インベージョン
人間にとって、争いが絶えず起こる今の世界より、画一化された人間が住む争いのない世界が理想なのか。深淵な疑問を投げかけるSFサスペンス。
![]() 原題:The Invasion 監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル 脚本:デビッド・カイガニック/ウォシャウスキー兄弟 原作:ジャック・フィニイ『盗まれた街』 音楽:ジョン・オットマン 製作国:アメリカ合衆国 2007年 99分 |
スペースシャトルの墜落事故が発生し、シャトルの破片に付着していた宇宙からのウイルスにより、世界中で謎の感染症が引き起こされていた。
ワシントンで精神科医として勤務するキャロル(ニコール・キッドマン)は、周りに不可解な事態が起こっていることに気づいていた。ウイルスに感染し、人間らしい感情を失った住民が急速に増えている。
キャロルの元夫のタッカー(ジェレミー・ノーサム)は、このウイルス対策チームの一員としてワシントンに現れ、息子オリバーとの面会を申し出てきた。
キャロルは、同僚のベン(ダニエル・クレイグ)とガレアーノ(ジェフリー・ライト)とともに原因究明に乗り出す。しかし事態は悪化する一方で、キャロルたちは街中がおかしくなっていることを自覚するのだった。
やがて、ガルシアが「ウイルスに感染すると睡眠中に分泌されるホルモンにより、人間らしい感情を失った何者かに変わってしまう」ことを突き止める。キャロルたちは、睡眠中の人間が醜く変化していく様子を目の当たりにするのだった。
世界中にこのウイルス感染症が蔓延し混乱をきたしているのもかかわらず、アメリカだけは新型インフルエンザと発表し、CDC(アメリカ疾病対策センター)で予防接種が行われていた。キャロルはCDCの要職にあるタッカーが、今回の事件の首謀者ではないかと疑い始める。
キャロルは帰宅しないオリバーを探しにタッカーの家に向かうが、そこには息子の姿はなく、タッカーの吐き出す液体を体に浴びてしまうのだった。眠ってしまえばすべてが終わる、睡魔と戦い、息子を見つけるべく奔走するキャロルの戦いが始まる。
やがて、ウイルスに感染しても発症しない遺伝子が発見され、ワクチンが製造され、事態は終熄に向かうのだった。
キャロルはかつてパティーで同席したロシア大使の言葉を思い起こす。
「人間は誰でも恐ろしい犯罪が出来る。想像したまえ、争いが新しい暴力を生まず、犯罪が世界から消えた世界を。それは人間が人間でなくなった世界だ」。→人気ブログランキング
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