『日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで』『京都の食文化 歴史と風土が育んだ「美味しい街」』『ガリバー旅行記』
10月23日(Sun)☀☔☁
ジュンク堂新潟店。
日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで 小谷賢 中公新書 2022年8月 279頁 |
本書の問いは2つ。1)日本でインテリジェンスが発展しなかったのはなぜか。2)戦前の縦割りの情報運用がそのまま受け継がれたのか、それとも改善されたのか。
1)の答えは、米国は日本が自前の情報機関を持つことを快く思わなかったからだ。
1983年サハリン沖で、大韓航空機がレーダーから姿を消した。ソ連の迎撃機がミサイルで撃ち落としたのだ。その命令を自衛隊が傍受した。lところが、しらを切るソ連に、米国はその情報を安保理で突き付けたのである。ソ連は交信の周波数を変えてしまい、日本の傍受部隊は大打撃を受けた。
公安・警察の出身である後藤田正晴官房長官は米国の下請けに甘んじてきた日本の諜報機関の実情に無念を感じたという。
インテリジェンスとは国家が熾烈な競争を生き抜くための情報をいう。
京都の食文化 歴史と風土が育んだ「美味しい街」 佐藤洋一郎 中公新書 2022年10月 246頁 |
京の食文化には3つの特徴があるという。
ひとつは、良質な水が地下水として利用できたこと。二つ目は街が盆地に立地し、山、川の食材が入手しやすかったこと。三つ目はその盆地が適当なサイズで周囲から隔離され、そこに暮らし、なりわいを営む人同士の関係が世代を超えて続いてきたこと。
ガリバー旅行記 ジョナサン・スウィフト/柴田元幸 朝日新聞出版 2022年10月 491頁 |
夏目漱石やジョージ・オーウェルが名著と褒める。
アイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフトによる風刺小説。原版の内容が大衆の怒りを買うことを恐れた出版社により、初版は改変されて1726年に出版され、完全版は1735年に出版された。
『ガリバー旅行記』の日本語訳は本書のほかに、山田蘭訳(角川文庫)、平井正穂訳(岩波文庫)がある。
第一篇 リリパット国渡航記
リリパット国とブレフスキュ国は、およそ800メートルの海峡を挟んだ島国同士である。両国の国民は、身長が常人の1/12ほどの小人。
両国は、2世代にわたって交戦下にある。戦争の理由は、卵の殻の正しいむき方は、卵の大きな方から剥くか、それとも小さな方から剥くかについての意見の違いに由来する。
リリパット国に漂着したガリヴァーは、歓待を受けたことで、リリパット国を防衛する義務を感じ、ブレフスキュ国の艦隊を拿捕することで戦争を解決する。
リリパット国の皇帝は、ブレフスキュ国をリリパット国の属領にしようと目論むが、ガリヴァーはブレフスキュの国民を殺戮することを拒絶する。このことと、宮殿の火災を放尿で消し止めたことがリリパット国の皇帝の逆鱗に触れた。皇帝はガリヴァーの目を潰し、餓死か毒殺の刑罰をガリヴァーに科そうと企てる。これを知ったガリヴァーは、ブレフスキュ国に逃げ、転覆したボートが浜に打ち寄せられているのを見付けて、イギリスに帰国する。
この篇において、リリパット国とブレフスキュ国の戦争は、イングランド国教会とカトリック教徒の諍いを風刺している。「卵の大きな方」はカトリック教徒を表しており、「卵の小さな方」は国教徒を表している。
第二篇 ブロブディンナグ国渡航記
第三篇 ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記
ガリバーは空を飛んで日本にも姿を表している。
第四篇 フウイヌム国渡航記
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