1989年

『ドライビング Miss デイジー』

ドライビングMissデイジー [DVD]
Driving Miss Daisy
監督:ブルース・ベレスフォード
脚本:アルフレッド・ウーリー
原作:アルフレッド・ウーリー
音楽:ハンス・ジマー
アメリカ  1989年  99分 ★★★★★

高齢の未亡人であるユダヤ系の元教師とアフリカ系運転手のふれあいの25年間を描いたヒューマンドラマ。
舞台で上演され徐々に人気が出ていって映画化された作品であるが、舞台にかけられた頃は「ユダヤ人のバアさんと黒人の話なんか誰も見ないだろう」と陰口を叩かれたという。舞台で運転手を演じたモーガン・フリーマンが、映画でも運転手役を志願した。
本作品は、第62回アカデミー賞の作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞、美術賞、編集賞でノミネートされ、作品賞、主演女優賞、脚色賞を獲得した。味のある作品。

1948年、ジョージア州アトランタ。
何回も車の事故を起こしたデイジー(ジェシカ・タンディー)は、保険の掛金が高くなりすぎて、息子(ダン・エイクロイド)から運転を禁止される。その代わりに息子はホーク(モーガン・フリーマン)をデイジーの運転手に雇った。

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デイジーの身の回りの世話をする家政婦のアデルは、「神様の命令でもあなたになりたくない」とホークに言う。なにしろ頑固一徹のデイジーは、ホークを受け入れようとしない。
シャンデリアを拭けば余計なことするなと言い、壁に飾られた家族写真を見ていると家庭のことを探るなと言い、花壇を手入れをすれば私の花壇に触れるなと言い、ホークのやることなすことにケチをつける。

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しかしホークも食い下がる。
歩いてマーケットに出かけたデイジーに車で並走し、彼は車に乗るように声をかける。近所の目が気にするデイジーは、渋々車に乗るのだった。

こうしてデイジーとホークは距離を保ちながら信頼関係を築いていく。
デイジーの夫の墓を参ったときに、ホークは文盲であることを告白する。ここでデイジーは読み方を教える。このことをきっかけにふたりには信頼が深まり、ホークは一層献身的にデイジーに仕えるようになる。

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ある朝ホークが家に着くと、デイジーは採点した子供達の宿題がなくなったと、家中を探し回っていた。認知症になったのだ。
やがて、老人施設に送られたデイジーは、ホークのことを認識できる日もできない日もある。それでもときどきホークはデイジーを訪ねるのだった。そんなある日、息子とホークが一緒にホームを訪れると、デイジーが話をしたいのは息子ではなくてホーク。ホークがデイジーにパンプキンパイを食べさせているところで物語は終わる。

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高慢で怒ってばかりいるデイジーを愛らしく思えるのは、ジェシカ・タンディーの人柄の賜物だろうと思う。
シナゴーグが爆破される事件やマーチン・ルーサー・キング主催の朝食会など、実際に起こったことが差し込まれている。ブログランキングへ

『ファンシイダンス』

ファンシイダンス [DVD]
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監督:周防正行
脚本:周防正行
原作:岡野玲子
音楽:周防義和
日本   1989年   101分

原作の『ファンシィダンス』は、岡野玲子による漫画。『プチフラワー』(1984年から1990年)に連載され、1989年の第34回小学館漫画賞を受賞したという。

1

ロックバンドのボーカリスト、大学4年生の塩野陽平(本木雅弘)は寺の跡取り息子。
跡を継ぐ決意をした彼は、頭の左半分を刈り上げて、ライブで『若者たち』を踊りながら歌う。世俗社会との決別の場面だ。
とは言っても、陽平の動機は不埒、禅寺で1年間修行して、住職の免許を手にしようという軽い気持ちで寺に入ることにしたのだ。一緒に寺に入ったのは、修行を積んで立派な僧侶になることが目標の弟の郁生(大沢健)、裕福な寺の娘を恋人に持つ英俊(彦摩呂)、母親に説得され嫌々ながら修行にきた珍来(田口浩正)、新入りはこの4人。

彼らを待ち受けていたのは、理不尽な古参の光輝 (竹中直人)たちの仕打ちと地獄ような修行の日々であった。しかし、慣れてみれば寺の裏事情が見えてきて、偉そうな顔した古参たちは、すきを見て世俗と変わらない生活を送ろうとしていた。

2

やがて、かつてのバンド仲間のアツシが社員研修で寺にやってきて、陽平の恋人だった真朱(鈴木保奈美)が元彼のキリスト教男(大槻ケンヂ)とつきあい始めたと聞かされ、陽平は不安になる。そんな陽平の前に真朱が現れ、いちゃついているところを光輝に見つかってしまい、大目玉を食らう。そして真朱は長くは待てないと言うのだった。

3

適当に修行をしてなにかと問題を起こしてきた陽平であったが、どういうわけか修行僧のリーダーを命じられる。そして、真朱ら観客が見守るなか、修行僧同士の問答戦「法戦式」に望む。問答戦をなんとか乗り切って晴れて下山できると思いきや、ボケ気味の老師から「陽平ちゃん、まだ修行が足りないよ」と言われ、彼は寺に残るのだった。

それでいい、陽平にはもっと修行を積んで徳のある僧侶になってもらわないと、人生を甘くみているからね。

周防監督は1984年に、にっかつロマンポルノ『変態家族 兄貴の嫁さん』で監督デビューした。小津安二郎監督をリスペクトした作品だという。
最近は『それでもボクはやっていない』(07年)や『終の信託』(12年)と、裁判がテーマのガチガチの社会派作品を手がけている。本作や『シコふんじゃった。』(91年)、『Shall We ダンス?』(96年)などのコメディタッチの作品に抜群の才能を見せていたので、このジャンルの作品に再チャレンジして欲しい。→映画ブログランキングへ