1993年

『デーヴ』

デーヴ [DVD]
デーヴ [DVD]
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Dave
監督:アイヴァン・ライトマン
脚本:ゲイリー・ロス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
アメリカ 1993年  110分   ★★★★☆

ホワイトハウスを舞台とした勧善懲悪の痛快ラブコメディー。
よくできたストーリーで、実在のテレビの司会者、政治家、映画スターが本人役で出演している特典つき。

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職業斡旋業を営むデーヴ(ケヴィン・クライン)は、スーパーなどで米国大統領の物まねを披露して喝采をえている。そんなデーヴに、握手をして手を挙げるだけという条件で大統領の影武者の話がやってくる。デーヴが影武者と演じている間に、本物の大統領は秘書(ローラ・リニー)との情事で脳出血を起こして再起不能となる。
いかにもワルそうな大統領特別補佐官のボブ(フランク・ランジェラ)は、デーヴに病気から回復した大統領を演じさせ、副大統領(ベン・キングズレー)を金銭スキャンダルで失脚に追い込み、自らが大統領の椅子に就こうという魂胆である。

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デーヴを偽物と見抜いていたのは、大統領との夫婦関係が破綻しているファーストレディーのエレン(シガニー・ウィーバー)であった。車の中で、スカートから見えるエレンの脚にデーヴが目を奪われたことでばれた。シガニー・ウィーバーは冷淡な女を憎々しげに演じたらピカイチ。
影武者大統領の評判は、病気から復活して見違えるように変わったと上々。そんな中、エレンの悲願である孤児たちを救う福祉法案は、ボブが大統領の筆跡をまねたサインして廃案となる。これに憤慨するデーヴは、友人の会計士の手を借りて、他の予算の無駄を削り福祉法の財源を確保し、エレンの信頼をうるのだった。さらに失業者全員に職を与える政策を発表し、テーヴに対する国民の支持は圧倒的なものになる。

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ところが、ボブの工作で大統領と副大統領の金銭スキャンダルが、マスコミに取り上げられ、ふたりは窮地に立たされる。真相は、本物の大統領とボブが関わった金銭スキャンダルであった。デーヴは責任をとって大統領の座を退くことにし、国会での辞任の演説中に脳出血で倒れる大芝居を演じる。こうして、副大統領が大統領に就任し、ボブは失脚する。半年後、病床に伏していた本物の大統領が亡くなる。
そしてデーヴは地方議員に立候補した。その選挙事務所にひょっこりエレンが現れる。→映画(全般) ブログランキングへ

『ギルバート・グレイプ』

ギルバート・グレイプ [DVD]
原題:What's Eating Gilbert Grape (ギルバート・グレイプの悩みの種)
監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:ピーター・ヘッジス
音楽:アラン・パーカー/ビョルン・イスファルト
製作国:アメリカ合衆国 1993年 118分

映画公開時、ジョニー・デップ29歳、レオナルド・ディカプリオ19歳、ジュリエット・ルイス20歳だった。みんなが若かった。
ジョニー・デップの演技が光ると思ったら、ディカプリオがアカデミー助演男優賞にノミネートされていた。

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ギルバート(ジョニー・デップ)は生まれてこの方、アイオワの田舎町エンドーラ(架空の町)を出たことがない。それには理由がある。
医者から10歳までしか生きられないと宣告され知的障害をもつ弟のアーニー(レオナルド・ディカプリオ)の面倒を見なければならない。さらに父親が7年前に地下室で首吊り自殺をして以来、母親のボニーは肥り続け、今は250キロの体で身動きもままならない。
ギルバートは、姉と妹とともに、彼らの面倒を見なければならなかった。

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ギルバートの勤める食料品店は、近くの大型店に客を奪われている。それは仕方ないとして、彼はちゃっかり配達先の主婦ベディ(メアリー・スティーンバーゲン) と不倫をしている。
そんな時、旅の途中でキャンピングトレーラーが故障して、町の沿道にしばらく留まることになった少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)とギルバートは親密になる。

その後、アーニーの18歳の誕生日が済むと、安堵したせいか母親が急死する。
彼女を家の外に運び出すにはクレーン車が必要だ。「母を笑い者にさせたくない」と、子供たちは大胆にも家ごと母親を火葬してしまうのだった。
放火罪、死体損壊罪はどうなるんだ?

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一年後、再び町にやってきたベッキーのトレーラーに、ギルバートとアーニーは乗り込みどこかへ行こうとする。
姉や妹も自分たちの人生を歩きだす。

母親がなくなって、祖父が建てた家を燃やしたら、重しがなくなって残った家族の未来が開けたという話。捉えようによっては、残酷でもある。

『日の名残り』

ダーリントン邸の新しい主人ルイス(クリストファー・リーヴ)は、執事のス(アンソニー・ホプキンス)に車での旅行をすすめた。

日の名残り コレクターズ・エディション [DVD]
日の名残り [DVD]
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原題:The Remains of The Day
監督:ジェームス・アイヴォリー
原作:カズオ・イシグロ
製作国:アメリカ  1993
★★★★★

かつてのダーリントン邸では、国際的な会合や政府要人の会合が瀕回に行われ、ダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)のもとで、スがそれらをとり仕切っていた。
そんな中、堅実なスと勝気な女中頭のミス・ケントン(エマ・トンプソン)は、対立を繰り返しながらも惹かれあっていった。しかし、仕事を優先するスは、ミス・ケントンの思いに応えようとしなかった。
自己抑制することで執事として役目を全うしようとした。
やがて、ミス・ケントンに結婚話が持ち上がり、邸を去って行った。

20年が経ち、スは元女中頭が夫とうまくいっていないことを手紙で知った。今回の旅行の目的は彼女に会うことである。あわよくば、仕事に戻ってもらえるかもしれないと考えるのであった。

元女中頭と再開し、「人生を誤ったと思うことがある」と彼女が告白すると、スは「人は皆人生に後悔があるものだ」と自己を弁護することを言うのである。彼は最後まで心情を明らかにする言葉を吐けなかったのだ。

原作よりも、スとミス・ケントンの関係に焦点が当たり、大人の恋愛ものになっている。
影の存在に徹する執事の役柄を、アンソニー・パーキンスが見事に演じている。威厳がありそうで、どこか滑稽で、慇懃すぎず、浮世離れした独特の味が、醸し出されている。
それにしても、スにハンニバル・レクター博士の影がちらついて困った。
【2012.04.14】『日の名残り』 カズオ イシグロ