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2013年5月 6日 (月)

ファンシイダンス

原作は、岡野玲子による漫画。『プチフラワー』(1984年から1990年)に連載され、1989年の第34回小学館漫画賞を受賞した。
Photo_20201212084801ファンシイダンス
監督:周防正行
脚本:周防正行
原作:岡野玲子
音楽:周防義和
日本   1989年   101分

ロックバンドのボーカリスト、大学4年生の塩野陽平(本木雅弘)は寺の跡取り息子。
跡を継ぐ決意をした彼は、頭の左半分を刈り上げて、ライブで『若者たち』を踊りながら歌う。世俗社会との決別の場面だ。
とは言っても、陽平の動機は不埒、禅寺で1年間修行して、住職の免許を手にしようという軽い気持ちで寺に入ることにしたのだ。一緒に寺に入ったのは、修行を積んで立派な僧侶になることが目標の弟の郁生(大沢健)、裕福な寺の娘を恋人に持つ英俊(彦摩呂)、母親に説得され嫌々ながら修行にきた珍来(田口浩正)、新入りはこの4人。

彼らを待ち受けていたのは、理不尽な古参の光輝 (竹中直人)たちの仕打ちと地獄ような修行の日々であった。しかし、慣れてみれば寺の裏事情が見えてきて、偉そうな顔した古参たちは、すきを見て世俗と変わらない生活を送ろうとしていた。

2

やがて、かつてのバンド仲間のアツシが社員研修で寺にやってきて、陽平の恋人だった真朱(鈴木保奈美)が元彼のキリスト教男(大槻ケンヂ)とつきあい始めたと聞かされ、陽平は不安になる。そんな陽平の前に真朱が現れ、いちゃついているところを光輝に見つかってしまい、大目玉を食らう。そして真朱は長くは待てないと言うのだった。

3

適当に修行をしてなにかと問題を起こしてきた陽平であったが、どういうわけか修行僧のリーダーを命じられる。そして、真朱ら観客が見守るなか、修行僧同士の問答戦「法戦式」に望む。問答戦をなんとか乗り切って晴れて下山できると思いきや、ボケ気味の老師から「陽平ちゃん、まだ修行が足りないよ」と言われ、彼は寺に残るのだった。

それでいい、陽平にはもっと修行を積んで徳のある僧侶になってもらわないと、人生を甘くみているからね。

周防監督は1984年に、にっかつロマンポルノ『変態家族 兄貴の嫁さん』で監督デビューした。小津安二郎監督をリスペクトした作品だという。
最近は『それでもボクはやっていない』(07年)や『終の信託』(12年)と、裁判がテーマのガチガチの社会派作品を手がけている。本作や『シコふんじゃった。』(91年)、『Shall We ダンス?』(96年)などのコメディタッチの作品に抜群の才能を見せていたので、このジャンルの作品に再チャレンジして欲しい。→人気ブログランキング

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