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2012年7月30日 (月)

白いカラス

1998年、共産主義が衰退しテロが蔓延する以前、アメリカは大統領のセックススキャンダルで揺れていた。
Photo_20210525081601白いカラス
原題:The Human Stain
監督:ロバート・ベントン
脚本:ニコラス・メイヤー
原作:フィリップ・ロス『ヒューマン・ステイン』
製作国:アメリカ合衆国 ドイツ フランス 2003年 106分

名門大学の学部長コールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)は、講義中に差別用語を使ったことで、職を失う。
間もなく妻が急死し孤独の身となる。

コールマンは欠席した生徒を、「Spook」と呼んだ。Spookは幽霊という意味、俗語では黒人という意味もあるとのこと。学生はたまたま黒人だった。たったこれだけのことで退職に追い込まれてしまった。言葉刈りが横行した時代だったのか。

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コールマンは、郊外でひっそり暮らす小説家のネイサン・ザッカーマン(ゲイリー・シニーズ)を訪ね、自らのことを小説に書いたらどうかと持ちかけ、ふたりは親しく交流するようになる。このネイサンの目で物語が語られる。

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一方、母親の再婚相手から性的虐待を受けた過去をもつフォーニア・ファーリー(ニコール・キッドマン)は、イラク帰還兵の夫レスターエド・ハリス)の暴力の悩まされ、火事でふたりの子供を亡くしている。
いまは、牧場と清掃の仕事を掛け持っている。

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ある日、コールマンとフォーニアが出会い、あっさりと深い関係になってしまう。
それを妬むレスターがふたりの前に現れるようになる。

互いに自らの秘密を打ち明けるなか、コールマンは妻にも打ち明けたことのない自らの秘密をフォーニアに打ち明けるのだった。

原作の『ヒューマン・ステイン』では、コールマン71歳、フォーニア34歳という設定。
アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズのそれぞれが、味のある充実した演技を見せている。
タイトルは原題の『ヒューマン・ステイン』より『白いカラス』の方がストレートでいい。
邦題のタイトル通りのネタが隠されている。→人気ブログランキング

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