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2012年11月18日 (日)

黄金を抱いて跳べ

雑多で猥雑に息づく「魔都」大阪で繰り広げられる重厚なクライムサスペンス。飄々とした佐野忠信と、ニヒルリズムに浸り苦悩する妻夫木聡、達観した存在の西田敏行、生と死の狭間を危なっかしく生きるチャンミンらの、演技が見どころのひとつ。
Image_20201209100401黄金を抱いて跳べ
監督:井筒和幸
脚本:吉田康弘/井筒和幸
原作:高村薫『黄金を抱いて翔べ』
主題歌:安室奈美恵「Damage」(avex trax)
製作国:日本  2012年 129分

主人公の幸田(妻夫木聡)は、「人間のいない土地を探していた。そこで人間をやめる日を迎えるのだと決めていた。あと1年で30歳になるが、待つのもそれが限界だ(原作より)」と、破滅的な考えをしている人物。

幸田は、20年ぶりに訪れた故郷の大阪で、大学時代の友人、北川(浅野忠信)から銀行強盗の計画を持ちかけられる。大手銀行の地下金庫から500キロ240億円相当の金塊を奪おうというもの。北川は、世界に通用するのは金という漠然とした理由で、金塊にこだわっている。
この途方もない計画を実行するための人材を集めることから話は始まる。

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北川が連れてきたのは、銀行担当のシステムエンジニアである野田(桐谷健太)、エリートサラリーマンだ。さらに、元エレベーター技師でいまは公園の清掃夫をしている「じいちゃん」こと斉藤(西田敏行)。銀行の内部構造にも詳しい。
幸田は、爆発物に精通している北朝鮮の元工作員モモ(チャンミン)を仲間に引き入れる。北川の電話を盗み聞きして計画を知ってしまった北川の弟・春樹(溝端淳平)も、仕方なくメンバーに加えた。
北川は、「世界一の労働だ。最高の汗をかこうぜ」とメンバーに言う。

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警報機や赤外線センサーには、予備の蓄電池がついていて電線を切っても作動する。そこで警備員の注意を逸ら警察力を分断するために、中之島変電所を爆破し、銀行だけでなく近隣全域を停電にするというとんでもないことを思いつく。
それには、なにを置いても大量のダイナマイトが必要だ。幸田と野田は輸送車を襲撃し、ダイナマイトの強奪に成功する。しかし、そのあと、計画を進めるうちに障害になる事件が次々に起こる。

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公安がモモの動向を見張っているのだ。北朝鮮の工作員がモモの命を狙っている。春樹は暴走族と、やったらやり返す血みどろの喧嘩に巻き込まれてしまう。否が応でも、幸田も北川もそのとばっちりを食うことになる。
そして、身の危険を感じて計画から離脱しようとする者も出る。しかし、すでに動き始めた計画から途中下車はできない。脱落者が出ることは秘密が洩れることだ。

2

何が起ころうとノンストップ。
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