グッドドクター 禁断のカルテ
マーティン(オーランド・ブルーム)は内科医専門医を目指す医者の卵。
感情を表に出さないマーティンは、どことなくぎこちなく、見るからに頼りなさそうでミスをしでかしそう。喋りに抑揚がなく滑舌が悪い。
グッド・ドクター 禁断のカルテ The Good Doctor 監督:ランス・デイリー 脚本:ジョン・エンボム 音楽:ブライアン・バーン 製作国:アメリカ合衆国 2011年 97分 |
マーティンは、腎盂腎炎で入院している女子高校生のダイアン(ライリー・キーオ)を受け持つ。治療がうまくいき、ダイアンは回復に向かい無事に退院する。
医師は尊敬されるべきだと思っているマーティンは、黒人看護師のテレサ(タラジ・P・ヘンソン)が指示が読めないとクレームをつけてきたことに我慢できない。マーティンは、テレサが嫌がらせをしていると思っている。
そんなおり、ダイアンの両親から自宅での食事に招待を受け、ダイアンに惹かれているマーティンは喜んで出かけていく。しかし、ダイアンは別れると言っていた恋人と外出していて不在だった。
洗面所を借りることを口実にマーティンは家の中をうろつき、ダイアンの部屋で顔写真を盗んだまではまだいい。洗面所にあったダイアンの薬を取り替えてしまうという、とんでもないことをやらかしてしまう。
ダイアンは、マーティンの思惑通り再発して入院してくる。
マーティンは、ダイアンの入院が長引くように、点滴の中身を替え検査も操作し、難治性の感染症にしたてあげる。
このあたりになるとホラー映画のテイストになり、『ミザリー』を彷彿とさせる。
ところが、マーティンの浅知恵どおりには事は運ばす、ダイアンの病状は悪化し手の施しようがなくなり亡くなってしまう。
指導医のウェイランズ医師(ロブ・モロー)をはじめ仕事仲間は、マーティンが精神的なショックを受けているだろうと慰めの言葉をかける。「受け持ち患者の死を乗り越えて一人前の医者になる」と励まされるのだった。テレサからも一目おかれるようになる。
マーティンにすれば、周りから非難されてしかるべきなのに、どうしたことか励まされ、尊敬される兆しまでが感じられる。このくらいのことをやっても大丈夫なんだと、思ってしまったから始末が悪い。
そんなおり、看護助手のリッチ(ネイサン・キーズ)からダイアンの日記を持っていると脅され、麻薬や睡眠薬を調達するようゆすられる。
日記の公表を恐れるマーティンは睡眠薬を手に入れリッチに渡すが、リッチの要求はエスカレートしていく。そしてリッチ殺しを計画するのだった。
殺人を犯した医師の卵が罪を免れ野放しになることに不安を抱かせることが、監督の狙いなんだろうけれど、中途半端だ。観客を不安のどん底に陥れるような仕掛けが欲しい。→人気ブログランキング
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