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『ビッグ・ドライバー』 スティーヴン・キング

ビッグ・ドライバー (文春文庫)
スティーヴン・キング
高橋恭美子 風間賢二 訳
2013年4月
★★★★★
売り上げランキング: 2,024

本書には・キングの『Full Dark.No Stars』に収録されている4編から、女性が主人公の『ビッグ・ドライバー』と『素晴らしき結婚生活』が収録されている。残りの2編は『1922』(文春文庫 2013年1月)に収録されている。著者の話の運びのうまさが光る。
あとがきによれば、『素晴らしき結婚生活』は映画化権が買い取られていて、著者がすでに脚本を書き上げているという。

『ビッグ・ドライバー』
講演を終えた小説家のテスは、主催者に教えてもらった道を車で帰宅する途中、パンクしてしまう。車のタイヤを交換してやろうと近寄ってきた大男に、暴行を受けて殺されかけ、暗渠に放置された。そこには女性の腐乱死体がふたつあった。ほうほうの体で自宅に逃げてきたテスは身に降りかかった不幸を嘆き悲しむ間もなく、不安定な精神状態にもかかわらず、暴行殺人犯を野放しにしておけないと捨て身の行動を起こす。
愛猫や車のナビ、小説の登場人物、犬、果ては死人までが主人公と会話しながら物語が進むが、違和感はない。彼らは恐怖にうち震えるテスの心の声なのだ。
テスのパンティがヒッチコックのいうマクガフィンとして使われている。

『素晴らしき結婚生活』
ダーシーは40歳代後半の専業主婦、夫は几帳面で真面目な会計士。息子は友人と会社を起こし軌道に乗りつつあり、娘は来年結婚する予定。平和でまずまずの結婚生活だったといえる。
ところがある日、TVのリモコンが動かなくなったことから、歯車が狂う。ダーシーは夫の仕事部屋に単三電池を探しに入った。そこで彼女が見つけたものは、猥雑なエロ本以外に、彼女が夫と暮らし続けるために何かの形で方をつけなければならないとんでもない品物であった。
日常生活の細々としたことがユーモアを交えて描写され、息が詰まる深刻なストーリーが淡々と進んでいく。→映画(全般) ブログランキングへ

1922
ビッグ・ドライバー
『幸運の25セント硬貨』

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