砂と霧の家
夫と別れ失意のうちに、父親から譲り受けた家にひとりで暮らしていたキャシー(ジェニファー・コネリー)は、行政からの税金滞納の督促状を無視していた。開封していない封書が、入り口のドアの近くに散乱している。これが事の発端である。封書を開けて適切に対処していれば、事件は起こらなかった。
ある日、家財道具もろとも家が差し押さえられ、キャシーは追い出されてしまう。
行政の手違いから起こったことで、弁護士に相談するが、すでに家は競売で競り落としたベラーニ(ベン・キングズレー)元大佐一家が住んでいた。
砂と霧の家 原題:House of sand and fog 監督:ヴァディム・パールマン 脚本:ヴァディム・パールマン/ショーン・ローレンス・オットー 製作:ヴァディム・パールマン/マイケル・ロンドン 音楽:ジェームズ・ホーナー 製作国:アメリカ合衆国 2003年 126分 |
ベラーニ元大佐はイラクでは裕福な生活を送っていたが、アメリカに亡命した今は、昼は道路工事、夜はコンビニで働いている。妻ナディ(ショーレ・アグダシュルー)と愛する息子のためにも、ベラーニは懸命に人生を立て直そうとしている。
購入した家の2階のベランダからは、海と美しい夕日が見え、彼が故郷に持っていた別荘と似ていたのだ。
というわけでベラー二もこの家には愛着がある。
家を失ったキャシーは、ひとりではどうにもならず、警官のレスター(ロン・エルダード)の力を借りてベラーニに家を返すように迫るが、競売価格の4倍でなければ売らないと突っぱねる。レスターは妻とうまくいっておらず、妻と子供を捨ててキャシーと一緒になろうと思い始め、キャシーのためなら何でもしようと思っている。
レスターは、ベラーニの弱みを探り始める。
失意のうちに怠惰な生活を送ってしまいちょっとした手違いから家を失った女と、その女に近づいて現実から逃避しようとする浅はかな警官と、競売で手に入れた家を高く売ろうする男の、思惑の齟齬が事態を悪化させる。
アカデミー賞の主演男優賞、助演女優賞、音楽賞にノミネートされた。→人気ブログランキング
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