JUNO/ジュノ
16歳の高校生ジュノ(エレン・ペイジ)は1回のセックスで妊娠してしまう。相手は深く付き合ったわけではない同級生でバンド仲間のポーリー(マイケル・セラ)。
早速、親友のリサ(オリヴィア・サルビー)に打ち明け、とりあえず中絶することにしてクリニックを訪れる。
ところが、ジュノは受付の女性の対応が気に入らないとか、クリニックが消毒薬臭いだのを理由に中絶を諦め、ジュノの言葉によれば「赤ちゃんを搾り出す」ことにする。
そしてリサと里親探しを始め、フリーペーパーで養子を探している裕福な夫婦に目星をつける。
JUNO/ジュノ 監督:ジェイソン・ライトマン 脚本:ディアブロ・コーディ 製作:ジョン・マルコヴィッチ/メイソン・ノヴィック/リアンヌ・ハルフォン/ラッセル・スミス 製作総指揮:ジョー・ドレイク/ネイサン・カヘイン/ダニエル・ダビッキ 音楽:マテオ・メシナ 製作国:アメリカ合衆国 カナダ 2007年 92分 |
妊娠という厄介な事態になったにもかかわらず、軽いノリのジュノだから、トレードマークのパイプ片手に淡々としている。ジュノの行くさきざきには、中絶反対のプラカード持った中国系の同級生が現れて、「赤ちゃん、もう爪だって生えているわよ」と、あたかも胎児が子宮の内側を引っ掻くような気味の悪いことをいって脅すのだった。
ジュノが両親に妊娠を打ち明けると、ひと騒動あると思いきや、両親もジュノと同様にあっけらかんと妊娠の事実を受け入れてしまう。継母(アリソン・ジャニー)はいたってジュノのことを気遣うのだ。
そして、週末には父親(J・K・シモンズ)が付き添って、里親候補の夫婦に会いに行くことに話はまとまってしまう。なんという寛大で愛情深い親なのだろう。
郊外の高級住宅街に住むヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー)とマーク(ジェイソン・ベイトマン)の夫婦は、弁護士と共にジュノたちを待っていた。はじめのうちは会話がぎこちなかったものの、肝心の養子縁組の話はとんとん拍子にまとまり、円満に契約が成立する。
オタクでヤッピーの芸術家風夫とジュノとは、パンクロックだのホラー映画だのと話があう。
一方、アメリカの良妻賢母タイプの妻が子どもを望む気持ちは本物らしい。
妊娠は順調に経過するものの、夫婦仲がうまくいかなくなり離婚の危機が訪れる。夫は妻が自分の趣味を理解してくれないなどと、この期に及んで子供じみたことを離婚の理由にするのだった。
そんなことはお構いなしに、ジュノの腹はせり出してくる。
そんななか、ときどきジュノのの前に姿を現すポーリーだが、産むというジュノの意志を尊重し体を気遣うのだった。
そして出産をむかえる。→人気ブログランキング
| アメリカは中絶に関して大統領選挙の争点になるような国柄である。 それを象徴するかのように、中絶反対のプラカード持った中国系の同級生がジュノにつきまとう。 『スリーウィメン』(05年)で描かれているように、かつて中絶医が襲撃を受け殺されという事件も起こっている。 1980年代、アメリカでは10歳代の妊娠が社会問題になった。 その後減ってきてはいるものの、いまだに先進国の中でその頻度はずば抜けて高いという。 以前は、10歳代での妊娠は中絶かシングルマザーという選択肢に限られていたが、最近は里子に出す解決策が定着しつつあるという。セレブリティーたちが何人もの養子を育てていることも、この制度の活用を後押ししている。 本作と同じように主人公の高校生が妊娠する、ハーレムが舞台の『プレシャス』(09年)では、妊娠が学校の知るところとなると、主人公は退学を余儀なくされる。 本作は、中西部の都市の設定。寛容なことにジュノには学校からのお咎めはなかった。この違いは教育に対するそれぞれの州の方針が違うからというような大層なものでなく、単に映画の都合だろう。 本作は、アカデミー賞監督賞にノミネートされた。ジェイソン・ライトマン監督の作品には、『サンキュー・スモーキング』(05年)『マイレージ・マイライフ』(09年)がある。 |
« 『家の鍵』 | トップページ | ものすごくうるさくて ありえないほど近い »
「ヒューマン」カテゴリの記事
- 東京タクシー(映画)(2025.11.26)
- 夫婦善哉 織田作之助(2023.04.13)
- 幸せをつかむ歌(2017.04.20)
- ダラス・バイヤーズクラブ(2015.01.21)
「コメディ」カテゴリの記事
- パンダより恋が苦手な私たち2 瀬那和章(2026.01.13)
- リトル・チルドレン(2021.01.02)
- 幸せをつかむ歌(2017.04.20)
- フィッターXの異常な愛情 蛭田亜紗子(2015.06.15)
- 『ジャッジ!』(2015.02.28)






コメント