ジャズに生きた女たち 中川ヨウ
女性であること、アフリカン・アメリカンであるという2重のハンディを背負いながら、ジャズに生きた女性たちについて、ジャズの通史も加えて書かれている。
ジャズに生きた女たち
平凡社新書 |
序 ジャズという音楽 第1章 サッチモにジャズを教えた女性 リル・ハーディン・アームストロング 第2章 ブルーズの女王 ベッシー・スミス 第3章 ビッグバンドからビ・バップの温床へ メアリー・ルー・ウィリアムス 第4章 レディ・ディの足跡 ビリー・ホリデイ(1) 第5章 奇妙な果実の嘘 ビリー・ホリデイ(2) 第6章 ファースト・レディ・オブ・ソング エラ・フィッツジェラルド 第7章 ビ・バップを擁護した男爵夫人 パノニカ・ド・ケーニグスウォーター 第8章 ジョン・コルトレーンの遺志をついで アリス・コルトレーン 第9章 “日本人のジャズ”の自覚と追求 穐吉敏子 エピローグ |
第7章では、プレイヤーではない女性を登場させている。
キャサリーン・アニー・パノニカ・ロスチャイルドは、1913年12月10日、ロンドンで生まれた。
名前からわかるように、大富豪のロステャイルド家の令嬢である。
パノニカは1935年フランスの外交官ジュールズ・ド・ケーニングスウオーター男爵と結婚し5人の子どもを授かるが、1951年に別居、その後はニューヨークのホテルのスイートルームに居住する生活を送ることになる。
ジャズ好きが高じてジャズマン達と親しく付き合うようになった。
ビ・バップの創始者たち、セロニアス・モンクやチャーリ・パーカーとは特に親しかった。
→【2012.05.05】『バード』DVD
彼らを自室に招き、飲食をともにし、宿泊もさせ、彼らの最期を看取ったりもしている。
ジャズメン達を影で支えた女性である。
→人気ブログランキング
</p
著者が選曲したDVD『ジャズに生きた女たち』 も発売されている。
ジャズに生きた女たち
posted with amazlet at 11.11.25
オムニバス ベッシー・スミス ビリー・ホリデイ ビリー・ホリデイ&ハー・オーケストラ エラ・フィッツジェラルド
ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-01-16)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2008-01-16)
『生きているジャズ史』油井正一立東舎文庫 2016年
『現代ジャズ解体新書 村上春樹とウィントン・マルサリス』中山康樹 廣済堂新書 2014年
『ジャズに生きた女たち』中川ヨウ 平凡社新書 2008年
« 追悼 立川談志 落語 『鍋焼きうどん』 | トップページ | ロートレック展@三菱一号館美術館 »
「音楽」カテゴリの記事
- すべてのことはメッセージ 小説ユーミン 山内マリコ(2023.02.01)
- ルート66を聴く アメリカン・ロードソングはなにを歌っているのか 朝日順子(2021.07.23)
- 革命と戦争のクラシック音楽 片山杜秀(2020.03.22)
- ジャズの歴史 相倉久人(2019.10.02)
- 生きているジャズ史 油井正一(2019.09.20)
「歴史」カテゴリの記事
- 超訳 芭蕉百句 嵐山光三郎 (2022.10.01)
- 「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都 桃崎有一郎(2021.11.13)
- アフリカで誕生した人類が日本人になるまで(新装版) 溝口優司(2020.11.11)
- 感染症の日本史 磯田道史(2020.11.04)
- 京都まみれ 井上章一(2020.08.07)
「JAZZ」カテゴリの記事
- ジャズの歴史 100年を100枚で辿る 中山康樹(2019.12.04)
- ジャズの歴史 相倉久人(2019.10.02)
- Wallflower ダイアナ・クラール(2015.02.10)
- 現代ジャズ解体新書 村上春樹とウィントン・マルサリス 中山康樹(2014.08.03)
- Meets The Beatles(CD)ジョン・ピザレリ(2013.07.29)
コメント