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2013年4月

2013年4月30日 (火)

マグノリア

マグノリアとは木蓮のこと。春に咲く肉厚の大型の花で開花の期間は短く落花が一斉に起こるので地面が花びらで覆われ、落ちた花びらは時間をおかずに変色する。このマグノリアの落下の様子が、衝撃的な終盤の場面を暗示している。ちなみに木蓮の花言葉は「高潔な心、崇高、慈悲」である。
Photo_20210130081901マグノリア
Magnolia
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
音楽:ジョン・ブライオン
アメリカ  1999年  188分<

舞台は、カリフォルニア、ロサジェルス郊外のサンフェルナンド・ヴァレー。人気長寿クイズ番組を介してつながりを持つ男女の人生模様が描かれる。

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死の床に横たわるそのクイズ番組のプロデューサー(ジェイソン・ロバーズ)がいる。彼と確執がある息子(トム・クルーズ)は性の伝道者、プロデューサーの若い後妻(ジュリアン・ムーア)は夫の末期に取り乱す。プロデューサーに付き添う優しい看護人(フィリップ・シーモア・ホフマン)、やはりガンを宣告されたクイズ番組の司会者(フィリップ・ベイカー・ホール)は、娘との関係を修復しようとする。彼に恨みを持つ娘(メローラ・ウォルターズ)は麻薬中毒、その娘に心を寄せる警官(ジョン・C・ライリー)は銃をなくしてしまう。本番中に小便が我慢できなくなった天才クイズ少年は、親の指図に大声をあげキレる。歯列矯正の金を捻出しようと盗みを働く元天才クイズ少年のゲイ男(<ウィリアム・H・メイシー)など、サンフェルナンド・ヴァレーに住むさまざまな人間たちが、苦悩する24時間が力強く描かれる。

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思い悩む登場人物たちを、不可解な事象に戸惑いを感じさせながら、強引にすべてを包括してしまう結末が秀逸である。

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人間は誰もが過ちを犯す。それをどうにかしようと取り繕ったり開き直ったり逆上したりして、ぎりぎりにところで生きている。そんな人々の濃厚な1日がスケッチされている。
『ブギーナイツ』(97年)のポール・トーマス・アンダーソン監督による人間ドラマの傑作→人気ブログランキング

2013年4月29日 (月)

最後の晩餐  平和主義者の連続殺人

1990年代はじめ、レーガンやブッシュの右寄りな共和党の政権が続いていた頃のアイオワ州。主人公は共同生活を送る大学院生5人である。
おりしも、街では少女誘拐事件が起こり、女性保安官(ノーラ・ダン)が犯人探しに奔走している。テレビでは、ロン・パーマン演じるタカ派のノーマンが、保守的な発言を早口でまくし立てている。
Photo_20210215083401最後の晩餐 平和主義者の連続殺人
The Last Supper
監督:ステーシー・タイトル
脚本:ダン・ローゼン
音楽:マーク・マザースボウ
アメリカ  1996年  92分

 

土砂降りの夜に、彼らのひとりを送ってくれたトラック運転手に、5人は夕食を勧める。晩餐が始まると、湾岸戦争帰還兵の運転手は、ナチを擁護しリベラルを気取る5人を軽蔑しだす。議論がエスカレートした末にもみ合いになり、運転手はナイフで刺殺されてしまう。

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平和主義にかぶれリベラルを掲げる大学院生たちの考えは、保守的な考えは許せないというカルト的なもの。
晩餐に招待した客を次々に毒殺していく。
標的になったのは、ゲイを差別視する牧師、ユダヤ人や黒人に偏見をもつ人種差別論者、人工中絶反対のプロライフの立場をとる女性、死刑推進論者、強姦を容認する女性差別論者(ビル・パクストン)、仕舞いには『ライ麦畑で捕まえて』を否定する女性まで殺してしまう。高校でコンドームを配ることに反対する女子高生は殺しはしないが、脅す。
大学院生のひとりを演じるキャメロン・ディアスは、過激な考え方に異を唱えたりもするが、『ライ麦畑・・・』の女性を刺し殺したのは彼女だ。

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女性保安官が少女誘拐事件の容疑者の写真を持って聞き込みにくる。容疑者は彼らが刺殺し庭に埋めた運転手であった。5人は知らないと答えるが、彼らが手を下した殺人が、結果的に社会的正義であったと自分たちの犯罪を正当化するのだった。

そして彼らにとって最大の標的であるタカ派のノーマンを晩餐に招待することになった。「ナチを結党する以前のヒトラーにであったら殺すかどうか?」との問いに、ノーマンは「私なら、ヒトラーと話しあう」との予想外の答えを返す。
平和主義にかぶた大学院生たちは、この答えに動揺し別室で話し合う。

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普段高級ワインを飲み慣れているノーマンはワインの匂いを嗅ぎ、ワインに毒が入っていることを気づく。
そして、葉巻をくゆらせながらノーマンは、戻ってきた5人にワインを飲み干すように勧めるのだった。ノーマンの乾杯の掛け声に大学院生たちは飲み干す。
5人が思い上がった考え方を反省して、ワインを飲み干したと思わせるところが、奥が深い。

エンディングに流れる曲は、日本人女性3人のグループ「少年ナイフ」が歌っているカーペンターズの『トップ・オブ・ザ・ワールド』。彼女らの曲は、1990年代にアメリカで流行ったオールタナティブロックと呼ばれる、いわばまがい物のロックである。素人っぽく軽い感じのこの曲は、本作のエンディングにこれ以上ないというくらいにぴったりである。→人気ブログランキング

『少年ナイフ ゴールデン☆ベスト』(CD)Shonen Knife

2013年4月27日 (土)

スパニッシュ・アパートメント

大学生は気楽なもの。どうしたら楽しい生活が送れるかという遊び人の思惑で生活する者も多い。公務員志望の真面目そうな主人公は、そういう考えとは縁遠いようだったが、入ったアパートが、運が良かったのか悪かったのか、彼を目覚めさせる。
Photo_20210216082601スパニッシュ・アパートメント
Espagnole/The Spanish Apartment
監督:セドリック・クラピッシュ
脚本:セドリック・クラピッシュ
音楽:ロイク・デュリー (Kouz-1)
製作国:フランス/スペイン 2002年 122分<

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パリの大学生グザヴィエ(ロマン・デュリス)は、父親の友人の勧めでバルセロナの経済学大学院に留学することにした。留学は公務員になってから何かと有利だというのだ。

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バルセロナに着くと、母親が紹介したアパートには先客がいた。グザヴィエは飛行機で知りあった夫が神経科医の新婚夫婦の部屋にとりあえず住まわせてもらい、アパートを探すことにする。
見つかったのは、イタリア人、ドイツ人、スペイン人、デンマーク人、イギリス人が共同で暮らす国際色豊かなアパート。そこに大学院で知り合ったベルギー人の女子学生イザベル(セシル・ド・フランス)も住むことになって、気楽で賑やかな生活が始まる。
グザヴィエは、さっぱりした性格のイザベルに心を寄せるが、彼女はレスビアンだった。

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映画2作目の出演となるセシル・ド・フランスは、本作でフランスのアカデミー賞にあたるセザール賞で、新人女優賞を受賞した。彼女は、『シスタースマイル ドミニクの歌』でもレスビアンの主人公を演じている。

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そんなイザベルからグザヴィエは、女性の扱い方を伝授してもらう。教えられたやり方で、グザヴィエは神経科医の妻ソフィ(ジュディット・ゴドレーシュ)の心をつかみ一線を越えてしまう。

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パリに住む恋人のマルティーヌ(オドレイ・トトゥ)が、アパートにたづねてきて、グザヴィエの部屋でふたりきりになるものの、落ち着かないと文句を言う。マルティーヌの誕生日にパリに帰らなかったことで、グザヴィエは別れを告げられてしまうのだった。ふたりの向かうところが違ってきたのだ。

こうして、波乱万丈の1年の留学生活が終わりパリに帰ったグザヴィエは、安定した公務員の身分を捨て、作家になる夢をつかもうとするのだった。→人気ブログランキング

『ロシアン・ドールズ』(2005年  セドリック・クラピッシュ監督)は、本作の続編。ー

【セシル・ド・フランス出演作品】
少年と自転車』(12年)
ヒアアフター』(10年)
シスタースマイル ドミニクの歌』(09年)
ある秘密 ~愛に焦がれて~』(07年)
モンテーニュー通りのカフェ』(06年)
スパニッシュアパートメント』(02年)

2013年4月20日 (土)

ワン・デイ 23年のラブストーリー 

デイヴィッド・ニコルズの同名の小説(ハヤカワ文庫)の映画化である。
男と女の友情をお互い信じているふりをして、頑なに距離をとり続ける男女の物語である。
ふたりが大学を卒業してから、つかつかず離れずにいた23年間の紆余曲折の人生が描かれる。
原題の『ワン・デイ』とは7月15日のこと。ふたりが大学を卒業した1988年以降の7月15日を繰り返し描いて物語は進んでいく。
Photo_20210522082101ワン・デイ 23年のラブストーリー
監督:ロネ・シェルフィグ
原作・脚本:デイヴィッド・ニコルズ 
アメリカ  2011年 107分 

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エマとデクスター(ジム・スタージェス)はエディンバラ大学の卒業式の日に知り合い、即座に親密な仲となる。エマの家で一夜を過ごしたが、そのあと「友達でいよう」と誓いあうのだった。

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デクスターはテレビ業界にすすみ、おふざけテレビ番組の人気司会者になるが、アルコールと薬におぼれる。
もちろん、両親はそんなデクスターの生き方を快く思っていない。母親(パトリシア・クラークソン)は、正直に生きなさいというし、父親(ケン・ストット)は碌でもない生き方だという。
一方、作家をめざすエマはロンドン郊外のメキシコ料理屋で働く。

そんな中、卒業して4年後の1992年7月15日に、デクスターはエマをふたりきりのバカンスに誘った。
エマはデクスターに対して「ずっと前からあなたに夢中だったの」と告白するにもかかわらず、彼女は「守るべきルール」を提示して、一線を超えないようにするのだった。かつて「友達でいよう」と誓ったことを、エマは頑なに守ろうとしている。どうなっているのだというもどかしさを残してふたりは別れる。

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そのあと、デクスターはモデルのシルヴィ(ロモーラ・ガライ)と、いずれ結婚するだろうという関係になる。
エマは、メキシコ料理店で一緒に働くコメディアン志望のイアン(レイフ・スポール)と同棲生活を送る。
こうしてエマとデクスターのつかず離れずの関係が、7月15日の節目ごとに描かれる。

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そして23年目が訪れ、しがらみのなくなった45歳のふたりが一緒になろうと誓い合ったときに、残酷な運命が待っていた。→人気ブログランキング 

2013年4月18日 (木)

ある秘密

フィリップ・グランベールの同名小説の映画化。
本作は、パリに暮らすユダヤ人一家の運命を、第二次世界大戦中、戦後の落ち着きを取り戻した頃、そして1985年の現在の三つの時代で描いた物語である。
Photo_20210414134901ある秘密 ~愛に焦がれて~
Un secret
監督:クロード・ミレール
原作:フィリップ・グランベール『ある秘密』(新潮クレストブック)
脚本:クロード・ミレール/ナタリー・カルテル
音楽:ズビグニエフ・プレイスネル
フランス   2007年 110分

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父親のマキシムが家からいなくなったと、フランソワ(マチュー・アマルリック)に連絡が入る。フランソワは父親を探しに向かう途中で、自らの幼い頃を回想する。

マキシムの回想シーンはモノクロになっている。
第二次世界大戦が終結しヨーロッパの政情が落ち着きを見せ始めた頃のパリ。ひとりっ子で病弱なフランソワは、体を鍛えることが趣味の父親マキシム(パトリック・ブリュエル)と水泳が得意でモデルだった母親タニア(セシル・ド・フランス)とパリで暮らしていた。

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両親は再婚同士。そうした両親の血筋を引いているにもかかわらず、虚弱なフランソワは、父親からは疎ましく思われていることを敏感に感じとっている。それゆえ、フランソワ自身にしか見えないスポーツ万能の兄の幻影を作り出していた。

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フランソワが心を許せるのは、家の向かいでマッサージ店を営む優しいルイズ(ジュリー・ドパルデュー)だった。
ある日、彼は屋根裏部屋でぬいぐるみを発見する。そのぬいぐるみに両親が動揺する姿を見て、彼はルイズから両親の過去を聞き出すのだった。

両親の過去とは戦時下のパリで起ったことである。
第二次世界大戦中、タニアと結婚する前に、マキシムはユダヤ人のアンナ(リュディヴィーヌ・サニエ)と結婚していた。マキシムもユダヤ人であるが、むしろフランス人として生きていこうとしていた。そんなマキシムに対しアンナの両親は批判的であった。
アンナとマキシムの間に生まれたシモンは、スポーツ万能で誰もが一目おく両親自慢の息子であった。

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マキシムは、こともあろうか、二人の結婚式で出会ったアンナの弟の妻タニアの健康美に惹かれた。このマキシムの邪念が、悲劇を引き起こしたそもそもの元凶である。
ナチスのユダヤ人弾圧が日に日に激しくなっていくなか、タニアの夫は戦地に赴く。一方、夫に疑惑を持ち始めたアンナは、情緒不安定になっていく。

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いよいよ、パリでユダヤ人として暮らすことが困難になり、マキシムたちはナチスの目の届かない田舎に脱出することになった。ところがマキシムたちに遅れてパリを経ったアンナとシモンの身に、取り返しがつかないことが起こってしまう。
アンナは夫とタニアが睦まじくすることに耐えられなかった。そんな生き地獄で暮らすよりは、いっそナチスに捕まった方がまだましと考えたかもしれない。また夫が溺愛するシモンを巻き込んでしまうことは夫への復讐であったかもしれない。

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ぬいぐるみはタニアが誕生日プレゼントとしてシモンに贈ったものだった。
一家を襲った悲劇は、マキシムの抑えきれない欲望が引き金になった。→人気ブログランキング

【セシル・ド・フランス出演作品】
少年と自転車』(12年)
ヒアアフター』(10年)
シスタースマイル ドミニクの歌』(09年)
ある秘密 ~愛に焦がれて~』(07年)
モンテーニュー通りのカフェ』(06年)
スパニッシュアパートメント』(02年)

2013年4月17日 (水)

白夜に惑う夏 アン・クリーヴス

『大鴉の啼く冬』につづく、アン・クリーブスのシェトランド四重奏の第2章。
本シリーズではシェトランドの極端な気候がたびたび触れられるが、本作でも白夜が登場人物たちに及ぼす影響が何回か語られる。
Image_20201206093601白夜に惑う夏
アン・クリーヴス
玉木 享訳
創元推理文庫
2013年

シェトランド警察署のペレス警部は恋人のフランとともに、ビディスタという町の絵画展に出でかけた。その絵画展はフランともうひとりの画家シンクレアとの共同絵画展であった。その絵画展で、絵の前で奇妙な行動をとった男が、翌朝道化師の仮面をつけたまま首吊り死体となって発見された。
ペレスは、前作『大鴉の啼く冬』と同様に、本土のテイラー主任警部と組んで捜査を開始する。被害者が島の住人でなかったことから、事件は他人事のように冷静に受け止められていた。

しかし、第2の殺人事件が起こり、島の人間関係に微妙な変化が表れてくる。
テイラーは「人を殺しておいて、翌日、しれっと嘘をつける人物といったら、誰が思い浮かびますか?」と、ペレスに投げかける。テイラーにすれば、お互いに知っているはずの狭い島で、誰が犯人かはすぐに見当がつきそうなものだというのだ。
しかし、ペレスは旧知の間柄だからこそ秘密を作りたがるということがあるのを知っている。

都会からやってきた気障な作家にフランが惹かれているのではないかと、ペレスは心が穏やかではない。ペレスとフランの恋の進展もストーリーに絡んでいる。

第一の殺人が起きたあと、著者は次のように書いている。
おそらくノイローゼ気味の観光客だろう。でなければ、酔っぱらっていたとか、ドラッグをやっていたか。一年のこの時季になると、シェトランドはそういう連中が引き寄せられてくるようだった。彼らは楽園や平穏を求めて、ここを訪れる。そして、白夜のせいで精神がますます不安定になることを知るのだ。
ある意味で本作の主役は白夜であるといえる。(2011年9月)→人気ブログランキング

【シェトランドに関するミステリ】
アン・クリーブス著〈シェトランド四重奏〉
大鴉の啼く冬』(07年7月)、『野兎を悼む春』(11年7月)、『白夜に惑う夏』(09年7月)、『青雷の光る秋』(13年3月)
シャロン・J・ボルトン著
三つの秘文字』 

2013年4月16日 (火)

ムースの隠遁

妙な余韻が残る映画だ。妊婦が主人公だからだろうか。
Image_20210113111801ムースの隠遁
LE REFUGE
監督:フランソワ・オゾン
脚本:フランソワ・オゾン/マチュー・イッポー
音楽:ルイ=ロナン・ショワジー
フランス  2009年  88分 

ムース(イザベル・カレ)とルイはともに裕福。
ふたりは品質の悪いヘロインの過剰摂取で意識不明となり、ルイは命を落としムースはかろうじて助かる。ムースは妊娠2カ月であった。

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彼女はルイの母親からそれとなく堕胎を勧められるが、パリを離れて海辺の町で静かに暮らすことにした。

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ルイの弟ポールがスペインに行く途中に彼女の暮らす家に逗留する。
はじめは、ムースは迷惑そうにしているものの、優しいポールを受け入れるようになり、浜辺でふたりで肌を焼いて過ごしたりする。さらに、彼女はポールが複雑な過去を抱えていることを知る。

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ムースはタバコを吸ったり、ビールやワインを飲んだり、ディスコで踊ったりと胎児に悪影響を及ぼしそうなことを平気やるが、もとはドラッグ中毒だったから、気をつけてもしょうがないと思っているのかもしれない。さらに、妊婦フェチの男の誘いにのったりと危なっかしい。
やがて、ポールは子供が生まれたら必ず会いに行くとムースに約束してスペインに発っていく。

ムースはパリの産院で女の児を無事に出産した。
約束どおり見舞いに現れたポールに娘を預け、ムースはコートをはおり、ポールならあの娘の面倒をちゃんと見てくれるはず、今私にはやるべきことがある、必ず迎えにくるからとつぶやきながら、パリの街に消えていく。

ムースにとって不幸なことは、冒頭のルイが亡くなったことだけ。
妊娠中はいろいろあったが、取り立てて不幸なことは起こらなかった。愛する人の子供を無事に産んだことだし、ポールなら娘の面倒をちゃんとみてくれそうだ。彼女は、このあたりで過去のしがらみを断ち切ってもいいだろうと思った。
ムースのこの身勝手で乱暴な選択肢もありだと思わせる、それが本作の魅力だと思う。→人気ブログランキング

2013年4月15日 (月)

時の重なる女

現実と幻想が交差する中で、主人公のソニアの周りに謎が次々投げかけられて、ストーリーは展開していく。
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LA DOPPIA ORA
監督:ジュゼッペ・カポトンディ
脚本:ジュゼッペ・カポトンディ
音楽:パスクァーレ・カタラーノ
イタリア  2009年 92分

スロバキアからの移民のソニアは人目を引く美人。彼女はホテルの掃除婦として働き始めて間もない。彼女は、集団見合いパーティで、郊外の大邸宅の警備員として働く元刑事のグイドと出会う。
この見合いパーティが滑稽だ。狭いテーブルに女がいて、合図のベルで、その目の前の席の男がめまぐるしく入れ替わるシステム。ベルがなると、もう終わりかと男が不満げに席を立つ。

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出会ったその日に、ソニアとグイドは意気投合し深い関係になり、その後、愛し合うようになる。この恋の行方がどうなるかが、本作のテーマである。

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そんなある日、グイドはソニアを自らが警備員として働く大邸宅に連れていく。そこで突然強盗団に襲われ、邸宅内の絵画や貴金属や陶器など金目物が根こそぎ持ち出され、グイドは銃で撃たれソニアも重症を負う。

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あまりにも用意周到な強盗団の手口に、警察はソニアに疑いの目を向ける。
ソニアは、ケガの影響で記憶障害をきたし幻覚を見るようになっていた。警察に尾行されるソニアは、ますます精神的に不安定になり、この幻覚と現実が、ごちゃごちゃになったところがタイトルが表しているところである。

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ソニアは、母親を早くに亡くしていて、父との折り合いがうまくいかず、家を出て転々と居所を変える生活を送ってきた。警察はソニアの過去を調べることで、ますます疑惑を抱くようになる。

このあたりでソニアの病状が落ち着き、彼女はいくつかの出来事が幻想であったと気づき、ストーリーは完結の方向に向かう。→人気ブログランキング

2013年4月14日 (日)

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 村上春樹

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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Colorless Tatsuru Tazaki and His Years of Pilgrimage
村上春樹
文藝春秋
2013年4月
売り上げランキング: 1

ゲーム機やスマートホンやタブレット型コンピュータの新機種が発売されるたびに繰り返される騒動のように、本書の発売にさいし長蛇の行列ができたことをマスコミが取り上げた。根っからのミーハーだから遅れをとってはいけないと、その日に本書を購入した。翌日、蔦屋を覗くと売り切れ御免となっていた。発売3日で60万部が売れてしまう出版界の常識を覆す次元の違う現象が起こっている。これからどれだけ売れることやら。
すでにマスコミで指摘されているように、本書は分かりやすく読みやすい。

ネタバレしない程度のあらすじを書くと、主人公の多崎つくるは34歳、鉄道会社の社駅を設計管理する部署に勤務している。彼は自分自身が向かうべき場所も帰るべき場所もみいだせないでいる。。
つくるとつき合いはじめた木元沙羅は彼より2歳年上、大手の旅行会社に勤務している。
彼女はつくるが心に抱えている問題は、彼がその気になって行動を起こせば解決できると助言する。

つくるが名古屋の公立高校の2年生のときに、ボランティア活動を通して5人は友人になった。男3人女2人のグループの誰もが、永遠に友情が続くと思っていた。つくる以外の4人は、苗字に色を表す漢字が入っていた。いつも自分のペースを守る彼は、グループに必要とされているのかどうか確信が持てずにいた。
高校を卒業すると、5人の中で彼だけが東京の大学に進んだ。彼は鉄道の駅が好きで、駅舎建築の第一人者の教授がその大学にいたからだ。ほかの4人は、地元名古屋の大学に進んだ。
大学に入ってからも、つくるが名古屋に帰省するたびに5人は集まって仲良く過ごした。

そして大学2年生の夏休みに、そのことは起こった。
名古屋の実家に帰ったつくるが4人に連絡をとると、もうお前とは付き合わない4人とも同じ意見だと、つくるには心当たりがまったくないまま、突然4人に拒絶されたのだ。
東京に帰ったつくるは、毎日自殺を考えるようになった。そして、6か月経ってやっと自殺願望から脱却したつくるは、人相が変わるくらいに痩せ、ストイックに生きることを決意した。
その後、彼は沙羅に出会うまで、拒絶された理由を突き止めることも、4人に会うこともしなかった。

沙羅に背中を押され、つくるは拒絶された理由を突き止め、自らの居場所を見つけ出そうと決意する。
アポなしで。前持って連絡して居留守を使われたんじゃたまらない。
4人に会いに行き彼らの歩んできた人生を知ることが、タイトルの『彼の巡礼の年』である。

途中に挟み込まれる大学時代の友人の父親についてのエピソードは、画家が温泉宿で過ごす日々を描いた夏目漱石の『草枕』を思い起こさせる。無理やり挟み込まれた感がする。年下の友人と絡むくだりはなくてもいいように思える。
苗字に色の漢字が入っているかどうかで、色のないつくると4人を隔て、カラフルな4人の生き様がつくるを再生させるタイトル通りのストーリーは、あざとさを感じさせるくらいに巧みだ。色彩をもたない自らは存在が希薄というのは多崎の思い込みで、周りは彼のハブのような存在感に頼ってきたのだ。

2013年4月12日 (金)

ゆれる

オダギリ・ジョー演じるカメラマンの猛(たける)が、母親の法事で山梨の実家に帰省するところから映画は始まる。
Photo_20210313081501ゆれる [監督:西川美和
脚本:西川美和
原案:西川美和
音楽:カリフラワーズ
日本  2006年 119分 

 

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真面目で温厚な兄の稔(香川照之)は、実家のガソリンスタンドを継いでいる。
猛がそのスタンドに立ち寄ると、かつての恋人智恵子(真木よう子)が働いていた。智恵子には東京行きを諦めて山梨に残った過去がある。

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法事のあと、猛は智恵子をアパートまで送っていって、兄が智恵子に密かに思いを寄せていることを知っていながら、関係を持ってしまう。夜遅く猛が戻ってくると、稔は電灯の下で洗濯物をたたんでいた。兄の背中を見て、猛は智恵子との関係に気づいていないと考えるが、多分兄はすべてをお見通しなのだ。

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翌日、兄の提案で3人はドライブに出かけ、智恵子が吊り橋から転落死する事件が起こってしまう。対岸に渡った猛のもとに行こうと、吊り橋を渡る智恵子を稔が追いかけるようについて行き、稔ともみ合い転落した。猛はその一部始終を見ていた。
警察に逮捕された稔は、吊り橋の上で転んだ智恵子を助けようとしたと供述した。猛は見ていないと兄をかばう。

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兄が殺人犯として起訴されたことにより、ふたりは本音をぶつけ合うようになる。
実家を継いで毎日あくせくと働かなければならない兄は、都会に出て自由気ままに生きている弟が許せなく思えてきて、貧乏くじを引いたと鬱積した気持ちを弟にぶちまける。兄弟の心情がどんどんエスカレートしていくところの体当たりのオダギリ・ジョーと香川照之の体当たりの演技が見事だ。兄をかばうつもりだった弟は、信頼していた兄の心の内を知らされて愕然とする。
兄弟の間に決定的な亀裂が入ってしまい、稔には実刑判決が下る。

西川美和監督は、自らのアイデアをもとに見事な脚本を書き上げた。映画の最後には、ちゃんと救われるシーンが用意されている。監督の才能がほとばしる骨太な傑作だ。→人気ブログランキング

【西川美和監督の作品】
夢売るふたり』(12年)
ゆれる』(06年)

2013年4月11日 (木)

アメリカ、家族のいる風景

初老のカウボーイ俳優が、ふと自分の人生はなんだったのか思う。そして、言いようのない寂しさと不安に苛まれ、何年も連絡をとっていない母親のもとを訪れる。自らに子供がいると母親から知らされた男は、家族を探しに出かけていく。家族愛に目覚めていく男が、アメリカの原風景の中に描かれている。アメリカの原風景とは、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市ではなく、赤茶けた地面に真っ青な空、そして埃っぽい、そんなのんびりした田舎町のことである。
Image_20201130155901アメリカ、家族のいる風景
Don't Come Knocking
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:サム・シェパード
音楽:T・ボーン・バーネット
アメリカ   ドイツ  フランス  2005年 124分 

かつてはカウボーイ俳優として鳴らしたハワード・スペンスは、アルコールだクスリだ女だケンカだと、勝手気ままに暮らしてきた。そんなハワードは、突然ロケ現場のユタ州モアブからカウボーイ姿のまま馬に乗って行方不明になった。
今までもハワードが姿を消したことがあったので、監督もスタッフもそのうち戻ってくるだろうと高をくくっていた。ところが今回は違った。彼が向かったところは、30年もの間連絡をとっていないネバダの母親のもとだった。

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母は突然の帰郷した息子を温かくむかえる。
彼女はハワードに、20数年前に若い女性からハワードの子供を身ごもったとの電話があったと衝撃の事実を伝える。子供の存在を知ったハワードは、いても立ってもいられなくなり、亡くなった父親のボロ車でモンタナ州ビュートへ向かった。

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彼は、かつてロケ中に関係を持ったウェイトレスのドリーン(ジェシカ・ラング)を訪ねる。ドリーンは、はじめは今更なんだと取り付く島はがなかったが、やがてバーで歌っているアール(ガブリエル・マン)が、ハワードの息子であることを告げる。
一方、アールは突然現れた父親に戸惑う。

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そんなアールを、骨壷を持った女性スカイ(サラ・ポーリー)が訪ねてくる。このスカイもハワードの娘だった。スカイは父親のハワードに会って感激するが、アールは冷静さを失い恋人のアンバー(フェアルーザ・バーク)と喧嘩をしてしまう。娘は父親を簡単に受け入れるが、息子はそうはいかない。娘と息子のの父親に対する思いの違いが、映し出されている。
ハワードはドリーンに結婚を申し込むが、何を今さら調子のいいことをと拒絶される。

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とりあえず家族に会えたから、これからは今までとは違うと、仕事場のモアブへと戻っていくハワードは、ロケ現場を逃走した時とは異なるハツラツとした表情になったように見える。→人気ブログランキング

2013年4月10日 (水)

ファイアーウォール ヘニング・マンケル

ヴァランダー警部シリーズ第8弾。
ヴァランダーの同僚は、コンピューターや携帯電話を難なく使いこなしている。彼といえば、書類を書くときにパソコンを使うが、メールは送ったことがない。ケータイは電源を入れていなかったり、その辺に置き忘れたりして、機能していない。彼は、同僚たちとの間に世代の壁を感じている。タイトルのコンピュータ用語『ファイアーウォール』は、ヴァランダーと世間とを隔てる障壁でもあるのだ。
Image_20201226183001 ファイアーウォール
ヘニング・マンケル
東京創元社文庫
2012年
Image_20201226183001ファイアーウォール
ヘニング・マンケル
東京創元社

イースタ署にタクシー運転手を襲ったふたりの少女が連行されてきた。19歳のソニャがハンマーで殴り、14歳のエヴァがナイフで刺し、運転手は死亡した。ふたりは単なる金欲しさの犯行だと自供するが、反省する様子がない。ヴァランダーには、少年ならまだしも、彼女たちがこうした犯罪を犯すことが理解できなかった。尋問の席で母親を罵倒し殴ったエヴァに腹をたてたヴァランダーは、思わず彼女に平手打ちを食らわせてしまう。まさにその瞬間を新聞記者に撮られ、写真をマスコミに流されてしまった。
少女を殴ったことで、ヴァランダーに対する仲間の信頼が揺らいでいる。ホルゲンソン署長はまずいことになったと、ヴァランダーを責めるようにいう。彼は心の中で、ホルゲンソン署長は部下をかばうべきだ、部下を窮地に立たせるべきでないと思う。彼は、ますます孤独感を感じるのだった。

ところで、最近、独り身が辛くなったヴァランダーは、別れた妻のエバをしきりに思い出す。心の安らぎがえられる話し相手が欲しいと思うようになった。孤独に苛まれる彼は、悩んだ末に交際相手紹介所に申込書を送ることにした。

だが、そんなヴァランダーの苦悩をよそに、事件は意外な展開を見せる。ソニャが警察から脱走したのだ。そして警察の必死の捜索もむなしく、彼女は変電所で死体となって発見された。

タクシーの事件が起こった頃、スーパーマーケットのATMで残高照会したあと、ITコンサルタント会社を経営する男が突然死する。病死だと思われたその男の死体がモルグから盗まれ、かわりにソニャとのつながりを疑わせる継電器が置かれていた。
男の周辺を調べ始めたヴァランダーは、男のコンピュータに侵入するために、周囲の反対を押し切って、軽犯罪を犯した天才的なハッカーの少年の手を借りることにする。これと似た話が映画の『ニュースの天才』(03年)に出てきた。

少女たちが引き起こした強盗殺人事件が、ファイアーウォールの向こうの巨大な陰謀につながっていく。こうしたコンピューターの闇の世界を、すでに1998年当時に描いたヘニング・マンケルには、先見の明があったといえるだろう。テクノロジーは進んでも、コンピューターやネットが抱える根本的な問題は、初期の頃から変わっていない。

→『ピラミッド
→『霜の降りる前に
→『北京からきた男
→『ファイアーウォール
→『リガの犬たち
→『背後の足音
ヘニング・マンケルを追悼する/2016年4月

2013年4月 9日 (火)

ファーゴ

冒頭に「この物語は実話である。1987年にミネソタで起きたある事件を、描いている。関係者の要望により人物の名前を変えてあるが、死者への敬意を込めて、事件の経緯は忠実に再現している」とテロップが流れる。コーエン兄弟はインタビューでも実話に基づいていると答えているとのことだが、実は彼らが作り上げたフィクションであった。

物語の舞台は、凍てつく冬のミネアポリス。
アメリカの入植者の開拓神話に登場する巨人、ポール・バニアンの巨像が映し出される。この映像がのちの事件を暗示している。

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Fargo
監督:ジョエル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
音楽:カーター・バーウェル
アメリカ 1996年 98分

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自動車ディーラーのジェリー(ウィリアム・H・メイシー)は多額の借金を抱えていた。ジェリーは妻ジーンを誘拐させ、金持ちの義父から多額の身代金をせしめることを思いつく。
ノースダコタ州ファーゴで、ジェリーはカール(スティーヴ・ブシェミ)とゲア(ピーター・ストーメア)のふたりのチンピラに話を持ちかけ、販売店から持ってきた車をふたりに与える。

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ジーンを誘拐したカールとゲアは、逃げる途中でパトロール中の警官と偶然通りかかったふたりの目撃者を殺害してしまう。

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翌日、雪原の中で3人の遺体が発見され、妊娠中の女性署長マージ(フランシス・マクドーマンド)が捜査に乗りだす。
マージの話し方は、語尾のイントネーションを上げ、「Ya」と「Uh-huh」を多用する、なんとも素朴に聞こえるもの。おまけに妊娠で下腹部がせり出しているから動作が緩慢で、これで犯人を逮捕できるだろうかと不安を抱かせる。
彼女の演技が、殺伐とした連続殺人事件の中に、時折り安らぎを感じさせてくれる。

ジェリーは、誘拐犯たちが身代金を彼自身が持ってくるように要求してきたと、義父のウェイドに告げるが、義父は甲斐性のないジェリーを鼻から信用していない。

身代金引き渡しの場所に現れたウェイドを見て、約束が違うと逆上したカールは彼を射殺して、大金の入ったカバンを奪って逃走する。
カールは100万ドルのうち8万ドルだけを手元に残し、残りを雪原に埋める。カールがアジトに戻ったときには、すでに人質のジーンはゲアに殺されていた。
ふたりは8万ドルを山分けするが、誘拐に使った車をどちらがもらうかで口論になり、その結果カールはゲアに斧で殺害されてしまう。

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マージが誘拐犯たちのアジトにたどり着くと、カールの死体を木材破砕機でミンチにしているゲアの姿があった。マージは雪原に向かって逃げようとするゲアの脚を撃ち、彼を逮捕する。

警察署へ向かう途中、マージは後部座席のゲアに向かって、「なんでこれぽっちのお金のために人を殺したの? 人生にはお金よりもっと大切なことがあるはずよ。なんて馬鹿なことをしたの・・・・・・こんないい日のになのに」と語りかけるが、ゲアは何も答えず窓越しに斧を担いだポール・バニアンの巨像を見上げた。

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コーエン兄弟の作品には、ひとつの事象をきっかけに、事件がドミノ倒しのように連鎖して取り返しがつかなくなるというパターンが特徴である。本作もはじめは、ちょっとした狂言誘拐のつもりだったものが、何人もが殺されてしまう惨事に発展していく。

本作は第69回アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、助演男優賞(ウィリアム・H・メイシー)、撮影賞にノミネートされ、脚本賞、主演女優賞を受賞した。
なお、フランシス・マクドーマンドは、ジョエル・コーエン監督の夫人である。→人気ブログランキング

2013年4月 8日 (月)

ステキな金縛り

話のつじつまが合わなくなるのではないかと思われるくらいの荒唐無稽なストーリーにもかかわらず、緻密な計算がされていて、ほころびはない。 それと、主役級の俳優がチョイ役で所々に顔を出すのが魅力。 笑って笑って最後にちょっぴり泣かせるコメディの王道を行く構成。 つじつまが合わないと思わせたことが謎を解く鍵という、三谷幸喜監督のしかけた罠にまんまとはまってしまう大傑作。
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Once in a Blue Moon
監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
音楽:荻野清子
日本  2011年  142分

妻殺しの容疑者矢部五郎(KAN)の担当弁護士は、これまで失敗ばかりしてあとがない宝生エミ(深津絵里)。矢部はアリバイがあると無実を主張。事件当夜、矢部が泊まった旅館を訪れたエミは、矢部に金縛りをかけた落ち武者の亡霊更科六兵衛(西田敏行)に出会う。エミは六兵衛になんとしても矢部のアリバイを証言してもらおうと、法廷に引っ張り出す。
六兵衛は、421年前に謀反の濡れ衣を着せられ無念の死を遂げた武将で、成仏できずにさまよっている亡霊。
自らに着せられた汚名を挽回したいというのが、六兵衛の切なる願いである。
エミが対抗するのは、超常現象を信じない凄腕の検事、小佐野(中井貴一)。

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しかし、この六兵衛の姿は、すべての人に見えるわけではない。
まずは、六兵衛が証人として認められるかどうかでひと騒動が起こる。
やがて、エミと六兵衛との間に信頼関係が生まれ、前代未聞の法廷が始まる。

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深津絵里演ずるのダメ弁護士が、弁護士生命をかけて当たって砕けろで西奔東走する姿が、健気で胸を熱くさせる。

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以下が出演者の一部。なんという豪華な顔ぶれだろう。
エミの上司の弁護士に阿部寛、殺された矢部鈴子に竹内結子(一人二役)、鈴子の愛人に山本耕史、旅館の女将に戸田恵子、タクシー運転手に生瀬勝久、ファミレスのウェイトレスに深田恭子、歴史学者に浅野忠信、死後の世界から来た男に小日向文世、陰陽師に市村正親、売れない役者に佐藤浩市、悲鳴をあげるコールガールに篠原涼子、医者に唐沢寿明、ナースに西原亜希。→人気ブログランキング

2013年4月 7日 (日)

青雷の光る秋 アン・クリーブス

本作『青雷の光る秋/Blue Lightning』 は、『大鴉の啼く冬/Raven Black』(07年)、『白夜に惑う夏/White Nights』(09年)、『野兎を悼む春/Red Bones』(11年)に続いて出版された、アン・クリーヴスのシェトランド4重奏の最終章である(カッコ内は邦訳が出版された年)。原作と邦訳のタイトルを比べてみると、邦訳のどれもがストーリーの内容を汲み取っていて味わいがある。
Image_20201210105901青雷の光る秋
アン・クリーヴス
玉木 享訳
創元推理文庫
2013年

10月中旬、ペレス警部は、婚約者のフランを供なって故郷のフェア島に帰省した。あまりの悪天候でフェア島に向かう飛行機は激しく揺れて、フランは死の恐怖を覚えるほどだった。両親はふたりに、島のフィールドセンターで婚約祝いのパーティを予定したと告げる。
灯台を改築したフィールドセンターは野鳥観察の拠点で、春から秋にかけて島に逗留するバードウォッチャーたちの宿泊所や、島民のパーティの会場として使われていた。フィールドセンターの所長のモーリスには、年下の妻監視員のアンジェラがいて、彼女はテレビにも出演する鳥類学の有名な美人学者である。

婚約祝いのパーティは滞りなく終わるが、その夜、センターでドレス姿のままアンジェラが背中をナイフで一突きされ殺される。遺体には白い鳥の羽根が振りかけられていた。

パーティの前にアンジェラは、評判のいいセンターの料理人ジェーンに、来期からの解雇を言い渡していた。また、パーティでは、アンジェラとモーリスの連れ子・義理の娘ポピーとの口論になり、ポピーがアンジェラの自慢の長い髪の毛に、ビールを引っ掛けた。また、ペレスが調査を進めるとアンジェラの奔放な男性関係が明らかになってくる。
そんな中、第二の殺人事件が起こる。

第一の殺人は、孤島のフィールドセンターで起こったいわば密室殺人であり、犯人となりうる人物はせいぜい5~6人であるにもかかわらず、捜査が遅々として進まない。シェトランド本島からの援軍が天候のせいで遅れたこともあるが、第二の殺人が起こっても、犯人の目星がつかないことに、まどろっこしさを感じる。
実は、この捜査の遅れはシェトランド4重奏を終結させるために必要な布石であると、読み終わって気づく。
ストーリーは緻密に構成され、納得させられるシリーズの最終章になっている。

本シリーズは、それぞれが独立した話として成り立っているのでどれから読んでも良いわけだが、できれば翻訳順に読むことが推奨される。ペレスとフランは第一作の『大鴉の啼く冬』で出会っていて、作を重ねるごとに親密になっていっている。第三作の『野兎を悼む春』では新米刑事のサンディが登場していて、本作では成長をした姿を見せている。翻訳された順に読む方が、そうした関係がスムースに感じられるだろう。→人気ブログランキング

【シェトランドを舞台にするミステリ】
アン・クリーブス著〈シェトランド四重奏〉
大鴉の啼く冬(07年7月)
野兎を悼む春(11年7月)
白夜に惑う夏(09年7月)
青雷の光る秋(13年3月) 
シャロン・J・ボルトン著
三つの秘文字  

2013年4月 5日 (金)

桐島、部活やめるってよ

成績が優秀でスポーツ万能のバレー部のキャプテン桐島が部活を辞めるうわさが流れてから、学校内にちょっとした異変が起こる。それとは関係なく映画部は独自の活動つづける。やがてこのふたつが交差して結末を向かえるというのが大まかな流れ。
Image_20201209092601桐島、部活やめるってよ
The Kirishima Thing
監督:吉田大八
脚本:喜安浩平/吉田大八
原作:朝井リョウ/『桐島、部活やめるってよ』
音楽:近藤達郎  主題歌/高橋優『陽はまた昇る』
日本  2012年  103分 

この映画には3人の主人公がいる。ひとりは最後まで姿を現さないが話題の中心人物である桐島。桐島が部活を辞め姿を見せないことを一番気にかけている親友の菊池(東出昌大)。そして映画部の部長の前田(神木隆之介)である。
本作は、金曜日ごとに、登場人物の多視点からひとつのエピソードを映し出し物語を進めていくという手法が取られている。

菊池は桐島がなんの相談もなく部活を辞めたことにショックを受けている。彼は、放課後、屋外で仲間と遊んでいた恒例のバスケットボールに顔を見せなくなる。
竜汰(落合モトキ)と友弘(浅香航大)は、いつも桐島が部活を終えるのを待ちながら、菊池たちとバスケットボールをしていた。桐島が姿を現さないことにもっとも動揺しているのは、クラスの中心にいる彼らである。

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4人グループのひとり、美人の梨紗(山本美月)は心が穏やかでない。つきあっている桐島が部活を辞めることを他人から知らされたからだ。
このグループの沙奈(松岡茉優)は菊池とつきあっていて、梨沙と同じグループにいることにステータスを感じている。とにかくうわさ好き。
バトミントン部のかすみ(橋本愛)は、グループにいるもののほかの3人とは少し距離をおいている。実果(清水くるみ)もバドミントン部、ほかの3人にコンプレックスを感じている。
女子格付けヒエラルキーの頂点にいるこのグループは、梨沙以外は桐島の不在にさほど翻弄されることはない。

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最も打撃を受けたのはバレー部。県選抜のメンバーでもあるリベロの桐島が抜けた穴を埋めるべく風助(太賀)が猛特訓を受ける。副キャプテンの久保(鈴木伸之)は桐島が突然に辞めたことに戸惑い、風助の力不足に苛立っている。

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吹奏楽部の部長亜矢(大後寿々花)は、放課後にバスケットをする菊池の姿を見るために校舎の屋上でサックスの練習をするのが日課だった。騒動以来、菊池がバスケットに姿を見せないことを心配している。

桐島の騒動の蚊帳の外にいるのがオタクの集団の映画部。
映画部の顧問は前田に高校生らしい映画を作るように指導するが、彼らが作りたいのはゾンビ映画。前田は顧問の忠告を無視してゾンビ映画を撮ることにして、仲間たちと日々奮闘している。映画部員の行動はたびたびほかの生徒の嘲笑の的となるが、そんなことにめげずに前田たちは自分たちの撮りたいものを撮ろうとしている。

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ある日、桐島が学校の屋上にいるといううわさが流れて、菊池たちは屋上に駆け上がる。しかし、桐島の姿はなく、彼らが目にしたのはゾンビ映画のクライマックスシーンを撮っている前田たちの姿であった。
桐島のいないことに苛立ち、映画の小道具を蹴飛ばして八つ当たりをするバレー部員に怒った前田は、急遽ゾンビに扮した映画部員たちがバレー部員たちに襲いかかるシーンにカメラを回すのだった。

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桐島がいないことで生じた人間関係のきしみや、高校生の危うい心理が、群像劇の中に巧みに描き出されている。→人気ブログランキング

*インデックス(書籍)

進化の法則は北極のサメが知っていた/渡辺佑基/河出新書/2019年

がん免疫療法とは何か/本庶 佑/岩波新書/2019年

雲上雲下/朝井まかて/徳間書店/2018年

ケイレブ ハーバードのネイティブ・アメリカン/ジェラルディン・ブルックス/柴田ひさ子/平凡社/2018年

すかたん/朝井まかて/講談社文庫/2014年

帝国ホテル建築物語/植松三十里/PHP研究所/2019年

倭人伝を読みなおす/森 浩一/ちくま新書/2010年

リバタリアニズム/渡辺靖 渡辺 靖/中公新書/2019年

恋歌/朝井まかて/講談社文庫/2015年

落陽/朝井まかて/祥伝社文庫/2019年

初夜/イアン・マキューアン/松村潔/新潮クレスト・ブックス/2009年

宇宙船ビーグル号の冒険/A・E・ヴァン・ヴォークト/沼沢洽治/創元SF文庫/2017年

武士の起源を解き明かす/桃崎 有一郎/ちくま新書/2018年

ザ・プロフェッサー/ロバート・ベイリー/吉野弘人/小学館文庫/2019年

そしてミランダを殺す/ピーター・スワンソン//務台夏子/創元推理文庫/2018年

みそ汁はおかずです/瀬尾幸子/学研プラス/2017年

【あ】
アート鑑賞、超入門!/藤田令伊/集英社新書/2015年
IQ/ジョー・イデ/熊谷千寿訳/ハヤカワミステリ文庫/2018年
赤ひげ横丁―人情時代小説傑作選/縄田一男 選/ 新潮文庫/2009年
秋萩の散る/澤田瞳子/徳間書店/2016年
芥川症/久坂部 羊/新潮社/2014年
アクロイド殺し/アガサ・クリスティー(原田詩津子訳) /ハヤカワ文庫/2003年
明日は遠すぎて/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2012年
新しい須賀敦子/湯川 豊 篇/集英社/2015年
あなたの知らないヒットブランド本当の話―なーんだ!47話/ジャック・ミンゴ(大川修二訳)/東急エージェンシー出版部/1998年
あなたの人生の科学上下/デイヴィッド・ブルックス(夏目大訳)/ハヤカワNF文庫/2015年
アフリカ―資本主義最後のフロンティア/「NHKスペシャル」取材班/新潮新書/2011年
アムステルダム/イアン・マキューアン/小山太一/新潮文庫/2005年
アメリカ/橋爪大三郎 大澤真幸/河出新書/2018年
アメリカ最後の実験/宮内悠介/新潮社/2016年
アメリカーナ/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2016年
アメリカにいる、きみ/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2007年
アメリカの食卓/本間千枝子/文春文庫/1984年
アメリカン・デモクラシーの逆説/渡辺靖/岩波新書/2010年
嵐のピクニック/本谷有希子/講談社文庫/2015年
アリゾナ無宿』逢坂 剛/中公文庫/2016年
アルゴ/アントニオ・メンデス×マット・バグリオ(真崎義博訳)/早川ノンフィクション文庫/2012年
アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能/メアリー・T・ニューポート(白澤卓二/日向やよい訳)ソフトバンク クリエイティブ株式会社/2013年
アルバート、故郷に帰る/ホーマー・ヒッカム(金原瑞人・西田佳子 訳)/ハーバーコリンズ・ジャパン/2016年
アンソロジーそば /PARCO出版/2014年
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?/フィリップ・K・ディック (朝倉久志訳)/ハヤカワ文庫/1977年
【い】
家康、江戸を建てる/門井慶喜/祥伝社/2017年
いかしたバンドのいる街で/スティーヴン・キング/文春文庫/2006年
伊賀忍法帖/山田風太郎/講談社文庫/1999年
生き延びるためのラカン/斎藤環/ちくま文庫/2012年
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365/デイヴィッド・S・キダー/ノア・D・オッペンハイム/文響社/2018年   
言ってはいけない 残酷すぎる真実/橘 玲/新潮文庫/2016年
遺伝子 親密なる人類史/シッダールタ・ムカジー/仲野徹監修・田中文訳/早川書房/2018年
移動祝祭日/アーネスト・ヘミングウェイ(高見浩訳)/新潮文庫 /2009年 
愛おしい骨/キャロル・オコンネル(務台夏子訳)/創元推理文庫/2010年
11/22/63上・下/スティーヴン・キング(白石 朗訳)/文藝春秋/2013年
一億総うつ社会/片田珠美/ちくま新書/2011年
一九八四年[新訳版]/ジョージ・オーウェル/高橋和久 /早川epi文庫/2009年
13・67/陳 浩基/天野健太郎/文藝春秋/2017年
イニシエーション・ラブ/乾くるみ/文春文庫/2007年
異類婚姻譚/本谷有希子/講談社/2016年
インスタントラーメン読本/嵐山光三郎編著/新潮文庫/1985年
院長選挙/久坂部 羊/幻冬社/2017年
インディアンの夢のあと:北米大陸に神話と遺跡を訪ねて/徳田いつこ/平凡社新書/  2000年
【う】
ウェブ小説の衝撃 ネット発ヒットコンテンツのしくみ/飯田一史/筑摩書房/2016年
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる/梅田望夫/ちくま新書/2006年
ウェブはバカと暇人のもの/中川淳一郎/光文社新書/2009年
浮世絵鑑賞辞典/高橋克彦/角川ソフィア文庫/2016年
浮世の画家/カズオ・イシグロ/ハヤカワepi文庫/2006年
うそつきくらぶ/メアリー・カー(永坂田津子訳)/青土社/1999年12月
宇宙探偵 マグナス・リドルフ/ジャック・ヴァンス/朝倉久志・酒井昭伸/国書刊行会/2016年
宇宙飛行士選抜試験/大鐘良一 小原健右/光文社新書/2010年
ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ上下/A.J. フィン/ 池田真紀子/早川書房/2018年
【え】
エコー・パーク(上下) /マイクル・コナリー(古沢嘉通 訳)/講談社文庫/2010年
映画365本 DVDで世界を読む/宮崎哲弥/朝日新書/2009年
エスカルゴ兄弟/津原泰水/角川書店/2016年
エッジ(上下)/鈴木光司/角川ホラー文庫/2012年
エピジェネティクスー新しい生命像をえがく/仲野 徹/岩波新書/2014年
炎路を行く者/上橋菜穂子/新潮文庫/2017年
【お】
大いなる不満/セス・フリード(藤井光訳)/新潮社/2014年
大鴉の啼く冬/アン・クリーヴス(玉木亨訳)/創元推理文庫/2007年
"お金"から見る現代アート/小山登美夫/講談社+α文庫/2015年
小澤征爾さんと、音楽について話をする/小沢征爾×村上春樹/新潮社/2011年
オスカー・ワォの短く凄まじい人生/ジュノ・ディアス/都甲幸治・久保尚美/新潮社/2011年
夫のちんぽが入らない/こだま/扶桑社/2017年
男のパスタ道/土屋 敦/日本経済新聞出版社/2014年
男も女もみんなフェミニストでなきゃ/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2017年
大人のお作法/岩下尚文/インターナショナル新書/2017年
大人の時間はなぜ短いのか/一川誠/集英社新書/2008年
おどろきの中国/橋爪大三郎×大澤真×宮台真司/講談社現代新書/2013年
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭/KADOKAWA/2017
オモロマンティック・ボム! /川上未映子/新潮社文庫/2012年
おらおらでひとりいぐも/若竹千佐子/河出書房新社/2017年
阿蘭陀西鶴/朝井まかて/講談社文庫/2016年
オリジン 上下/ダン・ブラウン/ダン・ブラウン/越前敏弥/2018年
オリーブ・キタリッジの生活/エリザベス・ストラウト/小川高義/ハヤカワepi文庫/2012年
音楽の聴き方/岡田暁生/中公新書/2009年
女ぎらい―ニッポンのミソジニー/上野千鶴子/紀伊国屋書店/2010年
女ぎらい ニッポンのミソジニー/上野千鶴子/朝日文庫/2018年
女には向かない職業/P.D.ジェイムズ(小泉喜美子訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫/1987年
女のいない男たち/村上春樹/文藝春秋/2014年
女の機嫌の直し方/黒川伊保子/集英社インターナショナル新書/2017年
女の旅―幕末維新から明治期の11人/山本志乃/中公新書/2012年
オンブレ/エルモア・レナード/村上春樹訳/新潮文庫/2018年
【か】
解錠師/スティーヴ・ハミルトン(越前敏弥訳)/ハヤカワ文庫/2012年
外来種は本当に悪者か?/フレッド・ピアス(藤井留美訳)/草思社/2016年
書くことについて/スティーヴン・キング(田村義進訳)/小学館文庫/2013年
核大国ニッポン/堤未果/小学館新書/2017年
カクテル・ウェイトレス/ジェームズ・M・ケイン(田口俊樹訳)/新潮文庫/2014年
火星の人/アンディ・ウィアー/小野田和子/早川書房/2014年
かぜの科学 もっとも身近な病の生態/ジェニファー・アッカーマン(鍛原多恵子訳)/ハヤカワNF文庫/2014年
傍聞き(かたえぎき)/長岡弘樹/双葉文庫/2011年
語りあかそう/ナンシー関/河出書房文庫/2014年
勝手にふるえてろ/綿矢りさ/文春文庫/2012年
悲しみのイレーヌ/ピエール・ルメートル(橘明美訳)/文春文庫/2015年
彼女がエスパーだったころ/宮内悠介/講談社/2016年
GAFA 四騎士が創り変えた世界/スコット・ギャロウェイ/渡会圭子/東洋経済新報/2018年
神々のワード・プロセッサ/スティーヴン・キング(矢野浩三郎訳)/扶桑社ミステリー文庫/1988年
紙の動物園/ケン・リュウ/古沢嘉通 編訳/ハヤカワ文庫/2017年
神の守り人 帰還編/上橋菜穂子/新潮文庫/2009年
神の守り人 来訪編/上橋菜穂子/新潮社文庫/2009年
硝子の葦/桜木紫乃/新潮社/2010年
カレーライス進化論/水野仁輔/イースト新書Q/2017年
カレーライスと日本人/森枝卓士/講談社学術文庫/2015年
変わったタイプ/トム・ハンクス/ 小川高義/新潮社/2018年
考えることの科学ー推論の認知心理学への招待/市川伸一/中公新書/1997年
関係する女 所有する男/斎藤環/講談社現代新書/2009年
関西人の正体/井上章一/朝日文庫/2016年
完全教祖マニュアル/架神恭介 辰巳一世/ちくま新書/2009年
がん‐4000年の歴史‐上下/シッダールタ•ムカジー(田中文訳)/早川NF文庫/2016年
がん治療革命の衝撃 プレシジョン・メディシンとは何か/NHKスペシャル取材班/NHK出版/2017年
元年春之祭/陸 秋槎/稲村文吾 訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ/2018年
がん光免疫治療の登場/永山悦子 小林久隆(協力)/青灯社/2017年
【き】
消えたフェルメール/朽木ゆり子/インターナショナル新書/2018年
傷だらけのカミーユ/ピエール・ルメートル (橘明美訳)/文春文庫/2016年
逆襲の地平線/逢坂剛/中公文庫/2016年
キュレーション 知と感性を揺さぶる力/長谷川祐子集英社新書/2013年
キャリー/スティーヴン・キング(永井淳 訳)/新潮文庫/1985年
教室内カースト/鈴木 翔/光文社新書/2012年
京都ぎらい/井上章一/井上章一/朝日新書/2015年
京都嫌い 官能編/井上章一/朝日新書/2017年
京都はんなり暮し/澤田瞳子/徳間文庫/2015年
極北/マーセル・セロー(村上春樹訳)/中央公論新社/2012年
巨大化する現代アートビジネス/ダニエル・グラム&カトリーヌ・ラムール/鳥取絹子/紀伊国屋書店/2015年
キラキラネームの大研究/伊東ひとみ/新潮新書/2015年
銀河鉄道の父/門井慶喜/講談社/2017年
キングの身代金/エド・マクベイン(井上一夫訳)/早川文庫/1977年
【く】
九月が永遠に続けば/沼田まほかる/新潮文庫/2008年
クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力/にむらじゅんこ/平凡社新書/2012年
首のたるみが気になるの/ノーラ・エフロン(阿川佐和子訳)/集英社/2013年
熊と踊れ上下/アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンべ(ヘレンハメル美穂・羽根 由 訳)/ハヤカワ文庫/2016年
9年前の祈り/小野正嗣/講談社/2014年
眩(くらら)/朝井まかて/新潮社/2016年
クリスマスのフロスト/R.D ウィングフィールド(芹澤恵訳)/創元推理文庫/1994年
グルメの嘘/友里征耶/新潮新書/2009年
グレン・グールド シークレット・ライフ/マイケル・クラークスン(岩田佳代子訳)/道出版/2011年
グレン・グールドのピアノ/ケイティ・ハフナー(鈴木圭介訳)/筑摩書房/2011年
【け】
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃/小林雅一/講談社現代新書/2016年
毛深い闇/園子温/河出書房新社/2014年
煙がにしみる 火葬場が教えてくれたこと/ケイトリン・ドーティ(池田真紀子訳)/図書刊行会/2016年
獣の奏者  闘蛇編/上橋菜穂子/講談社文庫/2009年
元素生活/寄藤文平/化学同人文庫版/2015年
現代アート経済学/宮津大輔/光文社新書 /2014年
現代アート、超入門!/藤田令伊/集英社新書/2009年
現代アート入門の入門/山口裕美/光文社新書/2002年
現代アートを買おう!/宮津 大輔/集英社新書/2010年
現代アメリカ宗教地図/藤原聖子/平凡社新書/2009年
現代ジャズ解体新書 ~村上春樹とウィントン・マルサリス/中山康樹/廣済堂新書/2014年
現代美術コレクター/高橋龍太郎/講談社現代新書/2016年
【こ】
恋するフェルメール 37作品への旅/有吉玉青/講談社文庫/2010年
小泉今日子書評集/小泉今日子/中央公論新社/2015年
幸運の25セント硬貨/スティーヴン・キング (朝倉久志/風間賢二/白石朗/池田真紀子訳)/2004年
高級ショコラのすべて/小椋三嘉/PHP新書/2010年
合成生物学の衝撃/須田桃子/文藝春秋/2018年
行動分析学入門/杉山尚子/集英社新書/2005年
小型哺乳類館/トマス・ピアース/真田由美子/早川書房/2017年
虚空の旅人/上橋菜穂子/新潮文庫/2008年
ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由/ジョシュア・フォア/エクスナレッジ/2011年
木暮荘物語/三浦しをん/祥伝社文庫/2014年
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣/長谷部誠/幻冬舎/2011年
古書の来歴/ジュラルディン・ブルックス(森嶋マリ訳)/武田ランダムハウスジャパン/2010年
狐笛のかなた/上橋菜穂子/新潮文庫/2006年
言葉尻とらえ隊/能町みね子/文春文庫/2014年
言葉の誕生を科学する/小川洋子×岡ノ谷一夫/河出文庫/2013年
コレステロール治療の常識と非常識/桑島巌×横手幸太郎/角川SSC新書/2012年
【さ】
さあ、あなたの暮らしぶりを話して/アガサ・クリスティー(深町眞里子訳)/ハヤカワ文庫/2004年
罪悪/フェルディナント・フォン・シーラッハ(酒寄進一訳)/東京創元社/2012年
サイコパス/中野信子/文春新書/2016年
西城秀樹のおかげです/森奈津子/ハヤカワ文庫/2004年
サイボーグ化する動物たち/エミリー・アンテスエミリー・アンテス(西田美緒子訳)/白揚社/2016年
昨夜のカレー、明日のパン/木皿泉/河出書房新社/2013年
サザビーズ 「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術/石坂泰章/講談社/2009年
さようなら、オレンジ/岩城けい/筑摩書房/2013年
さよなら!僕らのソニー/立石泰則/文春新書/2011年
サラバ!上下/西加奈子/小学館/2014年
33年後のなんとなく、クリスタル/田中 康夫/河出書房新社/2014年
三本の緑の小壜/D・M・ディヴァイン(山田蘭訳)/創元社推理文庫/2011年
【し】
塩一トンの読書/須賀敦子/河出文庫/2014年
女王はかえらない/降田天/宝島社/2015年
鹿の王 上下/上橋菜穂子/角川書店/2014年
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上春樹/文藝春秋/2013年
思考の整理学/外山滋比古/ちくま文庫/1986年
沈みゆく大国アメリカ/堤 未果/集英社新書/2014年
したがるオスと嫌がるメス/宮竹貴久/集英社新書 /2018年
下町ロケット/池井戸潤/小学館文庫/2013年 
湿地/アーナルデュル・インドリダソン(柳沢由実子訳)/東京創元社/2012年
至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術/山本 益博/新潮新書/2003年
霜の降りる前に 上下/ヘニング・マンケル(柳沢由美子訳)/東京創元社/2016年
若冲/澤田瞳子/文藝春秋/2015年
ジャズに生きた女たち/中川ヨウ/平凡社新書/2008年
ジャズ・ボーカルにくびったけ! CRAZY FOR JAZZ VOCAL !/馬場啓一/シンコーミュージック・エンタテイメント/2010年
ジャーニー・ボーイ/高橋克彦/朝日文庫/2016年
シャーデンフロイデ  他人を引きずり下ろす快感/中野信子/幻冬社新書/2018年
儒教に支配された中国人と韓国人悲劇/ケント・ギルバート/講談社+α新書/2017年
10の奇妙な話/ミック・ジャクソン/田内志文/東京創元社/2016年
趣味は読書。/斎藤美奈子/ちくま文庫/2007年
ジョイランド/スティーヴン・キング(土屋晃訳)/文春文庫/2016年
少年の名はジルベール/竹宮惠子/小学館/2016年
縄文探検隊の記録/夢枕 獏 岡村 道雄 かくま つとむ/集英社インターナショナル新書/2018年
職業としての地下アイドル/姫乃たま/朝日新書/2017年
女子校育ち/辛酸なめ子/ちくまプリマー新書/2011年
書店主フィクリーの物語/ガブリエル・セヴィン小尾芙佐/ハヤカワepi文庫/2017年
師走の扶持: 京都鷹ヶ峰御薬園日録/澤田瞳子/徳間書店/2015年
人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊/井上智洋/文春新書/2016年 
人工知能の「最適解」と人間の選択/NHKスペシャル取材班/NHK出版新書/2017年
新撰組の料理人/門井慶喜/光文社/2018年
死んでいない者/滝口悠生/文藝春秋/2016年
神秘大通り 上下/ジョン・アーヴィング/小竹由美子訳/新潮社/2017年
シンプル・プラン/スコット・スミス(近藤純夫訳)/扶桑社ミステリー文庫/1994年
新薬の狩人たち-成功率0.1%の探求/ドナルド R キルシュ×オギ オーガス/寺島朋子/早川書房/2018年
人類の未来 AI、経済、民主主義/吉成真由美(インタビューアー)ノーム・チョムスキー レイ・カーツワイル マーティン・ウルフ ビャルケ・インゲルス フリーマン・ダイソン/NHK出版新書/2017年
【す】
スクラップ・アンド・ビルド/羽田圭介/文藝春秋/2015年
ストーカー/アルカジイ&ボリス・ストルガツキー/深見弾訳/ハヤカワ文庫/1983年
「ストーカー」は何を考えているのか/小早川明子/新潮社新書/2014年
ストラディヴァリウス/横山進一/アスキー新書/2008年
ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢/中野雄/文春新書/2017年
スノーデン 日本への警告/エドワード・スノーデン、青木 理、井桁大介、金昌浩、ベン・ワイズナー、宮下紘、マリコ・ヒロセ/集英社新書/2017年
スノーボール・アース:生命大進化をもたらした全地球凍結/ガブリエル・ウォーカー(川上紳一監修/渡会圭子訳)早川ノンフィクション文庫/2011年
ずるずる、ラーメン(おいしい文藝)/河出書房新社 2014年
【せ】
生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書/2007年
青雷の光る秋/アン・クリーヴス(玉木享訳)/創元推理文庫/2013年
精霊の守り人/上橋菜穂子/新潮文庫/2007年
世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析/斎藤環/角川書店/2013年
世界クッキー/川上未映子/文春文庫/2012年
世界一のトイレ ウォシュレット開発物語/林良祐/朝日新書/2011年
世界ぐるっと肉食紀行/西川治/新潮文庫/2011年
世界のすべての七月/ティム・オブライエン/村上春樹/文春文庫/2009年
世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今/都甲幸治/立東舎/2016年
世界の野菜を旅する/玉村豊男/講談社新書/2010年
セックスと科学のイケない関係/メアリー・ローチ(池田真紀子訳)/NHK出版/2008年
絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか/更科功/NHK出版新書/2018年
セブンーイレブン 黄金の法則/吉岡秀子/朝日新書/2018年
セーヌで生まれた印象派の名画/島田紀夫/小学館101ビジュアル新書/2011年
1922/スティーヴン キング (横山啓明 中川聖訳)/文春文庫/2013年
全国駅そば名店100選/鈴木弘毅/洋泉社新書y/鈴木 弘毅/2015年
【そ】
/レイモンド カーヴァー (村上春樹訳)/中央公論新社 /2008年
想像ラジオ/いとう せいこう/河出書房新社/2013年
遭難信号/キャサリン・ライアン・ハワード(法村里絵訳)/創元社文庫/2018年
蒼路の旅人/上橋菜穂子/新潮文庫/2010年
ソクラテスの弁明 関西弁訳/プラトン(井口裕康訳)/パルコ/2009年
底抜け合衆国:アメリカが最もバカだった4年間/町山智浩/ちくま文庫/2012年
そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー(青木久惠訳)/ハヤカワ文庫/2010年
その犬の歩むところ/ボストン・テラン/田口俊樹/文春文庫/2017年
その女アレックス/ピエール・ルメートル (橘 明美 訳)/文春文庫/2014年
そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります/川上未映子/講談社文庫/2009年
【た】
対岸の彼女/角田光代/文春文庫/2012年
代替医療のトリック/サイモン・シン × エツァート・エルンスト(青木薫訳)/新潮社/2010年大統領失踪上下/ビル・クリントン/ジェイムズ・パタースン/越前俊弥 久野郁子/早川書房/ 2018年
第七官界彷徨/尾崎翠/河出文庫/2009年
第四解剖室/スティーヴン・キング/白石朗他訳/新潮文庫/2004年
ダークタワーIガンスリンガー/スティーヴン・キング(風間賢二 訳)/角川文庫/2017年
ダークタワー Ⅱ 運命の3人 上/スティーヴン・キング (風間賢二訳)/角川文庫/2017年
ダークタワー Ⅱ 運命の3人 下/スティーヴン・キング(風間賢二訳)/角川文庫/2017年
正しいコピペのすすめ/宮武久佳/岩波ジュニア新書/2017年
頼むから静かにしてくれ Ⅰ/レイモンド・カーヴァー(村上春樹訳)/中央公論新社/2006年
食べるアメリカ人/加藤 裕子/大修館書店/2003年
卵をめぐる祖父の戦争/デイヴィッド・ベニオフ(田口俊樹訳)/ハヤカワ・ポケット・ミステリ/2010年
ダロウェイ夫人/ヴァージニア・ウルフ(丹治愛訳)/集英社文庫/2007年
短編小説のアメリカ52講/青山 南/平凡社ライブラリー/2006年
壇蜜日記/壇 蜜/文春文庫2014年
【ち】
地下鉄道/コルソン・ホワイトヘッド/ 谷崎由依/早川書房/2018年
地球の静止する日/ハリー・ベイツ 他/角川文庫/2008年
恥辱/J・M・クツェー/鴻巣友季子/ハヤカワepi文庫/2007年
乳と卵/川上未映子/文春文庫/2010年
チーム・バチスタの栄光/海堂 尊/宝島文庫/2015年 がん消滅の罠 完全寛解の謎/岩木一麻/宝島社/2017年
中二階/ニコルソン・ベイカー(岸本佐和子訳)/白水社/1994年
チョコレートの世界史/武田尚子/中公新書/2010年
著作権法がソーシャルメディアを殺す/城所岩生/PHP新書/2013年
知立国家 イスラエル/米山 伸郎/文春新書/2017年
沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択/サラ・パレツキー(山本やよい訳)/早川書房/2010年
【つ】
翼を持つ少女 BISビブリオバトル部 上下/山本弘/創元SF文庫/2016年
爪と目/藤野可織/新潮社/2013年
露の玉垣/乙川優三郎/新潮文庫/2010年
【て】
できそこないの男たち/福岡伸一/光文社新書/2008年
デジタル時代の著作権/中野祐子/ちくま新書/2010年
天と地の守り人 第1部 ロタ王国編/上橋菜穂子/新潮文庫/2009年
天と地の守り人 第2部 カンバル王国編/上橋菜穂子/新潮文庫/2009年 
天と地の守り人 第3部 新ヨゴ皇国編/上橋菜穂子/新潮文庫/2011年
【と】
東京藝大 最後の秘境 天才たちのカオスな日常/二宮敦人/新潮社/2016年
東京新大橋雨中図/杉本章子/杉本章子/文春文庫/1991年
投資なんか、おやめなさい/荻原博子/新潮新書/2017年
等伯 上下/安倍龍太郎/文春文庫/2015年
特捜部Q キジ殺し/ユッシ・エーズラ・オールスン(吉田薫/福原美穂子訳)/ハヤカワ文庫 
特捜部Q 檻の中の女/ユッシ・エーズラ・オールスン(吉田奈保子訳)/ハヤカワ文庫
とことん!とんかつ道/今柊二/中公新書ラクレ/2014年
土曜を逃げろ/チャールズ・ウイリアムズ(青木日出夫訳)/文春文庫/1984年
トラクターの世界史/藤原辰史/中公新書/2017年
虎よ、虎よ!/アルフレッド・ベスター/中田耕治/ハヤカワ文庫/2008年
【な】
ナイルに死す/アガサ クリスティー/加島祥造/ハヤカワ文庫/2003年
流れ行く者 守り人短編集/上橋菜穂子/新潮文庫/2013年
泣くな道真 ―太宰府の詩―/澤田瞳子集英社文庫/2014年
なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由/高口康太/祥伝社新書/2015年
なぜ人を殺してはいけないのか?/永井均×小泉義之/河出文庫/2010年
なぜメリル・ストリープはトランプに噛みつき、オリバー・ストーンは期待するのか ハリウッドからアメリカが見える/藤えり/幻冬社新書/2017年
ならずものがやってくる/ジェニファー・イーガン/谷崎由依/ハヤカワepi文庫/2015年
ナンシー関の耳大全 77/武田砂鉄編/朝日文庫/2018年
なんとなく、クリスタル/田中康夫/河出文庫/1983年
二重らせん/ジェームス・D・ワトソン(江上不二夫/中村桂子訳 /講談社文庫/1986年
日曜の午後はミステリ作家とお茶を/ロバート・ロプレスティ/高山真由美/創元推理文庫/2018年
ニックス/ネイサン ヒル /佐々田雅子/早川書房/2019年
ニッポンの書評/豊崎由美/光文社新書/2011年
日本の10大新宗教/島田裕巳/幻冬社新書/2007年
日本の美徳/瀬戸内寂聴ト×ドナルド・キーン/中公新書ラクレ/2018年 
カラ-完全版 日本食材百科事典/講談社編/講談社プラスα文庫/1999年
ニムロッド/上田岳弘/講談社/2019年
ニューロマンサー/ウィリアム・ギブソン(黒丸尚訳)/ハヤカワSF文庫/1987年
二流小説家/デイヴィッド・ゴードン(青木千鶴訳) /ハヤカワ・ポケット・ミステリ/2011年
ヌメロ・ゼロ/ウンベルト・エーコ(中山エツコ 訳)/河出書房新社/2016年
ねじ曲げられた「イタリア料理」/ファブリツィオ・グラッセッリ/水沢透/光文社新書/2017年
ねじれた文字、ねじれた路/トム・フランクリン(伏見威蕃訳)/ハヤカワ・ポケット・ミステリ/2011年
ねずみとり/アガサ・クリスティー(鳴海四郎訳)/ハヤカワ文庫/2004年
ネバーホーム』/レアード・ハンド/柴田元幸/朝日新聞出版/ 2017年
眠狂四郎無頼控1 /柴田錬三郎/新潮文庫/1960年
ノーベル賞の舞台裏/共同通信ロンドン支局取材班/ちくま新書/2017年
ノマド― 漂流する高齢労働者たち/ジェシカ・ブルーダー/鈴木素子/春秋社/2018年
【は】
背後の足音(上・下)/ヘニング・マンケル(柳沢由実子訳)/創元推理文庫/2011年
破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた/フランク ライアン(夏目大訳)/ハヤカワNF文庫/2014年
爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った/更科 功/新潮新書/2016年
白墨人形/C.J.チューダー/中谷友紀子/文藝春秋/2018年
はじめての不倫学/坂爪真吾/光文社新書/2015年
バスカヴィル家の犬/コナン・ドイル/駒形雅子/角川文庫/2014年
ハチはなぜ大量死したのか/ローワン・ジェイコブセン(中里京子訳)/文藝春秋社/2009年
バッタを倒しにアフリカへ/前野ウルド浩太郎/光文社新書/2017年
ハツカネズミと人間/ジョン・スタインベック(大浦暁生訳)/新潮文庫/1994年
花埋み/渡辺淳一 /新潮文庫/1975年
母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか/斎藤環/NHK出版/2008年
バルサの食卓/上橋菜穂子 チーム北海道/新潮文庫/2009年
半落ち/横山秀夫/講談社文庫/2012年
叛逆航路/アン・レッキー(赤尾秀子訳)/創元SF文庫/2015年
犯罪/フェルディナント・フォン・シーラッハ(酒寄進一訳)/東京創元社/2011年
半身/サラ・ ウォーターズ(中村有希訳) /創元推理文庫/2003年
半分のぼった黄色い太陽/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2010年
【ひ】
緋色の研究/コナン・ドイル/駒月雅子/角川文庫/2012年
ピカソは本当に偉いのか?/西岡文彦/新潮新書/2012年
ひきこもりはなぜ「治る」のか? ―精神分析的アプローチ/斎藤 環/ちくま文庫 /2012年
美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには/高橋明也/ちくま新書/2015年
美貌格差 生まれつき不平等の経済学/ダニエル・S.ハマーメッシュ(望月衛訳)東洋経済新報社/2015年
火花/又吉直樹/文藝春秋/2015年
美食の世界地図 料理の最新潮流を訪ねて/山本益博/竹書房新書/2014年
ビッグ・ドライバー/スティーヴン・キング(小林恭美子・風間賢二訳)/文春文庫/2013年
羊と鋼の森/宮下奈都/文藝春秋/2015年
人はなぜ不倫するのか/亀山早苗/SB新書/2016年
人のセックスを笑うな/山崎ナオコーラ/河出文庫/2006年
ヒトは「いじめ」をやめられない/中野信子/小学館新書/2017年
ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎/田沼靖一/幻冬舎新書/2010年
日の名残り/カズオ・イシグロ/ハヤカワepi文庫/2001年
白夜に惑う夏/アン・クリーヴス(玉木亨訳)/創元推理文庫/2009年7月
百年泥/石井遊佳/新潮社/2018年1月
氷平線/桜木紫乃/文春文庫/2012年
開かせていただき光栄です/皆川博子/ハヤカワ文庫/2013年
ピラミッド/ヘニング・マンケル/柳沢由実子/創元社推理文庫社/2018年
ヒルビリー・エレジー/J.D.ヴァンス(関根光宏・山田文 訳)/光文社/2017年
【ふ】
ファイヤーウォール 上下/ヘニング・マンケル(柳沢由実子訳)/創元推理文庫/2012年
ファインダー・キーパーズ 上下/スティーヴン・キング/文藝春秋/2017年
フィッターXの異常な愛情/蛭田亜紗子/小学館/2015年
風神雷神 上下/柳広司/講談社/2017年
フェルマータ/ニコルソン・ベイカー(岸本佐和子訳)/白水社/1995年
フェルメール-静けさの謎を解く-/藤田令伊/集英社新書/2011年
フェルメールになれなかった男: 20世紀最大の贋作事件/フランク・ウイン(小林賴子/池田みゆき 訳)/ちくま文庫/2014年
フェルメール 光の王国 (翼の王国books)/福岡伸一/木楽舎/2011年
ふぉん・しいほるとの娘/吉村 昭/新潮文庫/1993年
深読みフェルメール/朽木ゆり子×福岡伸一/朝日新書/2012年
フグが食いたい! ―死ぬほどうまい至福の食べ方/塩田丸男/講談社プラスアルファ新書/2003年
服従/ミチェル・ウェルベック(大塚桃訳)/河出書房新社/2015年
ふくろう女の美容室/テス・ギャラガー/橋本博美/新潮社/2008年
ふしぎなキリスト教/橋爪 大三郎×大澤 真幸/講談社現代新書/2011年
富士百句で俳句入門/堀本裕樹/ちくまプリマー新書/2014年
腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち/杉浦由美子/杉浦 由美子/中公新書ラクレ/2006年
ふたり女房: 京都鷹ヶ峰御薬園日録/澤田瞳子/徳間文庫/2016年
仏像図解新書/石井亜矢子・岩崎 隼/小学館新書/2010年
フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人/速水健朗/朝日新書/2013年
舟を編む/三浦しをん/光文社/2011年
冬のフロスト/R.D.ウィングフィールド/創元社推理文庫/2013年
冬うどん 料理人季蔵捕物控/和田はつ子/ハルキ文庫/2012年
無頼化する女たち/水無田気流/洋泉社新書/2009年
ブラッド・ブラザー/ジャック・カーリイ(三角和代訳)/文春文庫/2011年
フランケンシュタイン/メアリー シェリー/芹澤恵/新潮文庫/2014年
古い骨/アーロン・エルキンズ(青木久恵訳)/ハヤカワ文庫/1989年
震える牛/相場英雄/小学館文庫/2013年
古きよきアメリカン・スイーツ/岡部史/平凡社新書/2004年
ブルーバード、ブルーバード/アッティカ・ロック/高山真由美/ハヤカワ・ポケット・ミステリ/2018年
フロスト始末上下/ R.D.ウィングフィールド/芹沢恵/創元社文庫/2017年
フロスト日和/R.D.ウィングフィールド/芹沢恵/創元社推理文庫/1997年
文人悪食/嵐山光三郎/新潮文庫/2000年
【へ】
米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体/ケント・ギルバート/角川新書/2017年
北京から来た男 上下/ヘニング・マンケル(柳沢由実子訳)/東京創元社/2014年
ベートーヴェン捏造  名プロデューサーは嘘をつく/かげはら 史帆/柏書房/2018年
ペーパーボーイ/ピート・デクスター(谷垣暁美訳)/集英社文庫/2013年
変見自在 オバマ大統領は黒人か/高山正之/新潮文庫/2015年
【ほ】
亡霊星域/アン・レッキー(赤尾秀子 訳)/創元SF文庫/2016年
北斎と応為/キャサリン・ゴヴィエ(モーゲンスタン・陽子訳)/彩流社/2014年
北斎まんだら/梶よう子/講談社/2017年
星を継ぐもの/ジェームズ・P・ホーガン/池央あき訳/創元SF文庫/1980年
細川ガラシャ/安 廷苑/中公新書/2014年 
ホテルローヤル/桜木紫乃/集英社/2013年
ボブ・ディラン解体新書/中山康樹/廣済堂新書/2014年
ホモ・デウス/ユヴァル・ノア・ハラリ/柴田裕之/河出書房新社/2018年
【ま】
マグダラのマリア ―エロスとアガペーの聖女/岡田温司/中公新書/2005年
マクベス/W. シェイクスピア/松岡和子/ちくま文庫/1996年
マザリング・サンデー/グレアム・スウィフト/真野泰/新潮社/2018年
マジカル・ヒストリー・ツアー  ミステリと美術で読む近代/ 門井慶喜/角川文庫/2017年
マルタの鷹/ダシール ハメット/小鷹信光 /ハヤカワ・ミステリ文庫(改訳改訂版)/2012年
満願/米澤穂信/新潮社/2014年
マンモスのつくりかた/ベス・シャピロ(宇丹貴代実)/筑摩書房/2016年
マンモスを再生せよ/ベン・メズリック/文藝春秋/2018年
【み】
ミザリー/スティーヴン・キング(矢野浩三郎訳)/文春文庫/1990年
ミスター・マジェスティック/エルモア・レナード/高見浩/文春文庫/1994年
ミスター・メルセデス上下/スティーヴン・キング(白石朗訳)/文藝春秋/2016年
三つの秘文字(上下)/S・J ボルトン(法村里絵訳)/創元社推理文庫/2011年
未必のマクベス/早瀬 耕/ハヤカワ文庫JA/2017年
満つる月の如し 仏師・定朝/澤田瞳子/徳間文庫/2014年
壬生義士伝 上下/浅田次郎/文春文庫/2012年
未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか/津田大介×牧村憲一/中公新書ラクレ/2010年
未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか/ジャレド・ダイアモンドほか/PHP新書/2018年
【む】
六つの星星 川上未映子対話集/川上未映ほか/文春文庫/2012年
紫式部の欲望/酒井順子/集英社文庫/2014年
室町無頼/垣根涼介/新潮社/2016年
【め】
名画で読み解く ロマノフ家 12の物語/中野京子/光文社新書/2014年
目の見えない人は世界をどう見ているのか/伊藤亜紗/光文社新書/2015年
【も】
もう年はとれない/ダニエル・フリードマン(野口百合子訳)/創元推理文庫/2014年8月
もしもし/ニコルソン・ベイカー(岸本佐和子訳)/白水社/1993年
モーターサイクル・ダイアリーズ
/エルネスト・チェ・ゲバラ(棚橋加奈江訳)/角川文庫/2004年
モダン/原田マハ/文藝春秋/2015年
「モナリザ」の微笑み/布施英利/PHP新書/2009年
モラルの起源 実験社会科学からの問い/亀田達也/岩波新書/2017年
【や】
やきとりと日本人 屋台から星付きまで/土屋美登世/光文社新書/2014年
夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語/カズオ・イシグロ(土屋政雄訳)/ハヤカワepi文庫/2011年
野兎を悼む春/アン・クリーヴス(玉木亨訳)/創元推理文庫/2011年
闇の守り人/上橋菜穂子/新潮文庫/2007年
ヤマザキマリの 偏愛ルネサンス美術論/ヤマザキマリ/集英社新書/2015年
ヤンキー進化論―不良文化はなぜ強い/難波功士/光文社新書/2009年
USAカニバケツ:超大国の三面記事的真実/町山智浩/ちくま文庫/2011年
郵便配達は二度ベルを鳴らす/ジェームズ・M・ケイン(田口俊樹訳)/新潮文庫/2014年
夕暮れをすぎて/スティーヴン・キング(白石朗訳)/文春文庫/2009年
夢の守り人/上橋菜穂子/新潮文庫/2008年
許されざる者/レイフ・G・W・ペーション/久山葉子/創元推理文庫/2018年
ヨイ豊/梶よう子/講談社/2015年
幼年期の終り/アーサー・C・クラーク(福島正美 訳)/ハヤカワ文庫/1979年
予告された殺人の記録/G・ガルシア=マルケス/野谷文昭/新潮文庫/2001年
吉田類の酒場放浪記/吉田類/TBSサービス/2009年
吉原花魁/縄田一男編/角川文庫/2009年
吉原手引草/松井今朝子/幻冬社/2007年
与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記/澤田瞳子/光文社/2015年
【ら】
ラノベ古事記/小野寺 優/KADOKAWA/2017年
ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本/ラフカディオ・ハーン(河島弘美 監修 鈴木あかね 訳) /CCCメディアハウス/2017年
ラブラバ/エルモア レナード(鷲村達也 訳)/ハヤカワ文庫/1988年
ラム・パンチ/エルモア・レナード/高見浩/角川文庫/1998年
ラーメン超進化論 「ミシュラン一つ星」への道/田中一明/光文社新書/2017年
ラーメンと愛国/速水健朗/講談社現代新書/2011年
ラム・ダイアリー/ハンター・S・トンプソン(中江昌彦訳)/朝日新聞出版社/2012年
ランチのアッコちゃん/柚木麻子/双葉社/2013年
リガの犬たち/ヘニング・マンケル(柳沢由実子訳)/創元推理文庫/2003年
利休にたずねよ/山本兼一/PHP文芸文庫/2011年
ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて/松尾理也/新潮社新書/2006年
ルビンの壺が割れた/宿野かほる/新潮社/2017年
ルポ トランプ王国 ーもう一つのアメリカを行く/金成隆一 /岩波新書/2017年
ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち/ジョン・ロンソン(夏目大訳)/光文社新書/2017年
ルポ 貧困大国アメリカ II /堤未果/岩波新書/2010年
流/東山彰良/講談社/2015年
レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか/村田晃嗣/中公新書/2011年
6度目の大絶滅/エリザベス・コルバート(鍛原多惠子訳)/NHK出版/2015年
64(ロクヨン)/横山秀夫/文藝春秋/2012年
【わ】
若者の「うつ」―「新型うつ病」とは何か/傳田健三/ちくま新書/2009年
忘れられた巨人/カズオ・イシグ(土屋政雄 訳)/早川書房/2015年 
わたくし率 イン 歯ー、または世界/川上未映子/講談社文庫/2010年
わたしを宇宙に連れてって―無重力生活への挑戦/メアリー・ローチ(池田真紀子訳)/NHK出版/2011年

2013年4月 1日 (月)

Flowers フラワーズ

家族をテーマに、昭和初期から現代までのそれぞれの時代を生きた三世代6人の女性たちが描かれている。
昭和11年はモノクロ、昭和40~50年代は総天然色、現代は鮮明だがやや暗めの色調で、それぞれの時代に合った映像で映し出されている。
蒼井優、田中麗奈、竹内結子、仲間由紀恵、鈴木京香、広末涼子、と日本を代表する女優が勢揃いしていて、それだけでも見応えが十分にある。
Image_20210103093001FLOWERS-フラワーズ-
監督:小泉徳宏
脚本:藤本周/三浦有為子
音楽:朝川朋之
主題歌:ドリームズ・カム・トゥルー 『ねぇ』
日本 2010年 110分 

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昭和11年、春、桜満開、画面はモノクロ。
親同士が決めた結婚に凛(蒼井優)は、「私が決めたわけじゃない」と反発する。
式当日、凛は花嫁姿のまま家を飛び出してしまうが、ほとぼりが冷めて戻って来ると、夫は意外と優しそうでホッとする。
凛には3人の娘が生まれる。

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昭和44年、夏。
次女の翠(田中麗奈)は、出版社で働いていた。翠は「トリスバー裏窓」で、恋人(河本準一)からプロポーズを受ける。翠の答えは「面倒くさい」。作家の遠藤壮太朗(長門裕之)は翠に「ひとりの方がいいんだよ」とアドバイスするのだった。
何かと制約の多い男性社会の中で一生懸命働いてきた翠は、仕事と結婚の間で悩む。
翠は実家へ帰省し、同じく帰省してきた長女の薫(竹内結子)と久しぶりに会う。
薫は、夫(大沢たかお)を交通事故で亡くし、そのとき心に負った傷がまだ完全には癒えていない。薫は、昭和39年9月に、亡き夫と新婚旅行で訪れた場所を巡る旅に出たときのことをふと思い浮かべる。

昭和52年、秋。
三女の慧(仲間由紀恵)は、夫(井ノ原快彦)との間にふたり目を妊娠する。しかし、生まれつき体が丈夫ではない慧は、医者から「出産には耐えられない」と宣告される。

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平成21年、冬。
慧の長女・奏(カナ/鈴木京香)はピアニストになる夢が破れて、ピアノ協奏曲のコンサートで譜めくりをしている。さらに奏は恋人と別れた直後に妊娠していることがわかった。そんな奏に、92歳の祖母凛危篤の知らせが父(平田満)から届く。
次女の佳(広末涼子)は結婚し、男の子を産んでいる。佳は自らの命と引き換えに自分を生んだ母・慧に報いようと、前向きに生きようとしている。
通夜のあとの、姉の妊娠を察知した佳は「タバコは止めた方がいいよ」という。

ストーリーを四季に当てはめて巧みに使い分け、それぞれを趣のある場面にしている。→人気ブログランキング

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