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2021年10月 5日 (火)

カーボンニュートラル

最近、先人が残した天候に関する慣用句が通用しなくなった。今年、日本列島は早めに梅雨が明けた。新潟市は8月2日に36℃を超えその後も晴天が続き、「梅雨明け10日」どころか、20日以上も晴天の日が続いている。

2015年、パリの国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)において、「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃以下にする努力をする」と合意された。そのためには、CO2排出量を2030年には半減、2050年にはゼロにしなければならないという。
環境省のホームページによると、日本の年間のCO2排出量は2012年の12億9215万トンをピークに年々減少し、2020年には10億2685万トンまで下がっている。林野庁は、日本の森林が1年間に蓄えるCO2の量は約8300万トン程度であるとしている。この数字はここ何年間も横ばいである。大まかに言えば、この膨大な差を、2050年までにゼロにするのが、カーボンニュートラルである。2050年にカーボンニュートラルを達成すると宣言した国は、日本を含めて120余国ある。これだけ世界の国々の足並みが揃うのは歓迎すべきことだが、達成までのロードマップは全く示されていない。30年後だから何とかなるだろうというのが各国の思惑なのだ。

そもそもCO2排出量をゼロにすることは可能なのかと疑問に思っていたところ、『ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法』(ポール・ホーケン編著 山と渓谷社 2021年)という本に出会った。風力や太陽光などを利用するグリーン技術、斬新でチャレンジングな方法、到底CO2削減とは結びつきそうにない方法などが、含意のある鮮明な写真とともに掲載されている。各項目はCO2の予測削減量によるランクづけとコストが計算されていて、カーボンニュートラルを達成できそうな気配がある。

灼熱の日は、地球温暖化の深刻さを痛切に感じる。8月6日、新潟市秋葉区は39.2℃だった。(2021年8月)

 

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