『食の実験場 アメリカ』『赤い衝動』『ネット階級社会』
5月2日(TUE)☀ ジュンク堂
『食の実験場 アメリカ ファーストフード帝国のゆくえ』鈴木透 中公新書 2019年4月
移民国家アメリカだからこそ生まれた食文化について。
大袈裟で理屈っぽい表現だ。
例えば、〈アメリカの独立革命の重要な発端は、食品への課税強化をめぐる、イギリス本国との関係悪化であった。つまり、独立革命の政治的対立の陰には、「アメリカの食はどうあるべきか」という文化的独立への契機も存在していたのだ。〉
読むに手強いぞ。
アメリカの食はジャズの生誕に似ている。移民と原住インディアンの融合、移民と黒人奴隷との融合から生まれた。ディアスポラがキーワードだ。融合せざるを得なかったのだ。
中央公論新社
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『赤い衝動』サンドラ・ブラウン/林啓恵 集英社文庫 2018年12月
ケーラは少佐の家でインタヴューしていて、強盗に襲撃される。少佐は撃たれて亡くなり、ケーラはかろうじて窓から脱出し助かった。
時間は戻って、ケーラは少佐の息子・私立探偵のジョンの家に現れ、少佐の取材ができるように、取り計らってくれるよう依頼する。
9・11の前にあったのが、ダラスのダウンタウンで起きたペガサスホテル爆破事件だった。逃げ惑うわずかな生存者を煙の上がる瓦礫の中から安全な場所へと導いた人物、それが少佐だった。その後、何年ものあいだ、少佐は繰り返しマスコミに登場した。
集英社 (2018-12-18)
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『ネット階級社会 GAFAが牛耳る新世界にルール』アンドリュー・キーン ハヤカワNF文庫 2019年2月
インターネットは、考えの甘い起業家たちの口から紹介されているところでは、多様性と透明性があって、あらゆる人が平等に扱われる場所であるというのだ。こういうインターネット感の裏には、民主主義、自由主義、個人主義の三つを神と崇めるリバタリアニズム時代の「新しい傲慢」が潜んでいるとマーク・リラはいう。
まさにその通りだ。
アメリカは極端から極端に振れ幅が大きい国だから、巨額の富を溜め込んでいるTT企業に対して、今までは法規制を緩くしてきた感があったが、これからはそう甘くないかもしれない。
早川書房
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