『目撃』
原題:Absolute Power
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
原作:デイヴィッド・バルダッチ
音楽:レニー・ニーハウス
製作:アメリカ 1997年
★★★★☆
ルーサー・ホイットニー(クリント・イーストウッド)は腕利きの泥棒である。彼が富豪の留守宅に忍び込み、貴金属や金をバックパックに詰めいざ屋敷から出ようとしたときに、ハイチに出かけたはずの富豪の若い妻と不倫相手の中年の男が、部屋に入ってくる。
彼は逃げ出すことができずに、マジックミラー越しにふたりの情事を見ている。
男はサディスティックになり、それを逃れようとした女がナイフを振りかざしたその時に、女は背後から撃たれて死亡する。
男はアメリカ合衆国大統領(ジーン・ハックマン)、撃ったのはシークレットサービスの男たちだった。
そこに、女性補佐官(ジュディ・デイヴィス)が現れて証拠を隠滅し彼らは立ち去るが、血のついたナイフを置き忘れてしまう。
ナイフを取りに男たちが戻ったときに、ルーサーはナイフを持って逃走していた。
警察の捜査陣は、辻褄が合わない強盗殺人事件にとまどう。一方大統領サイドも独自の手を打つ。
やがて、華麗な盗みの手口からルーサーが容疑者として浮上する。
彼は外国に高飛びするつもりで空港に行くが、テレビに映し出された殺人事件ついての大統領のスピーチに憤りを覚え出国を思い直す。
モラルの欠如した大統領に悪事の報いを受けさせようと画策しはじめる。
ルーサーへの捜査の輪が絞られて行くなか、警察は彼の娘(ローラ・リニー)を囮にして逮捕しようとするが、すんでのところで失敗に終わる。
そして、大統領サイドは娘の口を封ずるために、娘を車ごと崖から突き落とす。
・・・・・・
ルーサーは娘の成長期に、刑務所に入っていて娘と関わることができなかったことに対し、良心の呵責を感じている。
出所したルーサーは娘の前に姿を現すことはほとんどなかったが、折につけ密かに娘をカメラに収め、その写真を自室に飾っていたのだった。
イーストウッドのテーマのひとつである父性性が、本作では明快に描かれている。
結末は痛快。
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