『ジュリー&ジュリア』
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本作品は、ふたつの実話に基づいて作られている。
1949年、ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)は、外交官の夫と共にパリに引っ越してくる。
フランス料理に感激し食にめざめたジュリアは、名門の料理学校に入校し、あろうことかシェフ養成コースに席をおく。ジュリアは、愛嬌のある陽気な性格で、少しくらいの失敗はものともせず奮闘しつづけ上達してゆく。
食べることと飲むことが大好きなジュリアは、やがて、友人ふたりと素人向けの料理本を執筆するという大胆なことを思いつく。
マッカーシズムが加熱するなか、夫は身辺調査をされ転勤を命ぜられたりし、平穏な暮らしばかりではなかった。
ジュリアは持ち前のバイタリティーで、そうした困難を乗り切っていく。やがて、本を書き上げテレビの料理番組『フレンチ・シェフ』で、人気者になっていく。
その50年後の2002年、ニューヨークで公共機関に勤めるジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は、「9.11」の市民相談係として、応対に追われる毎日である。
そんなマンネリな日々を脱却しようと、小説家志望だったジュリーは、ジュリアの料理本に載っているレシピを片っ端から作り、それを食べて毎日ブログに書くという無謀なことを思いついた。夫は大賛成だった。
料理に明け暮れブログを書くことに追われるジュリーだったが、ブログの閲覧ヒット数はさっぱり増えず、コメントも寄せられなかった。やがて、仕事をこなし料理を作りブログを書くことに疲れ、己れを見失ってしまう。
そんなある日、新聞社から取材のオファーがくる。
生きた時代も環境も異なるジュリアとジュリーが料理に生き甲斐をみつけていく過程を、シンクロさせ交互に描いている。
料理好き、食べ物好きにはこたえられない作品。
ジュリアたちの著書『フランス料理の達人』は、アメリカの主婦たちの料理の腕を画期的に上げるきっかけになったと言われている。
→公式サイト
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