赤ずきん
グリム童話の『赤ずきんちゃん』のその後を描いたファンタジーサスペンス。
まずは、『赤ずきんちゃん』が、どんな話だったのか、おさらいしよう。
赤ずきんと呼ばれる女の子が、お使いを頼まれて森の向こうのおばあさんの家へ向かう途中で、一匹の狼に遭い道草をする。狼は先回りをしておばあさんの家へ行き、おばあさんを食べてしまう。そしておばあさんの姿になりかわり、赤ずきんが来るのを待つ。
赤ずきんがおばあさんの家に着くと、おばあさんに化けていた狼に食べられてしまう。
満腹になった狼が寝入っているところに猟師が通りかかり、狼の腹の中からふたりを助け出す。赤ずきんは言いつけを守らなかったことを反省していい子になる。
実にあっけない話だった。ただし、いくつかのヴァージョンがあるとのこと。
![]() Red Riding Hood 監督:キャサリン・ハードウィック 脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン 製作:レオナルド・ディカプリオ/ジェニファー・デイヴィソン・キローラン/アレックス・メイス/ジム・ロウ/ジュリー・ヨーン 製作国:アメリカ合衆国 カナダ 2011年 100分 |
美しく成長した赤ずきん・ヴァレリー(アマンダ・サイフリッド)は、母親に村一番の金持ちの後継ぎヘンリー(マックス・アイアンズ)との婚約が決ったことを知らされる。だが、彼女は幼馴染みで貧しい木こりのピーター(シャイロー・フェルナンデス)と、愛し合っていた。
ヴァレリーの姉のルーシーが満月の夜、何者かに殺される。ルーシーは母とヘンリーの父であるエイドリアンの間に生まれた娘。
村人達はルーシーの仇を取りに狼退治に森に入り、狼を一頭殺す。それで片がついたと、村人たちが祝宴をあげようとするところに、ソロモン神父が現れ、退治されたのはただの灰色の狼、犯人は満月の夜に狼に変わる人狼だというのだ。人狼は正体を隠したまま村に紛れているという。
ソロモン神父の言うように何人かが殺され、疑心暗鬼となった村人たちは、パニックに陥ってゆく。
そして13年に一度の赤い惑星と月が並ぶ夜に、人狼は姿を現した。
人狼はヴァレリーに村を一緒に出ようと誘うのだった。
人狼の目的がヴァレリーを連れ去ることと知ったソロモン神父は、彼女を囮として広場に拘束し、人狼を罠を仕掛ける。
一方、恋敵のピーターとヘンリーは共闘を組んで、ソロモン神父からヴァレリーを開放し、さらに人狼と戦うのだった。
ソロモン神父は人狼によって傷けられ殺害される。
そして、ついに人狼の正体が暴かれる。
村人を疑心暗鬼に陥れ村を支配しようとしたソロモン神父は邪悪である。
人狼は、ヴァレリーと村の外へ連れ出したかっただけだ。その点は、ピーターも変わらない。
ヘンリーは、潔くヴァレリーをピーターに譲るといっている。
結論は、赤ずきん家は旧弊にがんじがらめの村から、果敢にも外の世界へと出て行こうとするパイオニアたちだった。→人気ブログランキング
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