『恋歌』『帝国ホテル建築物語』
4月27日(SAT)☔ 萬松堂
『恋歌』朝井まかて 講談社文庫 2015年
主人公の中島歌子は樋口一葉の師として有名な歌人。歌子が開いた歌塾「萩の舎(や)」は、最盛期には1000人の門人を擁し、門下生には樋口一葉のほか本書のもう一人の主人公である三宅花圃がいた。明治時代の小説家である花圃は17歳のときに『藪の鶯』でデビューした。
晩年、歌子が病床に臥しているときに、花圃は歌子の書斎で手記をみつけた。手記には歌子の波乱万丈の半生が綴られていた。その手記を花圃と歌子の身の回りの世話をしている澄が、一緒に読むという形で話は進んでいく。
講談社 (2015-10-15)
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『帝国ホテル建築物語』植松三十里 PHP研究所 2019年4月
帝国ホテルのライト館にまつわる話。
ライト館は1923年(大正12年)に建築された。わずか44年しか活躍していない。
支配人・林愛作が、ライト館の設計を米建築家フランク・ロイド・ライトに依頼するくだりから建築が始まるまで、建築が始まってからの紆余曲折、林の支配人辞職、完成間近でのライトの帰国、ライトの助手の遠藤新の指揮でなんとか開館にこぎつけた。
支配人・犬丸のもとに開館にこぎつけるが、その日に関東大震災に見舞われる。ライト館は無事だった。
戦後はGHQの宿舎となり、東京オリンピックのプレスセンターとなった。その後、取り壊されることになるが、1968年、ライト館の玄関部分が愛知県犬山市の明治村に移築される。
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