『灯台へ』『「推し」の科学 プロジェクト・サイエンスとは何か』『水道、再び公営化!』『マリアビートル』
10月29日(Sat)☀
ジュンク堂新潟店にて、以下の4冊を購入。
『灯台へ』 ヴァージニア・ウルフ/御輿哲也 岩波文庫 2004年 413頁 |
『やりなおし世界文学』で津村記久子は、ヴァージニア・のウルフ『灯台へ』は1行たりとも気が抜けないと言っている」
そんな手強い文体なのか。『ダロウェイ夫人』を読んだ限りでは、ヴァージニア・ウルフの文章は手強い文体だった。
本書の出だしはこうだ。
「明日晴れだったら」ラムジー夫人が言うと、6歳のジェームズは途方もないよろこびを感じた。灯台に行くということだ。窓の外の父親が「晴れにはならんだろう」と言った。ラムジー氏は母親を馬鹿にして見せたり、自分の自己判断の正確さに自己満足を感じている。ラムジー氏は厳格である。
「何だか晴れるような気がするわ」とラムジー夫人が言う。
灯台守の孤独を紛らわすため、灯台守の息子への手編みのソックスを編んでいる。孤独な生活を送る灯台守には古い雑誌やタバコなどをプレゼントする予定だ。
『「推し」の科学 プロジェクト・サイエンスとは何か』 久保(川合)南海子 集英社新書 2022年8月 251頁 |
「推し」とはとても好きで熱心に応援している対象のこと。
プロジェクションは心の働きのひとつで、認知科学から提唱された最新の概念である。
人間の認知機構にまったく新しい解釈をあたえるのがプロジェクション・サイエンス、〈投射の科学〉と呼ばれるものだ。「推し」はプロジェクション・サイエンスの格好の研究対象である。
腐女子のBL妄想もプロジェクションである。
サピエンスが生き残れたのも、サピエンスにはプロジェクションの能力に優れていたからだという。
→「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か(人生はスラップスティック)
『水道、再び公営化!』 岸本聡子 集英社新 2020年 216頁 |
水道の再民営化は、マスコミで取り上げられていた。その原因は民間運営では料金が高騰し、管理が杜撰でトラブルが起きた。民営化は、投資家に売り飛ばすことだ。
本書は再公営化を掲げ杉並区長に当選した著者が、新自由主義の残した負の遺産からの脱却を目指す。
『マリアビートル』 伊阪幸太郎 角川文庫 2013年 591頁 |
表紙のブラッドピットの画像、「ハリウッド映画化」に惹きつけられて、買った。
めくると、各章のタイトルがシャチハタ・ハンコである。これは伊坂幸太郎の特許だ。
前に、伊阪のシャチハタ・ハンコの本を読んだことがあるが、しっくりこなかったので買うのをやめようと思った。が、魔が刺した。この本は多分読まないが、カバー裏の紹介文を紹介させていただく。
〈幼い息子の仇討ちを企てる、酒浸りの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生の「王子」。闇会社の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。失踪する東北新幹線の車内で狙う者と狙われる者が交錯するー。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く娯楽小説の到達点!〉→人気ブログランキング
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