アンフィニッシュ・ライフ
ふたりの男の友情を軸に、頑固な老カウボーイの過去への拘泥が徐々に消えていくという、筋の通った優良な作品だ。それなのに、日本では未公開。
![]() 原題:An Unfinished Life 監督:ラッセ・ハルストレム 脚本:マーク・スプラッグ/バージニア・コラス・スプラッグ 音楽:クリストファー・ヤング/デボラ・ルーリー(サントラ盤) 製作国:アメリカ合衆国 2005年 104分 |
息子を亡くし牧場で暮らすアイナー(ロバート・レッドフォード)は、ミッチ(モーガン・フリーマン)の面倒をみている。毎日、彼はミッチに食事を運び、痛み止めのモルヒネを注射している。
アイナーは泥酔していて、熊に襲われたミッチを助けることができなかったことで、自分を許せないでいる。
ある日、ミッチを襲った熊をアイナーが捕らえ、町の動物園に入れる。
ミッチは、瀕死の目に合わされ後遺症に悩まされているにもかかわらず、その熊を許す気持ちになっているのだ。
ジーン(ジェニファー・ロペス)は恋人のゲイリーの暴力に耐えきれず、11歳の娘グリフ(ベッカ・ガードナー)とともにアイオワからワイオミングの義父の牧場に向った。牧場に着いた母娘に対し、アイナーは冷ややかに接した。
10年前にジーンが運転する車の事故で息子が亡くなったことで、アイナーは彼女を許せないでいる。息子の墓碑には「unfinished life」と刻まれている。
やがて、ジーンとグリフにつきまとうゲイリーを、アイナーがカウボーイのやり方で叩きのめす。彼は義理の娘と孫娘を守ったのだ。
ミッチの熊に対する寛容な考えと、息子に似てるとアイナーが感じるグリフの屈託のなさが、彼の心を開かせていく。ある夜、アイナーとグリフは動物園に忍び込み、熊を逃がしてやるのだった。
そして、アイナーはジーンを許す気持ちになる。
レッドフォード、フリーマン、ロペスが、それぞれ味のある演技を見せている。
勇敢で聡明そうなグリフ役のベッカ・ガードナーもいい。
監督のラッセ・ハルストレムは、『ギルバート・グレイプ』(93年)も撮っている。→人気ブログランキング
« ヘルタースケルター | トップページ | ダブル・ジョパディー »
「ヒューマン」カテゴリの記事
- 夫婦善哉 織田作之助(2023.04.13)
- 幸せをつかむ歌(2017.04.20)
- ダラス・バイヤーズクラブ(2015.01.21)