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2013年3月 2日 (土)

ボーイズ・ドント・クライ

ヒラリー・スワンク演じる主人公は、ゲイだからといってコソコソ生きることはないと思っている。彼女は、男性ものの服を着て、胸を張って男と同じように振る舞い女を愛し、男の仕事について、トレーラーハウスを手に入れ、やがては手術の費用を手にして、男になるという夢を持っている。
主人公の仕草や言葉が、いかにも粋がっているようでぎこちないものの、生き生きしている。
見ている方は、主人公に感情移入してしまい、女であることがバレるのではないかとハラハラのしどうしである。


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ボーイズ・ドント・クライ
Boys Don't Cry
監督:キンバリー・ピアース
脚本:アンディ・ビーネン/キンバリー・ピアース
音楽:ネイサン・ラーソン
アメリカ  1999年  118分

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ネブラスカ州のリンカーンに住むブランドン(ヒラリー・スワンク)は、犯罪を犯して町に居づらくなりリンカーンを出ることにした。やってきたのはフォールズタウンという町、そこでブランドンは刑務所から出てきたばかりのジョン(ピーター・サースガード)とトムに出会う。
ジョンは愛人の家で、仕事もせずに昼間っからビールを飲んでグダグダしている。仕事につこうとせず、金儲けならば法を犯すことも厭わないゴロツキである。

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ブランドンはジョンの愛人の娘ラナ(クロエ・セヴィニー)と恋に落ちてしまう。親密な関係になっても、ラナはブランドンが女性とはよもや思わず、ラナの母親もジョン達も、ブランドンは少し華奢な男くらいに思っていた。
それが、ひょんかことからブランドンの過去の犯罪が新聞に載ってしまい、ブランドンの素姓が知られてしまう。

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ラナとブランドンの親密な関係が面白くないジョンは、新聞の記事の真相を確かめようと、トムとともにブランドンを襲い、無理やり女であることを暴いてしまう。

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あくまでブランドンを信じるラナは、彼女とともにと町を出ることにする。しかし、ジョン達のブランドンへの暴行が警察の知るところとなり、ふたりは出頭を命じられる。
この事件で有罪となれば、おそらくスリーストライク法が適応され終身刑となるふたりは、ブランドンの口を封じようと行動を起こすのだった。
ジョンは、ブランドンがラナを同性愛に引きずりこんで自分の縄張りを荒らされたと思い、それが許せなかったのだろう。

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本作は実話に基づいている。
犯罪国家アメリカの、貧困から抜け出せないホワイト・トラッシュのどうにもならない生活が描かれている。
クロエ・セヴィニーが、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、性同一性障害の女性を見事に演じたヒラリー・スワンクが、主演女優賞を受賞した。
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