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2020年5月14日 (木)

野球ヒエラルキー

男ならば誰もが野球少年だった頃の話である。いまも変わらないと思うが、野球はピッチャーが花形だ。花形ゆえに、実力を伴わない目立ちたがり屋が立候補して、強引にポジションを奪ったりすることもある。俺はピッチャーをやるからという意志表示を常に表に出してしているやつが、意志を貫き通したりする。中には父親がピッチャーをやれと言ったからという法外な理由で、親譲りの強引さも手伝って、なし崩し的に居座るやつもいる。

キャッチャーはガタイがしっかりしていて、耐久性があるやつが適任だ。しゃがんで捕球する作業は結構な重労働だ。それに、バッターが振り回すバットの恐怖やチップで方向が変わって飛んでくるボールの恐怖とも闘わなければならない。あるいはワンバウンドを身を挺して捕らねばならず、生傷が絶えないポジションなので、人選がすんなりいくとは限らない。場合によっては、誰もやりたがらないということもある。
ファーストは背が高く、体の柔らかいことが要求される。前後開脚して太腿の後面が地面に着く姿勢で捕球できることが望ましいが、そんなやつは滅多にいない。

セカンドは、内野のうちで最も能力が低いやつに任されることが多い。格でいえば外野より内野の方が上だから、セカンドに抜擢されればとりあえず外野よりはましだということになる。なにしろ守備につくにも戻ってくるのも、ほかの内野よりハンディはあるが、セカンドは外野より移動距離は短い。

サードはゴロの処理が上手くなくてはいけない。長嶋茂雄の影響でサードは誰もがやってみたいポジションだった。オーバーアクションが様になるポジションだ。それも長島の影響だ。ショートはサードほど目立たないが、やはりゴロの捕球のうまいやつ、といってサードほど目立ちたがり屋ではないやつが担当する。

外野はセンター、ライト、レフトの順に格付けされている。センターは足の速い守備範囲が広いやつが適任だ。少年たちの打球はレフトに飛ぶことは滅多にない。そもそも左利きは稀であり、右バッターが流し打ちで外野にボールを飛ばすということもほぼない。レフトにボールが飛ぶのは当たりぞこないである。レフトの打順は9番が定位置で、稀に8番のこともあった。レフトは9人のうち最も運動能力の低いやつが担当するのが常だった。

こうしたポジションや打順の最終決定は、野球能力に長けたやつが行うが、能力のあるやつが気が弱くリーダーシップのない場合は、なにかとギクシャクしがちだ。能力順位4番手あたりのやつがサードに固執すると、もはや勝てるチームでなくなる。頻繁に打球がくるサードは手堅くゴロを捌けるやつでないとだめなのだ。なにしろ長嶋の影響でサードは異常なくらい人気があった。
こうして野球少年たちは、まるで社会の縮図のようなままならない現実を経験するのだった。

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