ワン・デイ 23年のラブストーリー
デイヴィッド・ニコルズの同名の小説(ハヤカワ文庫)の映画化である。
男と女の友情をお互い信じているふりをして、頑なに距離をとり続ける男女の物語である。
ふたりが大学を卒業してから、つかつかず離れずにいた23年間の紆余曲折の人生が描かれる。
原題の『ワン・デイ』とは7月15日のこと。ふたりが大学を卒業した1988年以降の7月15日を繰り返し描いて物語は進んでいく。
ワン・デイ 23年のラブストーリー 監督:ロネ・シェルフィグ 原作・脚本:デイヴィッド・ニコルズ アメリカ 2011年 107分 |
エマとデクスター(ジム・スタージェス)はエディンバラ大学の卒業式の日に知り合い、即座に親密な仲となる。エマの家で一夜を過ごしたが、そのあと「友達でいよう」と誓いあうのだった。
デクスターはテレビ業界にすすみ、おふざけテレビ番組の人気司会者になるが、アルコールと薬におぼれる。
もちろん、両親はそんなデクスターの生き方を快く思っていない。母親(パトリシア・クラークソン)は、正直に生きなさいというし、父親(ケン・ストット)は碌でもない生き方だという。
一方、作家をめざすエマはロンドン郊外のメキシコ料理屋で働く。
そんな中、卒業して4年後の1992年7月15日に、デクスターはエマをふたりきりのバカンスに誘った。
エマはデクスターに対して「ずっと前からあなたに夢中だったの」と告白するにもかかわらず、彼女は「守るべきルール」を提示して、一線を超えないようにするのだった。かつて「友達でいよう」と誓ったことを、エマは頑なに守ろうとしている。どうなっているのだというもどかしさを残してふたりは別れる。
そのあと、デクスターはモデルのシルヴィ(ロモーラ・ガライ)と、いずれ結婚するだろうという関係になる。
エマは、メキシコ料理店で一緒に働くコメディアン志望のイアン(レイフ・スポール)と同棲生活を送る。
こうしてエマとデクスターのつかず離れずの関係が、7月15日の節目ごとに描かれる。
そして23年目が訪れ、しがらみのなくなった45歳のふたりが一緒になろうと誓い合ったときに、残酷な運命が待っていた。→人気ブログランキング
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