文人悪食 嵐山光三郎
明治から昭和にかけて活躍した、夏目漱石から三島由紀夫にいたる37名の文人の主に食べものに関するエピソードを綴ったもの。
文壇通史として読むことができる。
文人悪食 嵐山 光三郎 新潮文庫 2000年 |
文人たちの友好関係が、ねたみと欲と嫌悪のなかにあることがわかる。
中原中也の嫌われ振りは並でない。極めつきの鼻持ちならない奴だったらしい。映画『人間失格』にも、中原中也の嫌われ者ぶりが描かれていた。
太宰治、坂口安吾、檀一夫の3人を比べると、もっと無頼なのは、檀だという。しかし結果として、太宰と安吾がはずしすぎたため、檀が介添え役に回ったというのが著者の見解である。
なるほど、そういう風にみるとなんとなく納得できる。
この文庫の末尾には、登場した文人たちの新潮文庫の作品がリストアップされている(2003/5/23)。→人気ブログランキング
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