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2013年1月10日 (木)

『エレジー』

Photo エレジー
Elegy
監督:イザベル・コイシェ
脚本:ニコラス・メイヤー
製作:トム・ローゼンバーグ/ゲイリー・ルチェッシ/アンドレ・ラマル
製作国:アメリカ合衆国 2008年 112分 ★★*☆☆

通常、恋愛ものであれば主人公に感情移入してしまうが、この作品はそうはならなかった。
老大学教授のデヴィット(ベン・キングスレー)が女子大生のコンスエラ(ペネロペ・クルス)をものにしようと企んで、その通りになり、その関係が長続きはしないと思いきや、ずるずる引きずる。
あまりにも性に固執したデヴィットに、感情移入できないからだ。

2

デヴィットは雑誌に演劇批評を書き、テレビで自らの著書を解説し文化人のインタビューをこなす有名人である。
友人(デニス・ホッパー)に、コンスエラとの関係を逐一報告しアドバイスをもらうのだ。
しかし、家庭はとうの昔に壊れ、医師の息子(ピーター・サースガード)ともうまくいっていない。
カナダに住む20年来の女友達(パトリシア・クラークソン)が訪れ、性的関係が続いている。

3

デヴィットは自宅のパーティに現れたコンスエラに、見せたいものがあると画集を手にし、ゴヤの『着衣のマハ』に似ていると言って、きっかけを作る。『着衣のマハ』の次のページは当然『裸のマハ』だろうが、それは見せなかった。オペラや演劇にいっしょにいかなかと、デヴィットは誘う。
この手口がまんまと成功するのだ。

はじめは性的な興味だけと友人に話していたが、デヴィッドは彼女にのめり込んでいく。
自らの歳を考えると、いつか別れなければならないことを悟り、デヴィッドは彼女との関係に一線を引こうとする、という純愛ものだった。

はじめっからそういう気配をにじませればいいものを、途中から、それならそういう目で観ようじゃないかと姿勢をただした。
老教授と女子大生の「結果的には」純愛もので、「結果的には」というのは、はじめ老教授の魂胆が若い娘を物にするという邪念に満ちたもので、到底ついていけないなと思わせておいて、途中から風向きが変わるのだ。
結末は、吉永小百合と浜田光男の『愛と死を見つめて』を思い起こさせる展開だった。
BGMは頗るいい。

【ピーター・サーズガード出演作品】
17歳の肖像(2009年)
エレジー(2008年)
フライトプラン(2005年)
ニュースの天才(2003年)

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From Showgirls to Cats, The Golden Raspberries have been 'celebrating' terrible movies for four decades. Are they harmless fun – or past their sell-by date, asks Nicholas Barber.

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