『スーパーチューズデー~正義を売った日~』
スーパー・チューズデー ~正義を売った日~ [Blu-ray]
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The Ides of March
監督:ジョージ・クルーニー 脚本:ジョージ・クルーニー/グラント・ヘスロヴ/ボー・ウィリモン 原作:『Farragut North』 ボー・ウィリモン 製作:グラント・ヘスロヴ/ジョージ・クルーニー/ブライアン・オリヴァー 製作総指揮:レオナルド・ディカプリオ/スティーヴン・ペヴナー/ナイジェル・シンクレア/ガイ・イースト/トッド・トンプソン/ニーナ・ウォラースキー/バーバラ・A・ホール 音楽:アレクサンドル・デスプラー 製作国:アメリカ合衆国 2011年 98分 ★★★★☆
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民主党の大統領予備選を控えたモリス陣営の広報官が主人公。 優秀なを潰そうと相手陣営から引き抜きがかかり、は断ったものの、相手陣営と極秘に接触したことが選挙参謀の上司の知るところとなり、解雇される。職を失ったは相手陣営に擦り寄るが、今度は門前払いされる。 ならばと、開き直ったは、起死回生の手を使い、モリス陣営に返り咲きく。その後、モリス陣営はスーパー・テューズデーにむけて快進撃を開始するというストーリー。 |
民主党の大統領予備選に出馬したマイク・モリスは正念場をむかえていた。ペンシルバニア州知事として実績を積んだモリスは、対立候補のプルマン上院議員をリードしていた。
モリスを支えるのは、ベテランの選挙参謀ポール(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、切れ者と相手陣営が恐れる若き広報官のスティーヴン(ライアン・ゴズリング)である。
3月15日のオハイオ州予備選(スーパー・チューズデイ)に勝利すれば、その後の戦いが有利に進むことは間違いない。そんななか相手陣営の選挙参謀ダフィ(ポール・ジアマッティ)が、に極秘の面会を打診してきた。ダフィの目的は、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだった。副大統領にするだの国務長官の席を開けておくだの論功行賞をちらつかせるダフィの申し出を、スティーヴンは即座に断る。
その夜、は選挙スタッフのインターン、モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで一夜を過ごす。朝方にかかってきたモリーの携帯電話に出たは、その電話の相手が大統領候補のモリスであることを知ってしまう。ここではモリスの弱みを握ったのだ。
【このあとネタバレです。】
しかし、ダフィとの密会をポールが知るところとなり、また優勢を見込んでいた予備戦の雲行も怪しくなり、スティーヴンの立場は悪くなる一方だった。そして、ポールからクビを宣告されるという予期せぬ事態になったスティーヴンは、プルマン陣営への寝返りを決意する。しかし、モリス陣営をお払い箱になったを、すでに賞味期限がすぎたと踏んだダフィは、を門前払いにするのだった。
ところがは終わらない。モリスに直談判し、弱みを握っていることをちらつかせ、ポールをクビにしてを選挙参謀にするよう取引するのだった。
大統領予備選の舞台裏で行われている危うい駆け引きは、凄まじい。相手陣営の参謀を引き抜こうというのだ。 汚い手段であろうが何であろうが、何でも選択する。 は、それまでの方針を転換し、大統領に当選した暁に利権を主張してくるだろう団体のロビイストと手を組んだ。モリス陣営の快進撃は、そのロビイストが持っている票が物を言ったのだ。は正義を売ったのだ。 モリスは清廉潔白で揺るぎない政治心情を持っていることになっている。それは周りが演出して、本人がそういう政治家を演じているだけかもしれない。 原題の『The Ides of March』は、ガイウス・ユリウス・カエサルが暗殺された紀元前44年3月15日を意味する。ジョージ・クルーニーのアイデアによるという。 レオナルド・ディカプリオが製作総指揮に加わっている。 |
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