マイレージ・マイライフ
ライアン(ジョージ・クルーニー)は解雇通告人。解雇を言い渡すことができない腰抜け上司に変わって、憎まれ役を買って出る代行の仕事だ。
彼はアメリカ国内を飛行機で飛び回り、マイレージを貯めることに情熱を燃やしている。史上7人目のマイレージ1000万マイルの達成を夢見ている。
なにしろ1年のほとんどを自宅以外で過ごす、根無し草のような暮らし。面倒な人間関係を嫌い、「バックパックに入らないものは背負わない」がモットーだ。
マイレージ、マイライフ 原題:Up in the Air 監督:ジェイソン・ライトマン 脚本:ジェイソン・ライトマン/シェルドン・ターナー 原作:ウォルター・カーン 製作国:アメリカ合衆国 2009年 109分 |
そんなある日、本社から招集がかかる。
会議で示されたのは、マニュアルにのっとって、テレビチャットで解雇を言い渡すという、新入社員ナタリー(アナ・ケンドリック)のアイディア。会社としては膨大な出張費が削減できる。
ライアンは解雇を言い渡す相手に心の拠り所を与えることが解雇通告のポイントで、チャットではそれができないと主張する。
こうして、解雇通告の実地研修のため、リクルートルックに身をかためたナタリーは、ライアンに同行するのだった。
ライアンとの仕事を通じて、ナタリーはチャットでの解雇通告に疑問を抱くようになる。そんな時、彼女に恋人からの別れ話がメールで送られてくる。
さらに、彼女が解雇を言い渡した女性が、橋から身を投げて自殺してしまう。ナタリーは自らの未熟さを嘆き、マニュアル通りには物事が進まないことに気づくのだ。
やがて、1000万マイルを達成したライアンは目標を失い、これからの生活に不安を感じ始める。出張先で知り合ったアレックス(ヴェラ・ファーミガ)をシカゴの自宅に訪ねるのだった。
能率主義が尊重される現代社会を風刺した作品。バックパックひとつじゃ、心の安定は得られない。
第82回アカデミー賞、作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、助演女優賞(アナ・ケンドリック、ヴェラ・ファミーガ)にノミネートされた。→人気ブログランキング
« 『再会の食卓』 | トップページ | ミラノ、愛に生きる »
「ヒューマン」カテゴリの記事
- 夫婦善哉 織田作之助(2023.04.13)
- 幸せをつかむ歌(2017.04.20)
- ダラス・バイヤーズクラブ(2015.01.21)
コメント