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シェフ! ~三つ星レストランの舞台裏にようこそ~

パリの高級三ツ星レストラン「カルゴ・ラガルド」のシェフ、アレクサンドル(ジャン・レノ)は、20年間三つ星を守ってきた。しかし、春の新作メニューのアイデアが浮かばない。
オーナーからはメニューが時代遅れと批判され、有能な助手たちは引き抜かれて店を去っていく。そんな中、オーナーはひとつでも星を失うことになれば、アレクサンドルを解雇すると言い渡した。
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監督:ダニエル・コーエン
脚本:ダニエル・コーエン
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ
フランス  2012年   85分 

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一方、ジャッキー(ミカエル・ユーン)は、天才的な舌を持ち有名シェフの数あるレシピを暗記しているものの、レストランに勤めても直ぐに辞めてしまう。その原因は彼が料理に関して妥協しないため、周りとぶつかってしまうからだ。
彼は安定した収入を得るために、料理人を諦めペンキ塗りの仕事につく。なにしろ美人の婚約者ベアトリス(ラファエル・アゴゲ)は妊娠しているので、稼がなくてはならない。

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ところで、婚約者が妊娠していて臨月も近いというのに結婚していないというのが、いかにもフランスらしい自由な結婚感である。ベアトリスの親は、妊娠している娘が結婚しないからと気を揉むわけでもなく、いたって鷹揚なのだ。

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ある日、老人ホームの料理を見るに見兼ねたジャッキーは、厨房に現れあれこれ口を出した。たまたま、前オーナーを訪ねて老人ホームに来ていたアレクサンドルが、ジャッキーの作ったスープを口にして、その美味しさに驚き、見習いとして雇うことにする。

そして、アレクサンドルとジャッキーは新しいメニューの開発に取りかかる。審査員の好みが、分子料理であるとの情報を得たふたりは、変装して分子料理の店に入るのだった。

日本びいきのジャン・レノは日本人に変装するが、アレキサンダーが武士でジャッキーが芸者というベタないでたちで店に現れる。BGMは「竹田の子守唄」。いまだにパロディーで日本人がこんな風に描かれるのには、ぶっ飛んだ。

 分子料理とは、分子ガストロノミー(Molecular Gastronomy)を取り入れた料理のこと。分子ガストロノミーは、調理を物理的、化学的に解析した学問で、分子美食学と訳されることもある。
分子ガストロノミーによって、何世代にもわたる料理に関する迷信が払拭され、科学的に正しい知識がもたらされた。
そこから生まれてくる料理は、液体窒素を使って食感をカリカリに変化させたり、低い温度で調理することで組織を壊さず調理したりするような、エル・ブリのフェラン・アドリアが提供した実験料理的なものと思われがちだが、実際は分子ガストロノミーの考え方を踏まえた料理であれば、分子料理である。
例えば、分子ガストロノミーを応用した料理とは、卵の黄身と白身の固まる時間の差を利用して、新しい卵料理を作るなどのことである。
見た目や味が以前と変わらないこともあるわけだ。

そうしてむかえた、秘密審査員がレストランに現れる日。
人生には愛が大切であると気づいたアレクサンドルは、厨房をジャッキーに任せ、最愛の娘の論文審査に付き添って出掛けてしまう。

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一方、厨房のジャッキーは、オーナーの嫌がらせで食材が店に届かないという事態になり頭を抱える。しかし、彼らは材料を街角のスーパーで揃えて料理に取り掛かるのだった。
ジャッキーはが作り出した料理は、伝統的な料理に彼なりの新しいアイデアを加えたもの。これが秘密審査員の絶賛を浴びてしまう。

本作は、美味しそうな一流の料理の数々、その調理の様子などが見ることができて、食べ物や料理好きにはたまらない魅力がある。本作には、奇を衒い過ぎる分子料理に対する痛烈な批判が込められている。→人気ブログランキング

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