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2019年4月

2019年4月21日 (日)

『鹿の王 水底の橋』『なずな屋繁盛記 花較べ』

4月21日(SUN)☀

まったく迂闊だった。
たしか、著者は「親の介護でしばらく執筆ができない」とどこかで語っていたので、よもや新刊が出るとは思っていなかった。それでも、それなりにチェックはしていた積りだった。
それが、『鹿の王 水底の橋』が3月の末に出版されていたことを、新聞で知った。
ネットで調べると、アマゾンは発送までに6〜7日かかるとのことだ。好評につき売り切れなのか。
くまざわ書店に向かう。新刊本の文芸コーナーにあるではないか。
新聞記事によれば、〈謎の病を巡る2人の男の壮大な冒険を前作で描いた。・・・謎の病が去った後の帝国で次期皇帝争いが起き、天才医術師ホッサルも巻き込まれる。帝国の司祭医が施す医術と、優れているが異教徒の技だと司祭医から嫌悪されるホッサルらの医術との対立を描きつつ、命のあり方や命との向き合い方を問う。〉とのこと。
だからといって直ぐに読むわけでなくて、とりあえず買っておいて積んでおくだけ。
そのうち、必ず読むからね。

鹿の王 水底の橋
鹿の王 水底の橋
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上橋 菜穂子
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ついでと言ってはなんだが、マイブームは朝井まかてだ。講談社文庫のコーナーで『花競べ なずな屋繁盛記』を手に取る。
朝井まかての著書には、樹木に関することが多く出てくる。樹木が好きなのだそうだ。
落陽』は明治神宮の人工林の建設の話だし、『すかたん』は大坂の青物問屋の話、最新本の『雲上雲下』は大きな草の「草どん」が語り部だ。
『なずな屋繁盛記』は職人小説。新治とおりんが営む植木屋が舞台。
連休に読む予定だ。

花競べ  向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)
朝井 まかて
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2019年4月20日 (土)

『すかたん』

4月20日(SAT)☀

ジュンク堂にて、『すかたん』朝井まかて、を買う。
駅の近くに会合があって、行きも帰りもバスに乗った。→浜浦町線(人生はスラップスティック)

夫が急死して、千里は一人で生きていかなければならない。
子どもと言い合いになって、またもや寺子屋の手習師匠を馘になった。3回目だ。おまけ空き巣に、なけなしの金子は持っていかれるし、夫のプレゼントの簪もなくなった。
家賃も払えなくなって路頭に迷う寸前に、捨てる神あれば拾う神ありで、青物問屋の若旦那の口利きで、河内屋の上女中として住み込むことになった。
この若旦那が、すかたんだ。
上女中とは、お家さん・志乃付きの女中である。
起きてから寝るまで休む暇なく働く。お家さんは奉公人に対してすこぶる厳しいのだ。

大坂に馴染みかけた頃に、千里が大坂人をこき下ろす独り言が小気味いい。
〈皆、開けっぴろげでお節介で、いったん喋り出すと止まらない。大して知らない人とでも旧知の仲みたいに心安く口を利いては笑うし、別におかしくなくても笑う。笑わないと損すると信じ込んでいるのだ。そう、大坂者は「損」が大嫌い。何かにつけて張り合って、他人の手籠をのぞいては 「それ、なんぼ?」と尋ね、 一文でも自分の買い物が安いと勝ったとばかりにほくそ笑む。皆、お腹の中に算盤を置いているのだ。だから損得や勝ち負けに敏く、ひとたび勘定が合わぬと踏んだが最後、貸した梯子も平気で持っていってしまう。おまけによく知りもしないくせに江戸と聞けば眉を吊り上げ、難癖をつけては大坂より下に置きたがるのだ。ああ、やだ、もうやだ。 〉
第3回 大阪ほんま本大賞受賞作。

すかたん (講談社文庫)
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朝井 まかて
講談社 (2014-05-15)
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2019年4月18日 (木)

『雲上運下』

4月18日(THU)晴

落陽』に感動したのでTSUTAYAで、朝井まかての最新本を購入した。
葉にはとんがったギザギザがあるが先端は丸みをおみて柔らかい大きな草(草どん)に、尻尾のちょんぎれた子狐が甘えて話をねだる。
子狐は草どんをその気にさせて、果てしな話を語らせる。草どんは、どういうわけか子狐の巧みな誘導に応えてしまう。民話を題材としたテーマが変幻自在のファンタジー。
面白い、大傑作だ。中央公論文芸賞を受賞作。

雲上雲下(うんじょううんげ) (文芸書)
朝井まかて
徳間書店
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2019年4月15日 (月)

『魏志倭人伝の謎を解く』『東京観光』『そして、バトンは渡された』『森瑶子の帽子』『落陽』

4月15日(MON)☀
 
くまざわ書店(デッキ401)にて購入。
『魏志倭人伝の謎を解く』渡邉義浩 中公文庫 2012年 760円+税
倭人伝の関連本を読むきっかけは、ドナルド・キーンが瀬戸内寂聴との対談で、「日本人は『魏志倭人伝』にも書いてあるように、清潔で礼儀正しい」と語ったことによる。先週、買った『倭人伝を読み直す』(森浩一 ちくま新書 2010年)には、倭人が清潔で礼儀正しいところは省略されているので、倭人の日常について触れている新書はないかと探したところ、本書にいきあたった。
本書は魏志倭人伝のすべての日本語訳が載っているというので、大いに期待できる。

魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国 (中公新書)
渡邉 義浩
中央公論新社
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『東京観光』中島京子 集英社文庫 2014年 500+税
マンションの上に住むあかりが、水をこぼして下の階の住人の部屋の天井から水が滴り落ちることになった「天井の刺青」。同じような経験、といっても、部屋を貸した人物が水を漏らしたのだけれど。下の階の住人はヤクザだった。物語は鳥の雰囲気が漂う若い男の部屋に落ちた。短編集。

東京観光 (集英社文庫)
東京観光 (集英社文庫)
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中島 京子
集英社 (2014-08-21)
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本屋に何冊もが平積みになっていて、何しろ本屋大賞受賞作なのだから、本屋としては一番売りたいのだなと思った。その、熱心さにほだされ購入。
父親も母親も何人も代わって、その両親たちと血がつながっていなくて、それでも、素直にすくすくと育った娘の話。

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された
瀬尾まいこ
文藝春秋
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『森瑶子の帽子』島﨑今日子 幻冬社 2019年2月 1700円+税
森瑶子の小説は、バブリーで、ゴージャスであるのだけれど結局、悲しい結末を迎えるような内容だったと記憶している。バブル時代を颯爽と駆け抜けた作家だ。本書のことは気にはなっていて、この際思い切って購入。

森瑤子の帽子
森瑤子の帽子
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島﨑 今日子
幻冬舎 (2019-02-27)
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落陽』朝井まかて 祥伝社文庫 2019年4月 720円+税
朝井まかてはなんと言っても実力者だ。全作品を読破したいところだ。
明治天皇崩御後に起こった明治神宮建設の顛末を描いた。ちょうど天皇退位の折、天皇とはなんぞやと問うてもいる。

落陽 (祥伝社文庫)
落陽 (祥伝社文庫)
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朝井 まかて
祥伝社 (2019-04-12)
売り上げランキング: 1,516

 

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