時代小説

2019年5月14日 (火)

『藪医 ふらここ堂』『クラシックホテルが語る昭和史』

5月6日(MON)☁ 10連休最終日

『藪医 ふらここ堂』朝井まかて 講談社文庫 2017年 くまざわ書店
ふらここ堂は、山桃の木からぶら下げたブランコ(ふらここ)が目印の、藪と評判の天野三哲やってる小児医院。元大工だった三晢は、患者を待たせることで有名。とはいっても患者は訪れる。小児医のところには、子どももさることながら付き添ってくる大人が問題を抱えていることも少なくない。ふらここ堂の波乱の日常を描く。

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『クラシックホテルが語る昭和史』山口由美 新潮文庫 2012年 (古書)Amazon
著者は富士屋ホテル創業者の祖孫。日本のクラシックホテルについて、いくつかの著者がある。多くの資料をもとに緻密な文章で書かれる著書は、資料的な価値があると思う。
名門ホテルでは歴史的なセレモニーが行われたり、著名人が宿泊したり、あるいは訳ありの有名人がお忍びで滞在することもある。非常事態時のホテルは秘話の宝庫だ。

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山口 由美
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2019年4月21日 (日)

『鹿の王 水底の橋』『なずな屋繁盛記 花較べ』

4月21日(SUN)☀

まったく迂闊だった。
たしか、著者は「親の介護でしばらく執筆ができない」とどこかで語っていたので、よもや新刊が出るとは思っていなかった。それでも、それなりにチェックはしていた積りだった。
それが、『鹿の王 水底の橋』が3月の末に出版されていたことを、新聞で知った。
ネットで調べると、アマゾンは発送までに6〜7日かかるとのことだ。好評につき売り切れなのか。
くまざわ書店に向かう。新刊本の文芸コーナーにあるではないか。
新聞記事によれば、〈謎の病を巡る2人の男の壮大な冒険を前作で描いた。・・・謎の病が去った後の帝国で次期皇帝争いが起き、天才医術師ホッサルも巻き込まれる。帝国の司祭医が施す医術と、優れているが異教徒の技だと司祭医から嫌悪されるホッサルらの医術との対立を描きつつ、命のあり方や命との向き合い方を問う。〉とのこと。
だからといって直ぐに読むわけでなくて、とりあえず買っておいて積んでおくだけ。
そのうち、必ず読むからね。

鹿の王 水底の橋
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ついでと言ってはなんだが、マイブームは朝井まかてだ。講談社文庫のコーナーで『花競べ なずな屋繁盛記』を手に取る。
朝井まかての著書には、樹木に関することが多く出てくる。樹木が好きなのだそうだ。
落陽』は明治神宮の人工林の建設の話だし、『すかたん』は大坂の青物問屋の話、最新本の『雲上雲下』は大きな草の「草どん」が語り部だ。
『なずな屋繁盛記』は職人小説。新治とおりんが営む植木屋が舞台。
連休に読む予定だ。

花競べ  向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)
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2019年4月20日 (土)

『すかたん』

4月20日(SAT)☀

ジュンク堂にて、『すかたん』朝井まかて、を買う。
駅の近くに会合があって、行きも帰りもバスに乗った。→浜浦町線(人生はスラップスティック)

夫が急死して、千里は一人で生きていかなければならない。
子どもと言い合いになって、またもや寺子屋の手習師匠を馘になった。3回目だ。おまけ空き巣に、なけなしの金子は持っていかれるし、夫のプレゼントの簪もなくなった。
家賃も払えなくなって路頭に迷う寸前に、捨てる神あれば拾う神ありで、青物問屋の若旦那の口利きで、河内屋の上女中として住み込むことになった。
この若旦那が、すかたんだ。
上女中とは、お家さん・志乃付きの女中である。
起きてから寝るまで休む暇なく働く。お家さんは奉公人に対してすこぶる厳しいのだ。

大坂に馴染みかけた頃に、千里が大坂人をこき下ろす独り言が小気味いい。
〈皆、開けっぴろげでお節介で、いったん喋り出すと止まらない。大して知らない人とでも旧知の仲みたいに心安く口を利いては笑うし、別におかしくなくても笑う。笑わないと損すると信じ込んでいるのだ。そう、大坂者は「損」が大嫌い。何かにつけて張り合って、他人の手籠をのぞいては 「それ、なんぼ?」と尋ね、 一文でも自分の買い物が安いと勝ったとばかりにほくそ笑む。皆、お腹の中に算盤を置いているのだ。だから損得や勝ち負けに敏く、ひとたび勘定が合わぬと踏んだが最後、貸した梯子も平気で持っていってしまう。おまけによく知りもしないくせに江戸と聞けば眉を吊り上げ、難癖をつけては大坂より下に置きたがるのだ。ああ、やだ、もうやだ。 〉
第3回 大阪ほんま本大賞受賞作。

すかたん (講談社文庫)
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