1987年

『バグダッド・カフェ』

バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]
原題:Out of Rosenheim
監督:パーシー・アドロン
脚本:パーシー・アドロン/エレオノーレ・アドロン
製作:パーシー・アドロン/エレオノーレ・アドロン
音楽:ボブ・テルソン
製作国:西ドイツ   アメリカ合衆国  1987年  95分  ★★★★★

ドイツ人旅行者ジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)が夫と喧嘩して車を降りたのは、ルート66が貫くモハーヴェ砂漠。重いボストンバッグを引きずって、ガソリンスタンドとモーテルのあるバグダッド・カフェたどり着いた。

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女主人のブレンダ(CCH・パウンダー)は虫の居所が悪い。彼女もさっき夫と喧嘩し、夫が家を出て行ったばかりだ。
カフェといっても、コーヒーメーカーが壊れてコーヒーも出せないくらいに寂れている。店の番をしている男にやる気はなさそうだし、ブレンダの息子は下手なピアノを弾いている。息子の赤ん坊がむずかってうるさい。
ブレンダの娘は、トラック運転手と遊びに出かけたがる。
トレーラーハウスで暮らす画家のルーディー(ジャック・パランス)、女刺青師、それにブーメラン遊びに興じるヒッチハイクの若い男と、変わり者ばかりが出入りする。

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ャスミンは、しかたなく1泊25ドルのモーテルに泊まることにする。
肥ったジャスミンは、きれい好き。ブレンダが街に出かけているスキに、ガラクタだらけのカフェをきれいに掃除する。帰ってきたブレンダは烈火のごとく怒りだし、元に戻せとジャスミンに迫るのだが、気を取り直す。
やがて、きれいになりジャスミンのおかげで活気が出てきたカフェに客が集まりだし、ブレンダたちはやる気にが出てきて、店は大繁盛する。

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ほのぼのとしたなかに、ユーモアたっぷり、福のある女性が寂れたカフェを、大繁盛の店に変えていく、五つ星の面白さだ。
1987年に公開のあと、1994年『バグダッドカフェ 完全版』でリバイバルし、さらに2008年には『バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版』が製作され、カンヌ国際映画祭で上映されたという。

『8月の鯨』

八月の鯨 [DVD]
八月の鯨 [DVD]
posted with amazlet at 12.06.28
原題:The Whales of August
監督:リンゼイ・アンダースン
脚本:デイヴィッド・ベリー
音楽:アラン・プライス
製作国:アメリカ 1987年

アメリカの北の方、メイン州の大西洋に浮かぶ小島の別荘で暮らす老姉妹(どちらもよぼよぼのお婆ちゃんだ)の2日間を描いた作品。
ふたりは、娘ころから夏の間はこの別荘で過ごし、入江に現れるクジラを見ることを楽しみにしていた。
ふたりとも夫に先立たれた未亡人。

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姉のリビー(ベティ・デイビス)は頑固で気難しく、妹のセーラ(リリアン・ギッシュ)は親切で優しくて働き者。
リビーは、物事に対し否定的でときどき死を口にする。

幼馴染の陽気なティーシャ(アン・サザーン)のすすめで、この別荘を売るかどうかでひと騒動あり。
自称ロシアの貴族の末裔マラノフ(ヴィンセント・プライス)が、ビーチで釣った魚を届けてくれて、セーラは魚をおろしてもらう代わりに、マラノフをディナーに招待する。
海を見渡せる大きな窓を取り付けることで、ひと揉めする。
取り付けを渋っていたリビーの気が変わり、労働祭までに取り付けるようジョシア(ハリー・ケリー・Jr)に委託する。
楽しみができた。

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穏やかな夏の海が何回も映し出され、のんびりした気分になる。

1987年の公開当時、リリアン・ギッシュが93歳、ベティ・デイビスが79歳で、実際の年齢と役の姉妹の関係が逆になっている。
アン・サザーンは78歳、ヴィンセント・プライスは76歳、ハリー・ケリー・Jrは66歳というベテランぞろい。
よく知らないけれど、活躍した役者ばかりとのこと。それで作品に深みが出ている。
夏の終わりの頃に観るといい作品。