リンカーン弁護士
マイクル・コナリーの同名小説の映画化。
膨大な数の裁判を処理しなければならない犯罪多発国家アメリカの裁判の進め方が、よくわかる。その仕組みは、金がある者が犯罪を犯しても何とかなりそうな、決して正義が全てではない危うさが見える。
リンカーン弁護士 The Lincoln Lawyer 監督:ブラッド・ファーマン 脚本:ジョン・ロマーノ 原作:マイクル・コナリー 音楽:クリフ・マルティネス アメリカ 2011年 119分 |
高級車リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所代りに使う辣腕弁護士のミック・ハーラー(マシュー・マコノフィー)は、リンカーン弁護士と呼ばれている。
多数の案件を抱え、司法取引を多用して片付けていくのがミックのやり方。麻薬売人、ジャンキー、娼婦、暴走族などの社会からあぶれた者の刑を軽くすることに対し、犯罪者を野放しにすると批判されるが、ミックにとっては貴重な情報源でもある。
彼はバツイチで、元妻の検事マギー(マリサ・トメイ)とは良好な関係にあり、娘の面倒もよくみる。
ミックは、女性が殴られ刃物で刺された事件を弁護することなった。容疑者は裕福な不動産屋の息子ルイス。彼は賠償金目当てに仕組まれたと主張する。
しかし、捜査資料では女は自宅を訪れたルイスに暴行されたものの、瓶で彼を殴り命からがら逃げたと証言していた。
バーの監視カメラの映像から、ルイスを誘惑する女の姿が確認され、彼女が売春婦であることが判明する。
この映像を証拠に、ミックは担当検事に起訴を取り下げるようもちかけるが、現場に血まみれのルイスのナイフが残されていて、司法取引を拒否される。
ミックはルイスの弁護を進めるうちに、数年前に手がけた女性レイプ殺人事件と今回の事件が酷似していることに気づく。容疑者のマルティネス(マイケル・ペーニャ)の弁護を担当したミックは、無罪を主張するマルティネスに死刑をまぬがれる代わり終身刑を受け入れるよう説得して、終身刑となった。
マルティネスに面会したミックは、ルイスが4年前の殺人事件の真犯人で、今回も女を殺そうたしたに違いないと確信する。
ミックは、殺人犯のルイスの身代わりにマルティネスを終身刑にしてしまい、今再びルイスの無罪のために戦っていることに愕然とする。
ルイスは4年前の殺人を認めるが、ミックに脅しをかけるようになる。しかし、弁護士は自ら弁護する者を不利な立場に追い込めない。ミックは自分が用意周到な罠にはめられていることに気づくのだった。
やがて、親友の私立探偵フランク(ウィリアム・H・メイシー)が、ミックの銃で殺害される事件が起こり、彼は重要参考人として事情徴収を受ける。
ミックはこの苦境をどう乗り切るのか。抜群に面白いストーリー。
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