21グラム
3人の男女が心臓移植をめぐり交差する。
心臓病で余命1カ月と宣告された大学で数学を教えるポール(ショーン・ペン)は、夫婦の間がうまくいっていない。妻(シャルロット・ゲンズブール)は子供ができれば事態が打開されると信じ、ポールの病状にかかわらず不妊治療に通おうとする。
ドラッグ依存症から立ち直ったクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)は、夫とふたりの娘に囲まれて幸せに暮らしている。
21グラム 原題:21 Grams 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 脚本:ギレルモ・アリアガ 製作:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/ロバート・サレルノ 製作総指揮:テッド・ホープ 音楽:グスターボ・サンタオラヤ 製作国:アメリカ合衆国 2003年 124分 |
過去の犯罪から更正して、神を信じて真面目に働いているジャック(ベニチオ・デル・トロ)には妻(メリッサ・レオ)とふたりの子供がいる。
ある日、ジャックはピックアップトラックでクリスティーナの夫と娘たちをはねてしまう。娘たちは即死、夫は重度の脳損傷となり生体移植のドナーとなるように、担当者からクリスティーナは説得されるのだった。
そして、ポールは心臓移植術を受け順調に回復する。
ジャックは自首するが、クリスティーナが告訴しなかったため、短期間の拘留で出所する。
健康を回復したポールは、どうしても心臓の持ち主を知りたくなり、探偵を雇いクリスティーナの夫であることを突きとめるのだった。
以前、ポールはスポーツクラブで、クリスティーナに声をかけたことがあった。そしてふたりはは親密になっていく。
事故から立ち直れないクリスティーナは、再び薬とアルコールに手を出す。
取り乱したクリスティーナがジャックへの復讐を口にしたことで、ストーリーは悲惨な方向に向かうのだった。
時制がめまぐるしく前後し、3人がかわるがわる映し出される複雑な構成にもかかわらず、違和感を感じないのは、十分に計算され尽くされているからだろう。
監督は『バレル』(06年)を撮ったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、三つの話を交差させ、時間軸が前後する作り方は、似通ったテーストを感じる。本作のあと、ショーン・ペンとナオミ・ワッツは、『フェアゲーム』(10年)で夫婦役を演じている。→人気ブログランキング