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2013年4月 5日 (金)

桐島、部活やめるってよ

成績が優秀でスポーツ万能のバレー部のキャプテン桐島が部活を辞めるうわさが流れてから、学校内にちょっとした異変が起こる。それとは関係なく映画部は独自の活動つづける。やがてこのふたつが交差して結末を向かえるというのが大まかな流れ。
Image_20201209092601桐島、部活やめるってよ
The Kirishima Thing
監督:吉田大八
脚本:喜安浩平/吉田大八
原作:朝井リョウ/『桐島、部活やめるってよ』
音楽:近藤達郎  主題歌/高橋優『陽はまた昇る』
日本  2012年  103分 

この映画には3人の主人公がいる。ひとりは最後まで姿を現さないが話題の中心人物である桐島。桐島が部活を辞め姿を見せないことを一番気にかけている親友の菊池(東出昌大)。そして映画部の部長の前田(神木隆之介)である。
本作は、金曜日ごとに、登場人物の多視点からひとつのエピソードを映し出し物語を進めていくという手法が取られている。

菊池は桐島がなんの相談もなく部活を辞めたことにショックを受けている。彼は、放課後、屋外で仲間と遊んでいた恒例のバスケットボールに顔を見せなくなる。
竜汰(落合モトキ)と友弘(浅香航大)は、いつも桐島が部活を終えるのを待ちながら、菊池たちとバスケットボールをしていた。桐島が姿を現さないことにもっとも動揺しているのは、クラスの中心にいる彼らである。

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4人グループのひとり、美人の梨紗(山本美月)は心が穏やかでない。つきあっている桐島が部活を辞めることを他人から知らされたからだ。
このグループの沙奈(松岡茉優)は菊池とつきあっていて、梨沙と同じグループにいることにステータスを感じている。とにかくうわさ好き。
バトミントン部のかすみ(橋本愛)は、グループにいるもののほかの3人とは少し距離をおいている。実果(清水くるみ)もバドミントン部、ほかの3人にコンプレックスを感じている。
女子格付けヒエラルキーの頂点にいるこのグループは、梨沙以外は桐島の不在にさほど翻弄されることはない。

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最も打撃を受けたのはバレー部。県選抜のメンバーでもあるリベロの桐島が抜けた穴を埋めるべく風助(太賀)が猛特訓を受ける。副キャプテンの久保(鈴木伸之)は桐島が突然に辞めたことに戸惑い、風助の力不足に苛立っている。

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吹奏楽部の部長亜矢(大後寿々花)は、放課後にバスケットをする菊池の姿を見るために校舎の屋上でサックスの練習をするのが日課だった。騒動以来、菊池がバスケットに姿を見せないことを心配している。

桐島の騒動の蚊帳の外にいるのがオタクの集団の映画部。
映画部の顧問は前田に高校生らしい映画を作るように指導するが、彼らが作りたいのはゾンビ映画。前田は顧問の忠告を無視してゾンビ映画を撮ることにして、仲間たちと日々奮闘している。映画部員の行動はたびたびほかの生徒の嘲笑の的となるが、そんなことにめげずに前田たちは自分たちの撮りたいものを撮ろうとしている。

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ある日、桐島が学校の屋上にいるといううわさが流れて、菊池たちは屋上に駆け上がる。しかし、桐島の姿はなく、彼らが目にしたのはゾンビ映画のクライマックスシーンを撮っている前田たちの姿であった。
桐島のいないことに苛立ち、映画の小道具を蹴飛ばして八つ当たりをするバレー部員に怒った前田は、急遽ゾンビに扮した映画部員たちがバレー部員たちに襲いかかるシーンにカメラを回すのだった。

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桐島がいないことで生じた人間関係のきしみや、高校生の危うい心理が、群像劇の中に巧みに描き出されている。→人気ブログランキング

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