テルマ&ルイーズ
![]() Thelma and Louise 監督:リドリー・スコット 脚本:カーリー・クーリ 製作:リドリー・スコット/ミミ・ポーク 音楽:ハンス・ジマー アメリカ 1991年 129分 |
アーカンソー州のとある小さな町、独身のウェートレスのルイーズ(スーザン・サランドン)と専業主婦のテルマ(ジーナ・デイヴィス>)は、2日間の休暇を上司の別荘を借りて釣りをしながらのんびり過ごすつもりだったが、それがとんでもない事態になってしまう。
ふたりは、ルイーズのサンダーバードのオープンカーで意気揚々と出かけた。
別荘につく前に腹ごしらえしようと立ち寄ったバーで、テルマは羽目を外しすぎて悪酔いしてしまう。駐車場で風に当たって酔いを醒ましているテルマに、店の男が言いよって来て、強姦しようとした。
そこにルイーズが銃を持って現れ、いったんは事なきを得るが、男が口にした言葉にかっとなり引き金を引いて殺してしまう。
テルマはルイーズに自首を促すが、チークダンスを踊っていた相手に強姦されたと訴えても信じてもらえないと、ルイーズは取り合わない。
ルイーズが、逆上したのには理由があった。
詳しくは明らかにされないが、かつて彼女はテキサスで暮らしていたときに、テルマと同じような目にあったらしい。ふたりは、メキシコに高飛びすることにするが、ルイーズはテキサツ州に入ることを頑なに拒むのだった。
資金を調達するため、ルイーズは別れた恋人にオクラホマシティーの郵便局留めに送金して欲しいと電話をする。
途中で、大学生と名乗るDJ(>ブラッド・ピット)に、オクラホマシティーまで車に乗せて欲しいと頼まれるのだが、ルイーズは断る。しかし雨が降ってきて、結局乗せることになる。
オクラホマシティーの郵便局に着くと、そこにはルイーズの恋人が金を持って待っていた。
まだ、駆け出しだったブラッド・ピットの役柄は、女ったらしのケチな強盗である。
話が弾んでテルマはDJをすっかり信用してしまい、ふたりはモーテルで一夜を共にする。翌朝、朝食を摂りに部屋を空けたすきに、DJは金を持って行方をくらましてしまう。
金がなくなってどうすることもできないと落胆するルイーズに対し、テルマは楽天的に構えている。テルマは一人でスーパーマーケットに押し入り、DJから寝物語で聞いた方法で強盗を働いて金を手にするのだった。
それまでルイーズに頼りっきりでどちらかというと優柔不断なテルマだったが、この事件をきっかけに、俄然大胆になっていく。
アーカンソー州警察のハルはすでにテルマ宅に入り込んで、夫ダリルに協力を要請していた。テルマが働いた強盗の一部始終が防犯カメラに撮られていて、ふたりは殺人犯と強盗犯として、ハルとFBIに追われることになってしまう。
ハルは、たまたま降りかかった災難がこうした不幸な結果を招いたと温情のある見方をしている。一方、FBI捜査官は凶悪犯として逮捕しなければならないと思っている。
やがて、ふたりが乗ったサンダーバードは何台ものパトカーとのカーチェイスの末、行き止まりの崖の手前で完全に包囲される。
ふたりは「少し脱線したけれど、最高のバカンスだった」と満面の笑みを浮かべ、サンダーバードは谷底へダイビングするのだった。
女性の友情が観ている者の共感を呼び起こし、ここまできたら引き返すことはできない、アクセルを踏むしかないと思わせる、そんな痛快なクライムロードムービーである。
特典映像で、監督は崖の向こう側に長いスロープを作り、そのままメキシコに逃げ去ってしまうという結末も考えたと語っているが、その結末も悪くない。本作は、第64回アカデミー賞の脚本賞、監督賞、主演女優賞(サランドン、デイヴィスともに)、撮影賞、編集賞にノミネートされ、脚本賞を受賞した。→人気ブログランキング
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