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ムースの隠遁

妙な余韻が残る映画だ。妊婦が主人公だからだろうか。
Image_20210113111801ムースの隠遁
LE REFUGE
監督:フランソワ・オゾン
脚本:フランソワ・オゾン/マチュー・イッポー
音楽:ルイ=ロナン・ショワジー
フランス  2009年  88分 

ムース(イザベル・カレ)とルイはともに裕福。
ふたりは品質の悪いヘロインの過剰摂取で意識不明となり、ルイは命を落としムースはかろうじて助かる。ムースは妊娠2カ月であった。

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彼女はルイの母親からそれとなく堕胎を勧められるが、パリを離れて海辺の町で静かに暮らすことにした。

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ルイの弟ポールがスペインに行く途中に彼女の暮らす家に逗留する。
はじめは、ムースは迷惑そうにしているものの、優しいポールを受け入れるようになり、浜辺でふたりで肌を焼いて過ごしたりする。さらに、彼女はポールが複雑な過去を抱えていることを知る。

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ムースはタバコを吸ったり、ビールやワインを飲んだり、ディスコで踊ったりと胎児に悪影響を及ぼしそうなことを平気やるが、もとはドラッグ中毒だったから、気をつけてもしょうがないと思っているのかもしれない。さらに、妊婦フェチの男の誘いにのったりと危なっかしい。
やがて、ポールは子供が生まれたら必ず会いに行くとムースに約束してスペインに発っていく。

ムースはパリの産院で女の児を無事に出産した。
約束どおり見舞いに現れたポールに娘を預け、ムースはコートをはおり、ポールならあの娘の面倒をちゃんと見てくれるはず、今私にはやるべきことがある、必ず迎えにくるからとつぶやきながら、パリの街に消えていく。

ムースにとって不幸なことは、冒頭のルイが亡くなったことだけ。
妊娠中はいろいろあったが、取り立てて不幸なことは起こらなかった。愛する人の子供を無事に産んだことだし、ポールなら娘の面倒をちゃんとみてくれそうだ。彼女は、このあたりで過去のしがらみを断ち切ってもいいだろうと思った。
ムースのこの身勝手で乱暴な選択肢もありだと思わせる、それが本作の魅力だと思う。→人気ブログランキング

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