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『冬うどん 料理人季蔵捕物控』 by 和田はつ子

一膳飯屋塩梅屋(あんばいや)の主人、季蔵(としぞう)が師走限定で昼餉に出したのは、鶏団子入り稲庭うどん。出羽の国で作られる高価な稲庭うどんが安く手に入るというのだ。
鶏団子うどんは瞬く間に評判になり、昼時の塩梅屋には長蛇の列ができた。

冬うどん 料理人季蔵捕物控 (時代小説文庫)

冬うどん 料理人季蔵捕物控

posted with amazlet at 12.12.23
和田 はつ子
ハルキ文庫
2012年

江戸もののミステリだから殺しが起こる。
甲州商人の谷長屋長右衛門が神隠しにあう。江戸では神隠しが珍しくないため、普段はなら奉行が動くことはない。ところが北町奉行烏谷椋十郎が事件の解決を買って出たので、季蔵は何かあるなと睨んだ。案の定、烏谷が惚れた女が絡んでいた。
そして、谷長屋長右衛門は江戸一の廻船問屋の長崎屋の寮の蔵で亡くなっているのを発見された。蔵の中に閉じ込められ、心臓に病を持っていた長右衛門は発作を起こし亡くなったらしい。長崎屋の庭にあるカラタチの植え込みに桐生紬の切れ端が残されていた。
やがて、反物屋の京屋の若旦那が撲殺される。
京屋と丸高屋はいずれ一軒に絞られる大奥出入りをめぐって対立していた。
烏谷椋十郎の手の者である季蔵が事件の謎を解いていく。

『料理人季蔵捕物控』には、同じように料理がよく出てくる『鬼平犯科帳』のような毒気がないので物足りない。
しかし、料理については詳細に書かれている。
鶏団子うどん、牡蠣飯、里芋の鍬焼き、太刀魚の八幡巻き、ほうとうの作り方がこと細かく書かれ、さらに、季蔵たちによってねぎ尽しの料理が考案され、タルトやクッキー、薄皮まんじゅうまで作ってしまう。
料理好きでミステリ好きで江戸物好きには、応えられない内容になっている。

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