ノッティングヒルの恋人
きらびやかで贅沢な生活を送っているハリウッドの売れっ子女優が、ロンドンのロケ先で恋に落ちる。相手の男の家族や友人と過ごすことで、女優は普通の市民のありふれた生活を経験する。もともと自分の住んでいる世界に違和感を感じていた女優にとって、心が安らぐ時間だった。そして再び、ロンドンを訪れた女優に、男は果敢にプロポーズして、ふたりはめでたく結ばれるという逆玉の輿物語である。
ストーリーに強引さはなく、自然な成り行きと感じさせるところが、この作品の優れたところだ。
![]() Hill 監督:ロジャー・ミッシェル 脚本:リチャード・カーティス音楽:トレヴァー・ジョーンズ 製作国:イギリス アメリカ 1999年 123分 |
バツイチのウィリアム(ヒュー・グラント)は、ロンドン西部のノッティング・ヒルで旅行書の書店を営んでいる。その店に、ハリウッドのスター女優、アナ(ジュリア・ロバーツ)が訪れる。本を買ってアナは店を出るが、そのすぐ後に飲み物を買いに出たウィリアムと街角で衝突して、アナの服がオレンジジュースで汚れてしまう。
慌てたウィリアムは服の汚れをどうにかしようと、アナを家に招き入れる。服を洗って乾かして何とか彼女を送り出して、少しすると、彼女が戻って来てウィリアムにキスをして立ち去る。
このあと、ウィリアムは妹の誕生日パーティにアナを誘い、彼女は誘いに応じて、彼の家族や友人たちと楽しいひと時を過ごす。
ある夜、デートの後にふたりがアナの部屋に戻ってくると、そこには有名俳優が彼女の帰りを待っていた。恋人の存在にショックを受けたウィリアムは、アナから去っていく。
そして半年後、アナがマスコミを逃れて家に置いて欲しいと突然やって来る。だが同居人スパイク(リス・エヴァンス)が口を滑らせたことで、ウィリアムの家にマスコミが押しかけてしまう。そのことに腹を立てたアナはウィリアムに二度と会わないと言い残し、マスコミをかき分けて立ち去って行った。
一年後に、アナが再びロンドンを訪れる。
友人たちは、ウィリアムをアナの記者会見のホテルに強引に連れていく。記者になりすましたウィリアムは、突如アナにプロポーズし、会見は結婚会見に早代わりするのだった。
そっち側の派手な世界に飽き飽きしているなら、こっち側に来たらどうでしょう。こっち側には、贅沢ではないけれど結構面白いことがあって捨てたもんじゃないよ、とウィイアムが誘った。強引になんとかしようという素振りがなかった。
アナはその誘いの乗ってこちら側の気楽さに身を委ねることにした。
そうしたストーリーが清々しく感じられる作品である。→人気ブログランキング
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