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2011年9月29日 (木)

ごく平凡な記憶力の私が 1年で全米記憶力チャンピョン になれた理由  ジョシェア・フォア

ジャーナリストである著者は全米記憶力選手権を取材をしていて、自らが記憶術に興味を抱くようになった。
著者が1年間かけて記憶術のトレーニングを重ね、全米記憶力選手権でチャンピョンになるまでの軌跡を描いたノンフィクションである。
Image_20210211141501ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由
ジョシュア・フォア/梶浦真美
エクスナレッジ
2011年

記憶術とは、パッと見ただけであるいは読んだだけで記憶できるということではない。
覚えることを何かにこじつけてイメージを作り、記憶する方法である。
大会で用いられる記憶術とは、いかに早くこじつけて覚えることができるか、こじつける手段をいくつ持っているか、それと最も重要なのはこじつけた記憶をいかに正確に蘇らせることができるかに集約される。

例えば記憶術のひとつに「記憶の宮殿」と呼ばれる方法がある。
この宮殿はよく知っている、つまり間取りがしっかり頭に入っている建物を選ぶことがポイントである。例えば自分の家。
次のような脈絡のないことを覚えるとする。

ガーリックのピクルス
カッテージチーズ
白ワイン6本
靴下3足
(このあと、30項目ほどが続く)
・・・・・・
これらを、自宅の入り口から順に置いていく。
家に入って玄関の靴箱の上に、ガーリックのピクルスを置く。印象深くするために、ピクルスは真っ赤な蓋の瓶に入っていると記憶する。
カッテージチーズは、上がり框に置いていたら誰かに踏まれてしまい、潰されていることにして記憶に刻む。
白ワイン6本は廊下に雑然と転がしておく。通るのに邪魔なくらい。
靴下3足は、うんざりするくらい汚れていて悪臭を放っている。
という風に、映像に置きかえて覚えていくわけだ。
なるべく印象深い映像とそして記憶することがコツだそうだ。
いきおい性的なことやおぞましい映像、あるいは逆に鮮やかな映像と結びつけると記憶に残るという。

記憶術の歴史をさかのぼると紀元前の文字の存在しない時代に遡る。
記憶のメカニズムに触れ、忘れることの生理について分析し、記憶がよすぎる人物を取材し、健忘症の患者を取材し、記憶を根底から分析している。

帯に「全米ベストセラー、映画化決定」と書かれていると、つい手が出てしまう。
記憶という形のないものがテーマだから、映像にしにくい内容に思える。
恋愛話はないし、女性といえば、記憶力選手権の出場者がバーで繰り広げる馬鹿騒ぎ、ランダムな単語50個を覚えて、ジョッキ2杯のビールを飲んで、店内にいる女性の膝に4回キスをして、覚えたことを披露するというような場面に出てくるくらいだ。

ところで、アインシュタインについてまったく書かれていないのに、原題は「Moonwalking with Einstein」。夢のような出来事ってことなんだろうか。→人気ブログランキング

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