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2012年10月13日 (土)

イン・ザ・ベッドルーム

アメリカの北東端メイン州の漁港町。
大学生のフランク(ニック・スタール)は、夏の間、帰省してロブスター漁のアルバイトをしている。両親は、開業医のマット・ファウラー(トム・ウィルキンソン)と合唱隊の教師ルース(シシー・スペイセク)。

Image_20201206090001イン・ザ・ベッドルーム
In the Bedroom
監督:トッド・フィールド
脚本:ロバート・フェスティンガー/トッド・フィールド
音楽:トーマス・ニューマン
製作国:アメリカ  2001年  130分 

_1

フランクは、年上でふたりの息子を持つナタリー(マリサ・トメイ)と交際している。彼女との離婚に応じない夫のリチャード(ウィリアム・マポーザー)が、よりを戻そうと彼女を訪ねてくる。

潔癖な母親は、息子が年上のふたりの子持ちの女と付き合っていることを快く思っておらず、交際に対して寛容に振舞う夫には、苛立ちを感じている。フランクはナタリーに惹かれてはいるものの、母親には「一夏の恋」と調子のいいことをいけしゃーしゃーと言っている。

_2

ある日、ナタリーからリチャードが強引に家に入ろうとしていると助けを求める電話がかかり、フランクが駆けつけると、リチャードは銃を放ちフランクは射殺されてしまう。
リチャードは計画性があったわけではない、もみ合っているうちにかっとなって銃を撃ってしまったと故殺を主張。

計画性のない故殺が認められれば、刑はたった5年である。
暴力夫とは言え、リチャードは離婚を望んでおらず、ナタリーとフランクが不倫の関係にあったことも、量刑に影響したかもしれない。

 

_3

息子の死以来、夫婦の間には気まずい空気が流れている。ルースはマットが寛容過ぎた、子持ちの女と付き合うようになったのは、マットのせいともとれるようなことを言う。一方、マットはルースが口やかましく、何事も制限したと非難する。

一人息子を殺された両親が加害者の量刑があまりにも軽すぎると、やり場のない怒りを感じるのはもっともだ。
その犯人と、ときどき顔を合わせなければならないとしたらどうだろう。精神の安寧は保てるのだろうか。

そんなある日、ルースはスーパーで保釈中のリチャードを目撃して動揺する。
ルースの様子を見てマットは決意する。
マットはリチャードの家に忍び込み、銃で脅しながら旅行仕度をさせ、街から出ていくように言う。
マットは空港に送ると言ってリチャードを車で連れ出し、山荘で友人のところへ行き、彼を撃ち殺してしまう。

_4

明け方になって、マットが家に帰り、ルースに気づかれないようにとベッドルームに入ると、彼女は起きていた。

画面が静かにゆっくり進み、両親の思いがことさら見ている側に伝わってくる。
第72回アカデミー賞の脚本賞、主演男優賞(トム・ウィルキンソン)、主演女優賞(シシー・スペイシク)、助演女優賞(マリサ・トメイ)に、ノミネートされた。→人気ブログランキング

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