ザ・タウン
映画の舞台となったチャールズタウン(Charlestown)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市北東部にある。現在はアイルランド系の住民が多く住む犯罪多発地区である。
監督のインタヴューによれば、現地でのロケーションを数多く行い、この地に住む犯罪歴の持ち主をエキストラに起用してリアルに描くことを心掛けたとのこと。
最新作『アルゴ』で花開くベン・アフレックの監督としての才能が垣間見える、エンターテイメント性豊かな傑作である。
クリント・イーストウッドの後継者との呼び声も高い。
ザ・タウン The Town 監督:ベン・アフレック 脚本:ベン・アフレック/ピーター・クレイグ/アーロン・ストッカード 原作:チャック・ホーガン『強盗こそ、われらが宿命』 製作国:アメリカ合衆国 2010年 124年 |
タグはプロのアイスホッケーの選手として嘱望されたものの、今は銀行強盗のチームリダーとして、完璧な仕事をしている。しかし、ある銀行襲撃で女支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質にとったことで、完璧と思われた仕事にほころびが出てくる。
2度の逮捕歴がある親友ジェム(ジェレミー・レナー)は、今度逮捕されればスリー・ストライク法で、否応なく終身刑となる。ジェムは口封じのためにクレアを殺すことも辞さないと言い出す。タグはクレアを自分に任せるようにと、ジェムを制して、彼女に近づいていく。
タグはクレアと親密になることで心が揺らぎ始め、強盗稼業から足を洗い、生き方を変えたいと思うようになる。しかし、タウンの元締めのファーギー(ピート・ポスルスウェイト)や相棒ジェムたちがが、そのようなことを許すはずがない。
FBIは、クレアの証言から銀行襲撃の実行犯をタグたちに絞っていく。
そんなおり、ファーギーの命令で、準備不足のまま次の強盗を決行することとなった。
案の定、FBIに事前に察知され、銃撃戦となりジェムは射殺されてしまう。
しかし、タグは銃撃戦をかいくぐり、ファギーを殺し街を出るのだった。
本作は、ピート・ポスルスウェイトの遺作となった。
ちなみに、スリー・ストライク法(三振法)とは、1990年代にアメリカ合州国において成立した州法の総称である。
アメリカでは、刑務所の定員が超過の状態にあるため、凶悪犯罪者が短い刑期で仮出獄して再犯を繰り返すことが多い。
さらに、アメリカは犯罪多発国であるにも関わらず検挙率が低く、凶悪犯罪者の多くは常習犯で、捕まる以前にも他に重罪を犯していることが多い。
本法律により、累犯者を微罪でも終身刑にすることで重罪を未然に防ぐことができるとされた。
本法に対しては賛否両論があり、現在はそれぞれの州で内容に修正が加えられている。→人気ブログランキング
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