wikiより)。
アンソニー賞は、1986年からミステリの世界大会バウチャーコンにおいて推理作家らに贈られる文学賞。アメリカ探偵作家クラブの創設者の1人であるアントニー・バウチャーに因んで名付けられ、毎年秋に異なる都市で開催される。

バリー賞は、1997年からアメリカの季刊推理雑誌『デッドリー・プレジャーズ 』の編集者らによって授与されるミステリの賞。2007年から2009年には『ミステリー・ニュース』の出版と合わせてバウチャーコンの会場で受賞作が発表された。賞の名は、アメリカの批評家、バリー・ガードナーにちなむ。

マカヴィティ賞は、国際ミステリ愛好家クラブが主催する推理小説の賞。同団体のメンバーによって候補作・受賞作が決められる。賞の名はイギリスの詩人T・S・エリオットの著作『キャッツーオポッサムおじさんの猫とつき合う法』に登場する猫にちなむ。

ハメット賞は、国際推理作家協会北米支部が、アメリカ及びカナダの優れた推理小説やノンフィクション作品に授与するミステリの文学賞。賞の名は作家ダシール・ハメットに由来する。

«『イヴェリン嬢は七回殺される』『世界の危険思想』『革命と戦争のクラシック音楽』

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