『ポテチ』
堂々とした呑気さがある主人公の今村忠司(濱田岳)は空き巣。
ある日、今村が空き巣に入った家の留守電に、これから飛び降り自殺をすると大西若菜(木村文乃)から電話がかかり、今村の説得で若菜は自殺を思いとどまった。そして、ふたりは同棲するようになる。
尾崎はかつて高校球界屈指のスラッガーだった。鳴り物入りでプロ野球仙醍キングスに入団し、2年目に首位打者を獲得したが、いまは鳴かず飛ばずで補欠に甘んじている。監督との折り合いが悪いと言われている。
今村は健康診断の結果について気にかかることがあり、母親(石田えり)にも健康診断を受けるように促した。
今村は、26年前の同じ日に同じ病院で生まれた尾崎に対し、特別な感情を持っている。今村は空き巣兼私立探偵の黒澤(大森南朋)に健診の結果について悩んでいることを打ち明けた。
尾崎が活躍する高校野球の試合をテレビで観ていると、「お前と同い年の人間がホームランを打って人を喜ばせている。同じ高校生でこうも違うものかねえ」と母親に言われたことを、今村は忘れられないでいる。
尾崎のマンションに空き巣に入った今村と若菜は、留守電をかけてきた若い女性が男と組んで、尾崎を陥れて金を巻き上げようとしていることを知る。普段は温厚な今村が、そのカップルに対して机を蹴飛ばしたりして激昂することに、若菜は今村と尾崎の間になにか秘密があると思い始めるのだった。
塩味とコンソメ味のポテトチップスを今村と若菜が食べているときに、どうしたわけか今村が突然泣き出した。
かくして、今村と母親、若菜、黒澤がキングスとジャイアンツの試合をスタンドで観戦している。黒澤は尾崎の出番があるというのだった。
そして黒澤が細工したとおりに、尾崎が代打でバッターボックスに立った。
どことなく暖かい感じがするのは、濱田岳の脱力した演技のせいだろう。
原作は『フィッシュストリー』に収められた同名の中篇、原作そのままのストーリーだ。
« それでもボクはやってない | トップページ | 『ウェブ進化論』―本当の大変化はこれから始まる by 梅田望夫 »
「ドラマ」カテゴリの記事
- その昔,ハリウッドで クエンティン・タランティーノ/田口俊樹 (2023.10.14)
- グロリアの青春(2015.05.29)
- 私の、息子(2015.02.09)
- ブルージャスミン(2014.11.25)
- 8月の家族たち(2014.10.16)
コメント