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2012年6月 2日 (土)

ラム・ダイアリー ハンター・S・トンプソン

ゴンゾ(無頼派)ジャーナリスト、ハンター・トンプソンの自伝的小説。
1958年のプエルトリコ、サンファンが舞台。
ニューヨークから、30歳の新聞記者ポール・ケンプがサンファンの『デイリー・ニューズ』社にやってくる。
7a8040e31a7b49d0baaa6ce5192da96bラム・ダイアリー
ハンター・S・トンプソン/中江昌彦訳
朝日新聞出版社
2012年

『デイリー・ニューズ』社はいつ潰れてもおかしくないような経営状況にある。
外国人のポールたちは、所詮は住民に受け入れられないアウトサイダー。
その孤独感や疎外感を紛らわすため、昼間から酒を飲み、喧嘩をして、警察沙汰になる、というような無軌道な生活を送っている。
飲む酒はほとんどがラム。蒸留酒の中でもアルコール度数の高いラムを、登場人物たちがオンザロックでしょっちゅう飲む。
紙面からラムの匂いがプンプン漂うような感覚になる。
そんな年がら年中素面でない生活を送っていれば、当然良いからぬことが次々と起こる。
ポールたちの生活も新聞社の経営状況も、悪い方向に転がっていく。
カリブ海の眩しい太陽と青い海、南国の気だるさのなかで繰り広げられるスリリングな日々が、みずみずしい文体で描かれている。無
軌道な生活をみずみずしい文体で表現しているところは、ビート世代のケルアックの『オン・ザ・ロード』を彷彿させる。
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