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2012年6月23日 (土)

ミュンヘン

1972年9月5日未明、ミュンヘンオリンピックの選手村でイスラエル選手団がパレスチナの武装組織「黒い九月」に襲われ、2名が殺され9名が人質になった。武装グループはパレスチナ政治犯の釈放を要求したが、イスラエル政府はこれを拒否、最終的にイスラエル選手団の11名が殺害された。この事件は、「ミュンヘンオリンピック事件」あるいは「黒い九月事件」と呼ばれている。
Image_20201212151601ミュンヘン

Munich
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー/エリック・ロス
原作:ジョージ・ジョナス『標的は11人 モサド暗殺チームの記録』
音楽:ジョン・ウィリアムズ
アメリカ  2005年

これに対し、イスラエルのゴルダ・メイア首相は、パレスチナゲリラの基地の空爆を命じ、数百人が死んだ。さらに「黒い九月」の主要メンバーの殺害がモサドに命じられた。

その暗殺実行班のリーダーに選ばれたのがアヴナー(エリック・バナ)、アヴナーには出産を2ヶ月後にひかえた妻ダフナ(アイェレット・ゾラー)がいる。アブナーがリーダーに選ばれて理由がわからない、料理がうまいから?
作戦は「神の怒りの作戦」と名付けられた。
アブナーの他のメンバーは、車の専門家スティーブ(ダニエル・クレイグ) 、爆弾製造担当のロバート(マチュー・カソヴィッツ)、文書偽造のハンス(ハンス・ツィッシュラー)、現場の証拠を隠滅する係のカール(キーラン・ハイ)の4名。
この実行班、ちっともプロっぽくない。

実行班は、ローマ、パリ、ベイルート、キプロス、アテネ、と渡り作戦を進めていく。しかし作戦がスムーズに運こばない。黒い九月のメンバーの家族を巻き込みそうになったり、無関係の人間を巻き込んだり、ソ連のKGB工作員を殺したりしてしまう。ミュンヘン事件の黒幕とされるサラメをロンドンで発見するものの、逃げられてしまう。
実行班のまわりでは、情報提供者が暗殺されて、彼らも次第に追いつめられていく。

実際には、このあとプレーボーイであるサラメにハニートラップが仕掛けられ、イギリス人女性人工作員が接近した。1979年1月サラメが乗った車ごと爆発させ、本作戦は終結した。
「神の怒り作戦」について、イスラエル政府は正式な発表を行なっていないが、20名以上のパレスチナ武装組織のメンバーが暗殺されたといわれる。
原作はこの「神の怒り作戦」に関わった元工作員の実話に基づくものとされているが、イスラエル政府の元高官はこの事実関係を否定しているという。→人気ブログランキング

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