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『クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力 』 にむら じゅんこ

現在、クスクスが主食として日常的に食べられている地域は、いわゆる「マグレブ5国」。アルジェリア、モロッコ、チュニジア、モータリア、リビアの西部である。
さらに、フランスでは国民食となりつつあるとのこと。

クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力 (平凡社新書)
にむら じゅんこ
平凡社
2012年1月13日
ISBN 978-4-582-85623-1
★★★★★

日本ではほとんど人口に膾炙していないクスクスはどんなものなのか。
『トレゾーフランス語辞典』によると、
《蒸された硬質小麦をベースに作られるアフリカ料理。肉(羊、鶏、ラクダなど)と野菜類、豆類、時には干し葡萄などを煮込んだスープが一緒に添えられる。》

クスクスの起源は定かではないが、一般的には北アフリカが有力だ。
いつ頃発明されたかも諸説がある。
いずれにしても、ユダヤ教徒もイスラム教徒もキリスト教徒も食べてきた異文化融合の食べ物であるとする。クスクスには歴史が染み込んでいる。

クスクスの材料は小麦ばかりでなく、キビ、アワ、モロコシ、キャッサバ、芋類、タピオカ、ドングリ、米などと多彩である。
粒の大きさもいろいろあり、パスタのようなひも状のものもある。
味付けも、加える食材も、バリエーションは無数であると言っていい。
スープをかけたり、スープにいれたり、スープを添えたり、千変万化なのである。
クスクスは、ダイエット食にも、健康食にも、デザートにも変貌する。
妊婦の滋養、強壮、お祭りの料理、結婚式の料理、貧民救済の食事、恋愛に効くクスクス、呪術用など、その多様性は限りない。

本書は、クスクスを愛する著者の明快な筆さばきによって、クスクスを食べたことがなくとも引き込まれてしまう秀逸な食文化論になっている。

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