あの頃ペニー・レインと
1969年、ウイリアム(パトリック・フュジット)は、2年飛び級であることを、大学講師の母親(フランシス・マクドーマンド)から告げられ戸惑う。同級生より背がかなり低く、毛が生えていないのはそのせいだ。
姉はロックにのめりんでいて、母親はロックを認めない。
ある日、姉がスチュワーデスになりたいと、レコードのコレクションを弟に残して家を出ていく。
![]() 原題:Almost Famous 監督:キャメロン・クロウ 脚本:キャメロン・クロウ 製作:キャメロン・クロウ/イアン・ブライス 音楽:ナンシー・ウィルソン 製作国:アメリカ合衆国 2000年 122分 |
それ以来、音楽にのめり込んだウィリアムは、1973年、15歳のときに音楽評論の才能が認められ、雑誌社から売り出し中のロックバンド「スティル・ウォーター」の密着取材の依頼を受ける。
原稿依頼の件についてウィリアムは尊敬する音楽評論家のレスター・バンクス(フィリップ・シーモア・ホフマン)に相談すると、「君の文章は光っている。厳しいことを書け。相談事があったら電話をかけて来い。夜中でも構わない」と励まされるのだった。
スティル・ウォターのメンバーは、はじめはウィリアムを相手にしなかったが、彼のの真摯な態度と聡明な受け答えに、徐々に心を開いていくのだった。
そして、ウィリアムはスティル・ウォーターと行動をともにするグルーピーのペニー・レイン(ケイト・ハドソン)と親しくなる。
こうして、スティル・ウォーターの演奏旅行に随行する生活を送るようになる。
ここで母親は「麻薬はダメ、新学期が始まるまでに帰ってきなさい」と、寛大な対応をするのだった。
そして、ウィリアムは成長していく。
自らが飛び級であり、15歳で『ローリング・スートン』誌の記者になったキャメロン・クロウ監督の自伝的な要素が、多分に含まれているという。ペニー・レインを女神化しているのは、監督自身がケイト・ハドソンに入れ込んでいるように思える。少年から青年に成長しようとする時期に経験する淡い恋愛の物語だ。
監督は、自殺願望のある少年とハツラツ老女の恋物語『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』(1971年)の大ファンだという。
本作はアカデミー賞脚本賞を受賞した。→人気ブログランキング
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