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2012年7月 2日 (月)

虚栄のかがり火

飲んだくれ新聞記者のピーター・ファロ(ブルース・ウィリス)が、語る形でストーリーが進む。
世の中が浮かれていたバブル絶頂期、マッコイ(トム・ハンクス)は、1日に100万ドルを稼ぎ出すウォール街のエリートトレーダー。彼は自分がこの世の支配者であると思い上がっている。
Photo_20210125080201虚栄のかがり火
The Bonfire of the Vanities
原作:トム・ウルフ『虚栄の篝火』
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:マイケル・クリストファー
音楽:デイヴ・グルーシン
アメリカ  1990年

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ある夜、不倫相手のマリア(メラニー・グリフィス)と車でブロンクスに迷い込み、黒人の少年を轢いてしまう。少年は病院に収容され昏睡状態になる。運転していたのはマリアだった。マッコイは警察に報告しようと促すが、マリアは意に介さない。
マリアの高齢の夫は彼女の浮気を公認しているから、マリアは不倫が生き甲斐のようなユルユルの女である。

黒人のべーコン牧師は、白人が黒人を轢いても警察は何もしないと批判し黒人たちの不満を煽ることに躍起となっている。
一方、NY市長選に立候補しようと目論む検事エイブ・ワイス(F・マーリー・エイブラハム)は、白人エリートが黒人少年の轢き逃げ事件で有罪になれば、黒人票を獲得できると踏んで強引に捜査を進める。
やがて車の持ち主であるマッコイが逮捕される。
マッコイは保釈されるものの、妻のジュディ(キム・キャトラル)から離婚を突きつけられ、会社からは解雇され、高級マンションから追い出される。天国から地獄に突き落とされたようなものだ。

ブロンクスの法廷は黒人の傍聴人で埋めつくされている。
傍聴人たちはマッコイが不利になれば歓喜の声を挙げ、有利に傾くとブーイングする。
問題は、黒人少年を轢いたとき誰が車を運転していたかだ。
マリアは猫なで声で、運転していたのはマッコイで、警察に連絡するように進言したのに無視されたと、嘘の証言するのだった。
そのとき、マッコイはニンマリと笑って、本来は証拠として認められない事故についてのふたりの会話の盗聴テープを法廷内に流した。
裁判官レオナルド・ホワイト(モーガン・フリーマン)は、盗聴テープを証拠と認め無罪判決を下す。

裁判の結果に騒然とする法廷を、レオナルドは木槌をガンガン叩いて「シャラップ」を連呼して鎮め、「やいやい、てめーら、いい加減にしろ」とは言わなかったが、大見得を切る。この映画の見所は、モーガン・フリーマンがしゃがれ声で傍聴人たちに語るこの場面だろう。すっかり、主役を食っちゃている。

Photo

「君たちに正義とは何か教えよう。正義とは法である。法とは、人間の品格 "decency" の原則を定めようとするささやかな努力だ。それは取引でも、金儲けでも、人を騙すペテンでもない。品格、それはおばあちゃんから教わるものだ。君たちの心の一部だ。さあ、家に帰りたまえ。帰って品格ある人間になりなさい。節度ある生き方に立ち戻りなさい」とモーガンは言う。
そう言われると、遠い昔にばあさんから品格のようなものを教わったような気がする。

ピーターは本事件を書き上げピューリツアー賞を受賞する。
欲にまみれたバブル期に、強欲な気持ちになったことを反省しなさいという教訓に満ちた映画だ。そんなわけないか。→人気ブログランキング

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