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2013年2月 4日 (月)

ヴァイブレータ

心を病んだ女が、コンビニで出会ったトラック運転手に惹かれ、トラックに乗って道連れするうちに癒されていくロードムービー。
登場人物は、ほとんどこのふたりだけである。
Image_20201205091101ヴァイブレータ
Vibrator
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
原作:赤坂真理『ヴァイブレータ』(講談社文庫)
製作:高橋紀成
プロデューサー:森重晃 /青島武
音楽プロデューサー:石川光
日本  2003年  95分

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早川玲(寺島しのぶ)は、フリーのルポライター。
頭の中で聞こえてくる「自分の声」と「昔聞いた他人の声」に悩まされ、過食症のような「食べ吐き」を繰り返してきた。
雪の散らつく冬の夜に、彼女がコンビニでブツブツ言いながらワインを物色していて、店に入ってきた長靴を履いた金髪の男(大森南朋)に惹かれてしまう。
玲は男に触りたいと感じた。
そして、玲はその男のトラックに乗り込み、勧められた焼酎を飲み始める。やがて2人は、アイドリングのヴァイブレーションを感じながら肌を重ねる。朝になり、冷は一度はトラックを降りるが、いつものように無理やり吐いた後に戻ってきて、「道連れにして」と頼み、ふたりの旅が始まる。廃タイヤを積んだトラックは東京から新潟へ向けて走り出す。

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男は岡部希寿、28歳、結婚していて娘がひとりいて、ストーカー女に手を焼いていると話す。
中学をまともに卒業しておらず、15歳のときに工場で働き始め数年で辞め、その後はヤクザのようなことをやっていたという。そんな生活に嫌気がさし、自分で仕事を始めようとフリーのトラック運転手になったと話す。

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そうして、ふたりは3日間、寝食を共にする。
玲はもっぱら岡部の話の聞き役、彼女は岡部を本能的に優しいと感じ、癒されていくのだった。
いつものように、玲に声が聞こえてきて吐き気の発作に襲われそうになったときに、困っている彼女を介抱しようと岡本が慌ててくれることが嬉しいと感じた。

ふたりのやり取りだけが延々と続き、玲の心情が字幕で表現される。トラックの中という狭い空間で交わされる言葉は、どことなく相手を気遣ったものになり、観ている者は癒される。
映画初出演となる寺島しのぶが大胆な演技を披露している。大森南朋が放つバイタリティーあふれる存在感がいい。→人気ブログランキング

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